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異世界探求伝  作者: 勘乃覚
冒険編
29/172

異世界探求伝 第二十八話 乱入者

ババンババンバーバン!

温泉は良いですね。 特に川沿いの露天風呂って最高!

 ここは良いと~こ~一度わぁおいでぇ~♪ あぁ、どっこうしょ~ でお馴染みの――では無く、俺の初キャンプでの自作の露天風呂の現場である。 

俺は習った火魔法の威力を強めにして、それを放出させずにゆっくり水面に移動させた。 


「少し離れてね」

「ジュッ! ブクブクブク」

湯気が出て来たので、片手で魔力の調節をしながら触ってみる。

「うん、良い感じだぞ」


初めてだろうから、俺はお風呂の入り方を伝授する。

つまりは掛け湯だが、これはいきなり肩から掛けては駄目だ。 足元に軽く掛け、次に股間、お尻と掛けながら手で軽くもむ、そして胸、肩に掛けてからようやく入る訳だ。 俺ははトランクス一枚になって、作法を教えた。


「作法ですか?」

「何か、巫女様の、沐浴の様なものですね」

「どうした? お前達入らないのか」

「あ、あの・・・・・・」


何やら女性陣は「モジモジ」始めてしまった。 うん? 恥ずかしいのかな?

何やら、女性陣がモジモジしているが、恥ずかしのだろうか?

「ん? 俺が一緒じゃ恥ずかしいか? じゃ、上がるからお前達ゆっくり入るといい」


俺が立ち上がると、慌てて引き留められた。 恥ずかしいと言うのは合っていたが、皆で湯船に入るのが初めてらしく、誰が先に入るのかを牽制して見ていたらしい。

「じゃ俺が手伝ってやるよ」


 俺はまずモモに近づき、お湯を掛けてやる。

下着の上にはスリップだろうか? 身に着けているが、着替えは用意してあるだろう。 下から順に掛けて行くが、直ぐに透けてこれはこれで少しヤバい感じがする。 背後に回り、上からお湯を掛けると彼女は肩をいからせた。


「モモ? 熱かったか」

「ん、大丈夫だよ。 おにぃちゃん」うん、大丈夫なようだ。


こうして四人掛けてやると、溢れる湯船に全員で入る事が出来た。

「あぁー、気持ちいい」

「最初熱かったけれど、流れて来る水で丁度良くなったわね」

「うーん、初めて」「きんもちいいぃ」 「嬉しいです」 「楽しいです」


 本当は裸が良いのだが、獣人だからしょうがない。 

毛が浮くしな、着て入るのが正解だろう。 湯船に入る風習が無いと言うのは当然かもしれないのだ。 獣人にはヒューマンとは違い、体毛が多い。 この毛はいくら前もって綺麗に()いても、お湯に散乱してしまうものだ。 


 子供の頃、飼っていた犬とお風呂に入りたくって一緒に入った事が有る。

洗ってやるついでに湯船に入れたのだが、しっかり洗ったはずなのに、湯船には大量の毛が浮かび、それが肌に(まと)わりついて閉口したものだ。 長毛が絡みついてシャワーで取るのも大変だった覚えがある。 兎にも角にも後始末が大変だった。


 母に犬を乾かして貰っている間に、大急ぎで湯を落として湯船掃除を始めたのだった。 

俺が終い湯だったから良かったのだが、必死に湯船洗っていると、母はそれを見て何故か感動していた。

まぁ、そんなこんなで、獣人には着る物を着せて湯に入れるのは正解だ。 だが、俺のもう一人の自分は、何故だか『チガウ』と言って居る様な気がするが、気にするまい。


「温まったら湯船から出て、体を洗うんだ」

「はーい」「はい」「ほーい」「あい」俺は桶に木の実シャボン湯を作り、全員に掛けて行く。

「じゃ背中をあらってあげよう」

俺はジュリナから背中を洗った。 裾から手を入れてゴシゴシと擦ってあげる。 最初は恥ずかし気だったが、慣れて来たのか気持ち良さげにしている。


「きゃっ!」

「あっ、ごめん、手が滑った」だが、これはお約束である。 瞬時に乳をモミモミして堪能してやったぜ。 フフ、次にミシェータを見ると、結構ですと即座に言われたが、拒否権は無いぞとばかりに無理やり洗いたおしたった。 「むふふ」


「ひゃー、やー、いやぁ」ふむ、女性の黄色い声はとてもとても良いものでおじゃる。 と、どこかのマロ言葉が思い浮かんだが、口に出すと変態扱いにされてしまうのでここは自重しよう。 ジュリナに比べると少し小ぶりだが、張りのある乳房は上々なのだ。 調子に乗り、乳首を摘まんで殴られそうになったが、即回避成功。 次はモモとミクだが、彼女達は体が小さいので、二人(まと)めて面倒を見てやる。

 

