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夏色観覧車  作者:
3/10

坂道


学校はいつも俺が迎えに行ってさつきがバタバタと二階から降りてくる。

一旦居間に入って弁当を掴んで慌てながら用意する。

おばちゃんが「いつもごめんねー。」ってどこかさつきに似た笑顔で言ってくれる。

そしてこっそりとさつきのお菓子を持たせてくれる。(ちょー嬉しい。)

「大ちゃん、ごめん!!!!待ったよね?」

眉を寄せながら謝るさつきの顔見ながらそんなに待ってないんだけどなーなんて考えながら「行くぞ」なんてかっこつけてドアを開ける。


坂を登りながらさつきがちょこちょこと俺の後ろを歩く。

重たそうにカバンを持ってるから俺が代わりに持つのがいつもの日課。(これがまた結構重たい。)

そして、さつきがいつもの如くどうでもいい話をしてくるのも日課。


「大ちゃんー。駅前にね、新しくパンケーキのお店出来たんだって!!」

「へー。」

適当に俺はいつも受け流す。

「だからね、暇があったら行きたいなーって思ってるの。」

そかそか、行ってらっしゃい。

「大ちゃん、聞いてる??」

「聞いてる聞いてる。」

「…………もういいっ」

ぷいっと顔を背けたさつきは頬を膨らます。

なんか、今日はいつもと違う雰囲気だった。

怒るのなんて珍しい。

「大ちゃんいっつも冷たい。前はそんなんじゃなかったのに。」

えぇ?!そこですか。

そりゃさ、高校生になって少しは人目を気にして冷たく当たっちまうようになったけど……。


俺を追い抜いてどんどん進んでいくさつきを微笑ましく見つめれば「はやくっ!」と振り向いて怒った顔を見せ、俺を走らせるさつきには頭が上がらない。


いつもよりこの坂道が短いように感じられた。

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