入学式
春。それは出会いと別れの季節。
ずっと恋してた人とも別れなくてはならない運命。
私はあの人と違う道を歩まねばならない―――
入学式が終わったあと、私、南雲 京子は友人の中部 舞と入りたい部活の話をしていた。
「わたし、やっぱバレー続けようかなぁ。迷ってるけど」
「サッカー部マネージャーと迷ってるんだよね??」
「そーそー!!どこかのマネージャーには憧れる!!…京子も憧れてるでしょっ??」
舞は私の顔を見てニコニコと微笑んできた。
「私は……」
言いかけた途端、
「あー、待って!!どこに入りたいって思ってるかわたしが当てる!!」
止められてしまった。
「わかった!!テニス部だ!!」
「ううん」
「水泳部??」
「ううん」
「ヨット部ー!!」
「違うよ」
私は決めていた。
ずっと好きだったあの人に会うためには、あの部活しかない。
それに、私はあのスポーツが大好きだ。
舞が考えている間に下校のチャイムが鳴ってしまった。
「あー、結局分かんなかった!!まぁいいや!!明日から部活動見学でしょ??一緒に回ろーね!!」
それだけ言うと、あの子は足早に帰っていった。
私は深く息を吸って、空に向かって思いを伝えた。
必ず、あの子に想いを届ける
と―――