「イヤーくすぐったい」「ヒィイー」

「ほれほれ」

「キャーん」「ひゃん」

「これでも、どうだ」

「ドカッ」「ぱこん」

余り調子に乗ってしまったので、ジュリナとミシーに背後から殴られた。

「エロい! カヅキ」 「やり過ぎ! カヅキ」

「男がエロいのは当たり前だぞ、それとも俺が聖人君子に成ってもいいのか?」

「セイジン・クンシ?」


「そうだ、神官みたいなものだぞ。 女性(にょしょう)には目もくれず信仰にのめり込み、神を崇めるのだ」

「いやーっ!」「そんなっ、嫌ですわ」ふふふ、これでしっかりと約定は取り付けられた気がする。

少し温くなったお湯を温め直して、全員で入り直す。 頭に乗せた薄手の手拭いを見ながら話をしてみた。


「ところで、機織りってあるのか?」

「ハタオリ?」

「んと、布を作る器具だよ」

「うん、あるよ 何するの?」

「ああ、色々お洒落な着る物を作りたいなって」

「ふーん、ドレスとかも?」

「そうだな、レースもあるんだろ? 刺繍があるんだし」

「あるけど高いわ、王都でしか見ないわよ」

「そっか、稼げそうだな」

「また、何か思いついたのね」

「んー、悪いけど女性の下着がな」

「下着?」

「ちょっとダサいかなって」

「えぇーーー!」って、怒ってる怒ってる。 

「アハハ、ごめんよ。 処で糸が取れる魔物って居るの?」

「巣を作るクモとか、粘糸で攻撃してくる芋虫とかいるわよ」


「その糸で布とか作れるのか?」

「うーん、貴重だわよ。 でも強固で防具にも使われてるわ」

「貴人だと普段着に利用してるみたい。 襲撃防止の予防策でしょうね」

「欲しいな」

「うん、探してみましょ」


「ちょっ! 誰か見てるわ、動きからすると人かな」

「おにぃ様、七人」

「よし、ゆっくり上がって、銃を取れ」


「おっと動くな!」と、そこに現れたのは五人の小人とヒューマン三人であった。 気配を隠すのに秀でた数人が居たのであろうか、人数の把握が出来ていなかった。 全員弓を手に持ち、こちらを威嚇している。


「おめぇら、武器は持って居ない様だな」

「よし、そのまま、両手を上げて出てこい」

「ゲヘヘ、兄貴、上玉ばかりですぜ」


「気を付けろ、魔法を使うかもしれん」

「おい! お前ら、一応聞くが盗賊だな?」

「ガハハ、男と喋る趣味はねぇ。 おめーは黙って座ってろ。」

「ドカッ!」

「次、口を開けたら殺してやる」


男から蹴りを入れられた俺は、露天風呂から蹴り出された。 口の中が「ジンジン」するから口の中を切ったのだろう。 モモとミク、そしてミシェータは怯えた目をしているが、ジュリナは鋭い眼つきで男達を睨んでいる。


それは一瞬の出来事だった。 俺はこの中で唯一無詠唱に長けている。 と言うか、イメージ先行なので詠唱を知らないだけなんだが・・・・・俺は一瞬で、周りの小石を周囲に囲って強固な壁を作り上げた。


「ドドドドド!」


「何だなんだ! 誰が魔法を使いやがった」

弓矢の攻撃が来るが、すべて弾き飛ばされて槍も通さない。

「おい! 水魔法で溺れさせろ」、「へぃ」


「よし、いくぞ!」

詠唱が始まったかと思ったその瞬間、俺の掛け声で五人の猛者が壁から飛び上がった。 蹴りを入れられ風呂外へ飛び出した俺は、その時幸運にも皆の銃を手にしていたのである。


「バリ、バリッ、パリ、 パ・パ・パ・パ・パン」

「ふむ、電撃砲は殺傷能力が低いから、制圧にはもってこいだな」


 小さな衝撃音が止むと、そこには八人の盗賊が倒されていた。

武器を取り上げ靴を脱がせると、俺は玉鋼で作った指錠を親指同士で繋いでいく。 腕は勿論後ろ手である。 先ずは奴らを転がしてから、ゆったりお湯に入り直す事にしょうか。 身体を温め直した女の子達には、先にテントへ戻り着替えて貰って、俺は後で交代して着替える事にする。


 戻ると盗賊達の何人かは目が覚めていた。

寝ている者に水を掛けて起こしてやると、全員両足を前に投げ出して座らせた。 これは反省させているつもりでは無く、親指で拘束しているので胡坐(あぐら)をかく事が出来ない為だ。 これでに急に動く事も出来ないであろう。


