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第3話 地獄への招待状

前置き : この作品は暴力や性的な描写を伴いますが、暴力行為を助長する物では御座いません。



次の日、俺は久々に熟睡する事が出来て快適な目覚めで起きる事が出来た


時計を見ると何時もより1時間も早く、俺は軽く背伸びすると洗面所にいき、買って一度も使わなかったワックスで自分の頭を後ろに流した

鏡の中の自分は、何処か自分では無い気がして、その冷めた表情に自分ながら少し恐怖した。


当然ながらこんな早朝に朝食は用意されてないので、俺はそのまま玄関で靴を履き替え家を出た




いつもの登校道だが、一時間早く出るだけで世界が変わって見えた、いや昨日の自分を断捨離したからなのかもしれない


そんな俺の目の前に早朝練習に行くのだろうか、テニスラケットを担いだ女子生徒が脇道から出て来た

俺に向かって軽く会釈すると、俺も軽く会釈して挨拶を返す

リボンの色から1年なのだろうか、彼女はそのまま駆け足で学校に向かう、その背中を眺めていると彼女の方に向かって軽自動車が突っ込んでくる



俺は咄嗟に駆けだし、彼女の肩を掴むと肩を抱きながら垂直に飛び上がり軽自動車をかわし、アスファルトに自分が下敷きになる恰好で落下した


軽自動車はガードレールを擦りながら俺たちを置き去りにして走り去っていった


俺の胸に抱き着く恰好になっている彼女に


「大丈夫か?」


と声をかけると、恐怖と驚きで放心している様子でコクコクと視点の定まらない様子で頷いていたので俺はそっと彼女を抱き抱え立ち上がると、近くに落ちているラケットケースとスポーツバッグをはたいて彼女に手渡して


「気を付けて行けよ」


そういうと、自分も学校に向かって歩きだした

途中で色々思い返すと、咄嗟の事とはいえ車もスローで見えたし、自分が飛び込んだけど軽く5メートルはダイブしていた、それに彼女を抱えて2メートルは垂直に飛びあがって軽自動車を避けたし

どうなってるのか?と考えているといつの間にか学校に着いていた、スマホで時間を確認すると何時もは20分かかる通学時間が5分になっている事に驚く自分が走った記憶も無いので家の時計がズレてるのかもしれないと思い気にせず人気の無い教室に向かった


俺の机の中には昨日、池月と幼馴染の行為の処理に使われたであろう手帳のカスが丸まって入っていた


机の中の手帳と紙くずを一緒に震える手でゴミ箱に捨てる、その瞬間だけ亡き母の顔が頭によぎって一滴の涙が頬を伝う

俺は池月の机に向かうと奴の椅子を思い切り踏み抜いた


【バギッ】


乾いた音共に池月の椅子は穴が空き床が見えるようになった





俺は自分の席で暫く好きなネット小説を読んで心を落ち着かせていた、時間が進むと教室に何人か登校してきたが、いつもの様に俺に挨拶するクラスメートは存在しなかった

そんな中、外から下品な話声がしてきた


「んでさ・・・一昨日は一晩中やりまく・・ん?なんだこれ・・」


池月は自分の椅子に大きな穴が空いてることに気付くと顔を真っ赤にしてクラスを見渡し叫び出した


「おら!!誰だ!俺の椅子にこんな事したやつ!!」


見渡す中で目が合った男子生徒の胸倉をつかむと、男子生徒は首を振りチラチラ俺の方を見てた

男子生徒の目線の先に俺の姿を見つけた池月と取り巻きは、俺の周りを取り囲み俺の机を蹴り上げ倒した


「おい!野良犬、俺の椅子に面白い事したのはお前か?ああん!」




俺は顔を上げると池月は何時もと違い目元がはっきりしている俺の顔と冷めた目を見てたじろぐが、すぐに威勢を取り戻し俺の前に座り込むと近距離で睨みつける


「なぁ、狛犬!お前かと聞いてるんだ?」


おれは臆する事無く


「ああ、俺が穴をあけてやったそれがどうした?」


プチッ、池月の額の血管が切れそうなほど浮き上がり俺の頬を殴りつけた、奴に続けて取り巻きも俺の腕に、脇に蹴りを入れてきた




待たせたな池月ぃ(笑)

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