9/10
写真
さつきが死んだ日から四年経った。
今でもさつきが近くにいるんじゃないかと思う時がある。
そのくらいさつきと一緒にいた。
葬式の時、さつきを見ることができなかった。
母曰く、いつもの通りの綺麗な顔で今にも起きそうだったらしい。
俺は後悔してる。
好きだって伝えられなかった。
守ってやれなかった。
とうとう、四年も経っちまった。
彼女なんて作る気にもならなかった。
さつきに悪いと思ってしまう自分がいた。
この春、俺は社会人になる。
実家から自律して生活する。
引越しの準備をしてる時、1枚の写真がパラッと落ちた。
観覧車と俺とさつき。
毎年さつきの誕生日に乗っていた観覧車。
今でもあるのかな………。
行ってみるかな。
そう思った。
いつもの道を歩いていく。
大学に行くようになって通らなくなった高校への道。
さつきとよく歩いた坂。
さつきが死んだ交差点……。
さつきが待っていた方と反対で青になるのを待つ。
ふわっと、嗅ぎなれた匂いがした。
懐かしい、桃の香り。
「さつき……?」
俺はあたりを見回した。
「大ちゃん」




