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自己紹介

 その後、無事川を発見、もとい地元民であるらしい少女の案内で到着し、一時休憩となった。そして今現在少女は川で水浴びをしている。服は水洗いして近くの木に干してある。天気がとてもいいので、乾くのは早そう。

 ちなみに、お漏らしをした恥ずかしさからだろう、ここに来るまで最低限の、本当に最低限の話(川への案内についてのみ)しかしてくれず、私達は銅像に語りかけるが如く気まずい話題振りを続けるハメになった。

  

 少女が水浴びをする中、私達は少女の服が干された木の下で座っていた。

「いやぁ~、早い段階で第一村人に遭遇できて運よかったね、ホント」

 とワタリドリちゃん。

「同感だね。今日は野宿かなーなんて思ってたし。それに、命の恩人っていう立ち位置につけたのも嬉しいかな」

 利用とまでは言わなくとも、この世界を把握するためのパイプが出来た訳だ。大変よろしい。

「フラッドの機能が問題なさそうな事も分かったし、収穫は多かったっぽいねぇ」

「ああ、それもあるね」

 フラッドの機能、もう予想はついてるだろうけど、つまりは『放電』だ。カートリッジに貯めてあった電気を、刃先から大出力で放電した、ということ。内側からものすごい強力に電気を流すので、相手は焼け焦げた様になる。相手に触れられているとこっちも感電する、電流を流す時相手の喉から世紀末の様な絶叫がとびたす等デメリットもあるけど、一発で敵を倒せるいい機能だ。

 といったところで、私は干してある服を指しながら言う。

「まぁ色々万々歳ということで、そろそろ服が乾いてそうだよ」

「ん、そうだね。あの子呼んでくる。お~~い!」

 駆け出していくワタリドリちゃん。すぐに少女を連れて戻ってくる。

 少女は服を木から降ろし、いそいそ着ている。 

 改めて容姿を見てみる。背丈は大体小学六年生くらいの高さだろう。ちなみにワタリドリちゃんもこのくらい。髪型は、銀髪のロングヘアー。外国系の顔と合わせてみれば、完全に日本人じゃない。今着ている途中の服は紺色のワンピースだ。

 着終わったあと、もじもじしながら私達に話し掛けてくる。

「あ、あの、助けて下さってありがとうございます。それに、その、そ、そそそ、粗そうをしてしまって、本当に、ごめんなさい……………。な、名前はリリスっていいます!恩はしっかり、返させて頂きます!」

「うんうん、いい挨拶だねー………………じゅるり」

 ワタリドリちゃんの目がなんか一瞬おじさんみたいに………まあいい。

「それで、お二人は旅の方とかですか?何か、不思議な格好ですが………」

「あー、そだよね。この人黒々しいし、いかにも怪しい仮面してるもんねー!」

 と私を指差すワタリドリちゃん。失礼だよ!

 というか、ワタリドリちゃんの方が変な格好してる。金に染めた髪で後ろに2つ団子を作り、ピンクのコートを羽織ってくまさんリュックを背負っている、見た目年齢十二歳派手派手少女である。

 と、ワタリドリちゃんが質問に答える。

「うん、まあそんな感じかな。旅の方旅の方。私の名前はワタリドリ。偽名だけどねー。んで、こっちが西じょ………」

 その瞬間、私は全力でワタリドリちゃんを睨む。

「ひあっっっ!!え!?なに!?…………………あ、もしかして本名NG?」

 頷く。

「そうゆうことかー、もー無闇に睨まないでよ怖いんだからー。そんじゃ、改めて。この子は『ブラック』。仮面は結構な美人さんだよー!」

 と説明を終える。また余計なことを………。あ、ブラックというのは私の仕事上での呼び名。安直だけどげっこう好き。

「はぁ………えっと、ワタリドリさんにブラックさん、ですね。ところで………あのウルフは回収しないんですか?」

「えっと、なんで?」

 質問する私。

 それに対して。リリスはこう答えた。

「いや、だって毛皮なんかは結構売れますし………普通、剥ぎ取りますよ」

 

 ふうん………。

 いいこと聞いた。

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