第二十話 見習い飼育員の勇者
よろしくお願いします。
翌朝、早朝四時に起きた冬太はまだ寝ているだろうと彼女の部屋へ行くと、ちょうど部屋からアリサが出てきた。
「動物園の朝は早いってテレビで観たことがあったの」
と昨日渡した作業着にちゃんと着替えている。
冬太より三才年上の十七歳の少女は若いのに思ったよりもしっかりしている様だ。
さっそく冬太が仕事を教えていく。
まず朝にするのは、魔獣達の餌やりとえさを食べてる間に、魔獣達の部屋を綺麗に掃除していく。
初めての作業で彼女はだいぶミスをしている。
だけど、ミスしたことは次にミスをしないようにメモに内容を書き込んでいる。
オープンしたらチケット売り場にたってもらった。
笑顔がぎこちなかったがきちんと配り終わっていた。
次は園内の清掃がてらの見廻りをしてもらった。
真剣に丁寧に清掃している。
お昼になったので、フードコートの接客を手伝ってもらった。
お客さんが落ち着いたので休憩を二人でとる。
休憩が終わるとお昼の魔獣達の餌やりをし、再び掃除しながら見廻りをする。
そして閉園までの仕事を一通り教えた。
これを一週間の間付きっきりで教えた。
魔王同様膨大な聖力のせいで魔獣達に警戒されているが、それでも頑張って一週間仕事を続けた。
~一週間後~
魔王からスタッフとしてこの動物園に居る事を認められた。
しかし、
「見習い飼育員って何よ!」
「勇者よ、仕事を頑張っていたのは認める。だけどお前、動物達に未だに好かれてないじゃん」
「それはあんただって一緒でしょうが!」
「私にはベヒ子がいるからお前とは違う」
「ぐぅ、だいたいあんた園長の資格あるの? 毎日ベヒ子の側に居るだけじゃない! 冬太なんか朝から晩まで仕事してるのに!」
「ベヒ子の側に居るのは、万が一ベヒ子の首輪が外れ、力が暴走しても抑えられるからだ。これは園長であり魔王でもあるこの私――マリアンローゼにしかできない仕事なのだ。これ以上文句があるならここで働かせないが?」
「喜んで見習いとして働かせて頂きます!」
それは見事な土下座だった。
よっぽど動物園に来るまでの生活がきつかったのだろう。
こうして見習い飼育員として働き始めたアリサだったが、思わぬ副産物があった。
魔人にとって敵ではあったが、その見目麗しさに魔人の中に彼女のファンが居たり、人間界にはファンクラブが出来る程の人気があった為、彼女目当てで動物園に訪れるお客さんの数が増えた。
勇者が魔界の動物園で働いている事は人間界の者達にとっても大きな出来事だったらしい。
もちろんアスファルト帝国皇帝にとっても。
ありがとうございました。




