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異世界探求伝  作者: 勘乃覚
冒険編
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異世界探求伝 第十七話 魔法陣と魔法数式

今回は、魔法陣のお勉強ですね。

 朝起きたら、ベッドにはミシェータは居なかった。

俺は風呂場へ行き、軽くお湯をかぶる。 「今日は天候が悪いな」風呂の窓から外を見ると、生憎の雨模様であった。 こちらに来て初めての雨である。 空を見上げながら、今日の鍛錬はお休みかなと思っていたら、モモとミクが俺を探しにやって来た。 手早く着替えるて庭へと案内されるが、そこには障壁らしきものが張られていた。 透明な幕が、雨を弾いているのが見えるのだが、ミシェータが張ってくれたそうだ。


障壁にも色々あるらしく、これは物理障壁なのだそうで、魔法防御には魔法障壁を使うのが常らしい。

「シールドだよな」、これはイメージし易い。 何故ならフアンタジーの世界では、どの物語でも出てきそうな定番魔法であるからだ。


「うん? 何故モモとミクが混ざってる?」

「あのぉ、学校が週末はお休みなんです」「なんですぅ」

「私達も、クロサワ様達との鍛錬をしたいとの申し出て、お嬢様とクラーク様からのお許しを得たのです」

「そうですぅ」

「へー、小さい頃からやると強くなれるよ」

「私達そんな子供じゃありません!」「ありません!クロサワ様」


何か二人してむくれている。 そりゃ、働きながらも学校行ってる自立心は認める。 だがこんな小さな子らが、しかも女の子だし怪我をされるのも気が引ける。


「うーん、そうだねぇ、隅っこでコツコツやると良いんじゃないかなって、お兄さんは思うぞ」

「クロサワ様と言えども、それは失礼な物言いです」「物言いです!」

「えっ?、何かおかしなこと言ったかな? だって七、八歳の子が棒っ切れ振り回して危ないじゃないか」

「私達十二歳ですわ。 来年卒業でしゅ」 「でしゅ!」


あっ、噛んだ。 だが、真っ赤な顔をして訴えかけて来る二人はとてもかわゆい。 俺は思わず二人を両脇に抱え込んで、頬ずりしてしまっていた。

「モフモフー、フワフワー」「やー離して」「離せー!」

「ポカッ!」

「あいた! 木剣で殴るなよジュリナ!」

「なにやってんのよ、私とミシェータだけでは不満なの!? カヅキ」

「えっ、ちょっ」何かばれてはる・・・・・ような気がするが、ふむ、ここは俺のスキルである『知らぬ存ぜぬ』を発動させておこう。 俺は静かに二人をおろして、ジュリナと向かい合う。


「うん? どうした俺はジュリナに不満は無いぞ」

「ミシェータには?」

「うん? ナンノコトダロウ、サッパリワカラン」


「ボコッ!」って、そんなに何で攻撃的なんだ。 凄い速さで脛を蹴飛ばされた。

「ぷっ ホホホ」、笑い声の主はミシェータである。 目と目が合うと、ミシーは髪の毛の根元まで顔を赤らめてモジモジしはじめた。


おい! それはこの場で一番やっちゃいけない仕草だろ。 俺は首根っこを摘ままれてミシェータの元へと引きずられて行った。 なんて、剛力・・・・・・


「で、昨夜はどうだったの?」って、ジュリナの詰問に事の露見が確定してしまった。

「まぁ、そのう・・・・・・何と申しますか」

「良かったの?」

「はぁ・・・何かいつの間にかそうした事になっておりまして・・・・・・」

「ミシェータは?」

「えぇ、初めてよ。 あんなに(とろ)けたのは」

「ふーん・・・・・・満足したんだぁ。 で? カヅキは?」

「あー、そのぉ・・・・・・」

「ミシェータに満足出来なかったの?」

「い、いやぁ、そりゃあそれなりに」

「ふーん、で? 私とミシェータとどっちが良かった?」

「はぁ、それはどちら様も素敵で・・・・・・全く、わたくしめには勿体無い程のお二人です」

「比べられない程、どっちも良かった訳?」

「はぁ・・・(おっしゃ)る通りでして」

「そう、良かったわ」と、軽いジュリナの口調に一瞬呆気に取られた。


 ジュリナはニコリと微笑んで、ミシェータと手を取り合っている。 

こ、この対応で良かったのか!? 俺はジャパン男の『煮え切らない』スキルで、この場を何とか凌いだのであった。 ジト目のクラークはジュリナの指導を。 ミシーは何やら只管(ひたすら)書き物をしている。 結局、俺はモモとミクの指導をさせられる事になった。


