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無職から始める異世界バイク便  作者: 牧瀬 冬馬
3/5

風の運び屋へようこそ

「とうちゃ〜く! ここが私の住む街【グレアス】の街だよ」


ルディがタンデムシートの上で両手を上げ歓迎してくれる

「なかなかでかい街だな、活気もあるし住みやすそうだ」

見れば夕食の買い出し時なのか、食材を手に持つ人も多く行商人らしい馬車で賑わっている


「そうでしょ、昔からあって物流が栄えてどんどんおおきくなって【無い物は無い】街って言われてるんだ♪」

「なるほどな〜」

(それはどっちとも取れる言い方だな…)

「まぁ案内は今度するからまずはウチに行こうか、こっちだよ」

流石に人通りも多い中、バイクで駆け抜けるのをためらい押して歩くと、同じくシートから降りたルディが手招きし道案内をしてくれる


ルディについて歩きながらすれ違う人を見ると、ファンタジーによく出る【エルフ】や【獣人】と思われる姿もある

(やっぱり昼間の猪もどきといい、これは俺のいた世界じゃないってことだよな…)

そんなことを考えながら歩いているとルディは止まり、一軒の建物を指差しにこやかに言った

「ここが私の家、兼職場の【風の運び屋】だよ」

木製二階建てで、隣にも同じく二階建ての倉庫が繋がっている建物を指差しながら紹介した


「今は私1人で隣の倉庫は使ってないの、そのぉバイク?はそっちに入れておいて」

「お、屋根付き部屋に置かせてもらえるのは助かるな」

横開きのドアを開くと少しホコリっぽいが充分な広さがある

バイクを止めてルディの元へ戻ると隣の母屋へ案内される

「じゃあ約束の特製シチューを作っちゃうからゆっくりしてて」

近くにあるソファを勧められたので有難くゆっくり待たせてもらうことにした

周りを見渡すと写真が立ててある

(この世界にも写真はあるのか)

見ると10歳ほどの女の子、ルディか?と厳ついおじいさんが手をつないで店の前で写っているものだった、俺は深く考えずに聞いてしまった

「ルディ、親は一緒にいないのか?」

口にしてからしまった!と思ったがもう遅い

「うーん、お父さんもお母さんも私が2歳くらいの時に隣町へ配達の途中で野盗に襲われたみたいで…ね」

「…ごめん」

「いいのいいの、全然覚えてないしそれにお爺ちゃんがいてくれたし」

「お爺ちゃんも先日亡くなっちゃったけど今は家族が残してくれたこの店を頑張って有名にしてやるんだ!」

言いながら目の端に少しの涙を見せながらも笑顔でいるルディに近づき、頭の上に手を置いた

「わっ!なっなにするんだよ」

「いや、ルディはえらいなって思ってな」

そのまま頭をわしわしと撫でてやる

「ゔぅぅぅ」

変な声は出してるが、嫌がってはいないようなのでもう少し撫でておく


………


「うまい!」

シチューにパンにサラダ、2人分の食事が用意された食卓で絶賛の声を上げる


特にシチューは特製と言うだけあってむちゃくちゃうまかった、具も俺好みのごろごろ派で、3回もおかわりをしてしまった

「ご馳走様、ほんとうまかったわ」

「うんうん、いっぱい食べてもらえると作った甲斐があるよ」

そう言いながらルディは洗い物をしている、

お金無くて泊まる所が無いんだったら、隣の倉庫の二階を使っていいとの言葉まで頂けたのは本当に感謝だ

食後軽く雑談をして、毛布をもらい部屋へ移動する

今日はいろいろあった、家を追い出され空を飛び、異世界に来て追っかけられて…思い返し目を閉じると、思ったより疲れていたようですぐに睡魔が襲ってくる

こうして異世界1日目の夜が過ぎて行く…

無職から始める異世界バイク便を見ていただきありがとうございます。


世界観については次あたりにまとめて補足として出そうかと思います。

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