「貴様らの現状は把握してるな」

俺がそう言うと、黙って(うつむ)いている。

「返事は出来ないのか?」

すると、親玉らしき人物が声を漏らす。

「へっ、どうせこんな山深くだ。 殺されるのは覚悟してるさ。 それに、こいつは外れそうもねぇ」

そう言うと、指錠を見つめていた。


「どうして殺されると?」

「盗賊行為は極刑に近い。 普通の兵士や討伐隊ならば輸送の馬車を用意してあるが、見た所おめーらは冒険者だ。 つまりは輸送方法が無い」


「ああ、確かにな」

「だから 俺達を連れて行くには紐で(くく)って連れ歩くしかねえ訳だが、ここは魔物の巣が多くて危険地帯だ。 だから足手纏いの俺らはここで殺られるって寸法だ」


「おっお頭」「お頭ぁ」「くっ」 「・・・・・」

「そうか? しかし、俺なら二択はやれるぞ」

「生かすってか? 賞金目当てたぁ剛毅だな」

「うん? お前ら賞金首か?」

「ふっ、フアッハッハ、とんだお坊ちゃまだぜ」


 すると、ジュリナが耳元でこっそり教えてくれた。

どうやら犯罪者を捕縛すると、報奨金が貰えるらしく、更に凶悪犯になると、奴隷落ちになるものが多く、その売却代金も手にする事が出来るんだそうだ。 ただ、犯罪者なので奴隷落ちと言っても、犯罪奴隷は奴隷市場に並ぶ事はほぼ無い為に、強制労働に従事させられるのが主である。 尚、刑に服して品行方正と認められた者は、その時の判断で開放される事もあるらしい。


「ところで、お前らは何で盗賊に落ちたんだ?」

「そうだな、まぁ話してやってもいい。 元々は猟師をやっていたんだ」

「魔物狩りなら、冒険者じゃないのか?」


「冒険者だとギルドとか領主様に、税金で持って行かれちまうだろ」

「なるほど、丸儲けだな」

「で、ある日傷ついた冒険者が通りかかって、そこを保護しようと近づいたんだ。 だが、相手は既に虫の息だったから助からなかったんだ」


「ふむ、在りそうな話だな」

「で、身ぐるみ剥いでる所を、その冒険者の仲間に見つかったんだ」

「あらら」

「おい! 貴様等、何をやってる、山賊だな! ってんで、襲われたんだな」


「で、返り討ちか」

「まぁな、で、そいつらの内二人が逃げちまってよ、それで盗賊にされちまったんだ。 俺達の仲間も殺られちまったのにな」

「出るとこ出れば、無罪になるんじゃないのか?」


「こっちの身を守るたぁいえ、冒険者を攻撃しちまったんだ。 無理だぜ」

「そうなのか? ジュリナ」

「そうねぇ、冒険者はギルドに守られるし、裏には領主を始め王国が居るからね」

「成程、気の毒だな」


「ちょっとカヅキ! まさか許すつもり?」

「いや、盗賊に成り下がった経緯は可愛そうだが、俺達に向けて来た敵意は本物だ。 許すつもりは限りなくゼロだ」


「で、そうすんだい? 生かすつもりなら、こっちも逃げられるチャンスが出来るんだがな」

「ハハハ、そうは問屋が卸さないんだな」

「トンヤ? が・・・」


「ここに居るお嬢さんは、契約魔法の使い手だぞ」

「へっ! 隷属魔法か」

「ああ、よく知ってるな」


「勿論だ、だがな、知ってるだろうが、隷属も契約の一部だ。 こいつは双方の合意がなきゃ成り立たねえぜ」

うん、こいつは本当に頭が切れる。 伊達に頭を張っているんじゃ無いんだろう。 俺達の若さを目にして、殺すと言う選択は無いと見たのであろう。


「そうか 合意はしないんだな? 俺を甘く見たもんだな」

「ふん!」


余裕のある所を見ると、縛って魔物に食わせると言っても屈しないだろう。 こういう目は俺はよく知っている。 恐らくだが、まだ他に仲間が居ると考える方が妥当である。 しかし残念だったな。 俺は人を落とす方法は誰よりも心得ている。


「お前少し臭いな 汗を流してやろう」

(ようやく)く余裕を見せていた親玉は、少し驚きの表情を見せた。 何故ならそれは優しく同情を浮かべる俺の顔付では無いからだ。 俺はミシーに露天風呂を深くして貰い、両脇に柱を作らせた。 それが終わると親玉の体重を『重力操作』で軽くし、持ち上げて棒に引っ掛け吊し上げた。


「お、おぃ!」

下を見れば、グラグラとお湯がたぎって居る様に見える。

「おい、お前達、この紐を持て」

俺は、親玉の足元に付けた七本の紐を子分達に持たせた。


「おい、おめーら離すんじゃねぇぞ」

「さて、それはどうかな? 俺達の手で殺るんじゃ無いからな」

「くっ、きたねぇぞ」


俺は少しずつ親玉の重力を掛けて行った。 次第に重さが増して行く親玉の紐が、ついに彼らの手からズルズルとすべり落ちて行く。

「おいっ 待て! まて」

「ドボン! んぐっ」


遂に盗賊の親玉は煮えたぎった熱湯に・・・運命はいかに。


ミシェータ:こっ、怖かったわ

モモ:はい、ミシェータ様、おしっこちびっちゃうかと思いました。

ミク:ガクガク

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