「うーん、そうだな、二人は適当に打ち込んでおいで」

七歳位の小さな子供だと馬鹿にされたと思っているのか、二人はお怒の様で、いきなり飛び込んで来たのである。 流石獣人、ヒューマンとは動きが違う。 どこが違うかと言えば「バネ」なんだろう。 俺は二人同時で飛んで来る所を同時に捕まえ、素早く「モフモフ」頬ずりして放り投げる。 捕まえたらジタバタする仕草がステキ過ぎるので、ついつい癖になりそうだ。


同時攻撃だと、一手で対処される事を理解したのだろう。二人は、その後から左右に分かれての攻撃にリズムが変わった。 俺は木刀を手放すと、集中する事にする。 腹部を突きに来たモモの剣を脇に挟み、背後からのミクの攻撃を避けざまに足を掛ける。 モモの剣を奪い高く放り投げるが、運動神経が非常に良い。すると、見ている間に空中でクルリと回ると、すかさず蹴りを入れて来た。


しかし、空中からの攻撃は相手の不意打ちで無ければ、(かわ)す事はいとも容易(たやす)いのだ。 少し軸をずらしてやれば、モモは可愛くお姫様抱っこで俺にスリスリさせられる。 すると、ミクも起き上がり向かって来る。 俺は素早く交わしてミクも捕まえてスリスリする。


「うーっ」「やめーっ」

「アハハハハ」

ポカポカ殴る二人を座らせて、俺は説明をする事にする。「モモとミクの攻撃は単調なんだよ」と、直線の攻撃はかわし易く、反撃されやすい事を石を使って理解させてみた。 俺は二人の特性を生かして、足さばきと体重移動の仕方を教え込む。 さらに二人で連動するニコイチ技も教えたのだ。


二人にニ倍の『グラビティ・オン』、重力を掛けて、俺は五倍で鬼ごっこを敢行する。 視線を感じたので見てみると、「ハァハァ」言いながら、向こうで鍛錬中のジュリナがむくれた顔をしているが、これは遊びでは無い。 決して遊んでなんか居ないんだ、うん。


モモとミクは「キャッキャ」と黄色い声を立てながら、先程の膨れ面はとうに止んだ様だった。 身体が重くなった事を不思議そうにしていたが、思う様に体を動かせないのがまた面白いみたいだ。 オニ(・・)になっている俺は、彼女らを捕まえる毎に、スリスリしばがら上に「ポーン」と放り投げている。


オニの交代? そんな勿体無い事はしないさ、俺は一生オニ役で良いのだ。 とうとう、モモとミクの足がもつれ始めたので、開放してやる事にした。 重力を外してやると、また不思議そうにしていたが、直ぐに凄い速さで剣を(さば)き、瞬歩(しゅんぽ)までもこなせる様になっていた。 子供のスポンジのような吸収力は、さすがに凄いなと素直に感じたのだった。


 手持無沙汰になった俺は、ミシェータに魔法を教えて貰う事にした。

つい昨夜を思い浮かべてしまうが、ミシェータはそんな積極的な女の子には傍目(はため)に見えないのである。 少したれ目の可愛い素顔に、肩下まであるストレートの赤髪がとても美しい。 背は低いのだが、それが彼女の可愛らしさをかえって引きだたせているのだと思う。 少しぽっちゃり系で、豊満では無いが、それなりの挑戦的な双丘を持っているし、彼女の小さな突起も俺の好みだ。 ミシェータが真剣みを帯びて、吊り上がってまではないにしろ、横目にはなっていた。 いきなり可愛いモードからの綺麗モードへとシフトチェンジだった。


 真顔のミシェータから、基本の四行魔法を教わる。

聞く所によると、やはりイメージだ大切だそうで、まずは四行の中でも基本となる水魔法から教わった。 手からダダ漏れする水を見て笑いながら、彼女は魔力を手の平で優しく持つイメージを教えてくれる。 何度か失敗を繰り返しながら、何とか水の塊を球形で手の平に具現する事が出来た。 できた丸い水玉をツンツンすると、形がユラユラする。


次に、これを細い棒にしてみるが、それは矢のイメージだ。 いきなり『アロー』の魔法を出した事に彼女は目を丸くしていたが、それも手本を見せてくれた。 彼女は手の平に魔力を込め始めると詠唱し始めた。


「静まり返った大気の中で・地面の奥深く湧き水の水音が響き・波立つ筋の容を示せ」

『アクア・アロー』

「バショッ!」 


彼女の詠唱で(へい)に五本の水矢が飛ぶ。

「成程、穴が開く程の威力は無いんだな」

「そうね、石壁だもの。 でも魔力を沢山込めれば威力は増すかしら。 でもこれを凍らせると」


「水面を渡る冷気に・凍てつきし氷の蛇よ・我が意示す汝が獲物を射抜け」

『アイス・アロー』

「ダ、ダ、ダ、ダ、ダン!」


今度は塀に穴が開いていた。

「壁は土属性だから、水だと効果が薄いのよ」

彼女は土魔法で穴を塞ぎながら、属性同士の相性も教えてくれた。 相性に関しては俺も理解しているつもりなので、ミシェータにスラスラ答えると、それは満足していた。


 気が付くとモモ、ミクを始め、ジュリナも撃沈しているので、朝の修練はこれで終わりにする様だ。

モモとミクが可愛く「クロサワ様、御指導有難う御座いました」と、頭を下げて来たので「おにぃちゃん」で構わないと伝えると、二人は複雑な顔をしてクラークとジュリナを見つめていた。 クラークは「ニコニコ」していたが、「お嬢様」は微妙な顔をしている。 俺は男兄弟だったから、妹が欲しかったんだよと申し開きをしたら、ジュリナはニコリと笑うと素直に承知してくれて、二人に許可を出してくれた。


「おにぃちゃん」 「お、おにい様」


 俺は二人を抱き上げるとお風呂へと連れ去った。

湯浴み着を着るので、一緒に入っても問題無しと考えた為だ。 水を樽に貯め温めの湯にして掛けてやると「キャッ、キャ」と喜んでいた。 湯浴み着から薄っすらと見える胸の膨らみを、スキル「流し目」で見ていたのは御愛嬌と思って頂きたい。


こうして見ると二人の性格は同じ双子でも違う様だ。モモはあっけらかんとしているが、ミクは少しはにかみ屋さんだ。 だが、ツボにはまる場所は同じみたいだ。 外見はモモは白毛ベースで、赤茶と黒が頭髪から尾まで伸びているし、ミクは白毛ベースに銀色と黒である。 しばし小娘二人を堪能すると、仲良く汗を流し終わって朝食に、向かう事にする。


いつの間にか、モモとミクが俺の両脇に着席している。 俺は嬉しい限りだが、正面にいるジュリナとミシェータがとても複雑な苦笑いだ。 俺は新たに『イモウト』を得た。 素直に嬉しい。 二人に「あーん」して交互に食べさせていたが、正面の二人が口を同じ様に開けている。 見ると「ハッ」とした様に素に戻っていたが・・・・・・おまえら、あーんして欲しいのか?


 ――――午後はミシェータの店で銃の作成だ。

まずは、素材の選定に入るが外見ははやり黒がいい。 ミシェータが勧める魔獣虫素材に決める。 基本的に甲殻は強度が高いらしいが、衝撃には強いが熱には弱いらしい。 グリップには、先日防具屋で見た甲羅素材を使う事にする。


これらは熱で加工出来ると言うので、『丈夫で軽い』と言う俺のコンセプトには丁度良い。 だが、それが後で問題になって来るのだが・・・ 銃身はミスリルなのだが、魔物素材も魔力を通し易いと聞き、あれこれ素材を触り聞きまくってみた。 ここで俺はミシェータに再確認だ。


「なぁ、オーブから魔法を直接出せたら、銃身要らないんじゃね?」

「オーブは、魔力を貯める器みたいなものだから、それを直接魔法に変換すると暴発して壊れるわ」


駄目か、俺はもう一度設計図のを見ながら、ミシェータの書いた魔法陣に照らし合わせる。 

魔力弾倉⇒魔法術式で威力と魔法の固定⇒引金⇒銃身を通り発射

ここで問題になったのはバランスなのだ。 金属素材であるミスリルが上部にある為に安定が悪い。 しかし、全体を金属に近い重量にすると、故郷にあった古くて重い型の銃になってしまう。 俺が居た時代の銃は、強化樹脂製で金属は弾丸の雷管に使われている程度だった。 ミスリルの粉が魔剣に使われているので、もう一度その方向で考えてみる。


「銃身だけがネックだな」

「うーん、少し握りを緩めただけで、くるっと回るんだわね」

「魔物素材を溶かして、樹脂にして固めるか」

「それしかないわね」

「いや、エンピツ方式だ」

「うん?」

「樹脂にパウダーを混ぜて、棒状の細い芯を作ってから、その束を固めて銃身とする」

「ふーん、やってみるわ」


 ジュリナは、粘土で焼いて作った型でせっせと部品作りをしている。

粘土を焼くと二割は小さくなるので、計算して魔法で焼成した。 ようやく夕方近くになって、試作第一号が出来た。 三人で作った初めての共同作業である。 俺のリクエストで雷砲仕立てだ。 早速裏庭へ行き、土魔法で厚めの的を作って貰った。


「行くぞ」「ええ」「頑張ってね」


「ドーン! パラパラパラ」


光の小さな弾が的にぶつかった瞬間に、まるでスイカが破裂する様に割れてしまった。 「チリッ」と破片から電流が走ったのが見えた。


ジュリナ:私は魔法陣って得意じゃないのよね。 だって色々面倒じゃない。

敵なんて、ダット殺ってぱーっと逝けばいいんだわ。

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