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第10話 小説家 不動 けんいち

前置き : この作品は暴力や性的な描写を伴いますが、暴力行為を助長する物では御座いません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大臣との電話会談の内容は大臣とその政党のプロモーションも兼ねて、直ぐに政府公式のSNSとサイトでアップされて世間の話題となった。


俺も内容を確認したが、上手く編集されてて


【なるほど、不動先生は実はまだ高校生で中学の頃から執筆活動をされており、今現在でも10年分の執筆した書籍ストックをお持ちとは、まさに現代の文豪ともいうべき天才ですね】


【そうですね、しかし僕の私生活では小説の中の話しの様にハッピーでは居れませんでした】


それから、俺の学校でのイジメや家庭内での扱いの内容を実名の所を上手くカットして伝えていた


【この度は本当に申し訳ありませんでした】

そう言うと画面越しに頭を下げてる大臣の姿が映る


【いえ、大臣が謝罪する事ではありません】


【私の立場は、日本の教育現場が未来を創る若者にとってより有意義で成長出来る場にする事だと考えてる】


【大臣あなたは将来この日本のトップになって頂きたい程の人格者だ】


中々うまい具合に編集されてる、最後のリップサービスのセリフが良い具合に大臣の取り巻きに刺さったな(笑)




翌日・・・



俺は、自宅で昨日ヘアメイクさんから教わった方法で髪をセットして出版社の用意してくれた送り迎え用の高級車に乗り込み、登校していた。

校門の前で高級車のリムジンから降りると、登校中の生徒から注目を浴びていた


「ねぇ、あの人って、この間初めて顔出しで政治家のSNS出演した作家の不動 けんいち じゃない?イケメン人気小説家ってTitterで話題になった」

「ああ、私もSNSで見た!見た!まさか同じ高校に通う生徒だったなんて!めちゃイケメン!」


そんな声を無視して、教室に入ると既に登校している生徒から驚きと戸惑いに満ちた目で見られたが、無視して自分の席に着くと、教室の隅からボソボソ声が聞こえる

「あ、あれ・・不動 けんいち・・不動 けんいちって 狛田君なの?」

「ていうか・・狛田君髪の毛セットしたら凄いイケメンじゃない?」


俺の見た目が変わっても、先日のクラスメートへの話しかけるな宣言で俺に話かけにくる事は無かった


暫くすると、元幼馴染が登校してきて俺の方をチラッと見て驚いた顔をしたが、俺が興味を示さない様子に諦めたのか黙って席に座った

それからホームルームの時間直前に、池月とその取り巻きが登校してきて自分の席に着く、俺の方をチラチラと気にしていたが朝から面倒なので無視する事にした


予鈴が鳴り先生が教卓の前に現れると、委員長でもある元幼馴染は朝の挨拶の号令をする

俺だけが、起立も礼も行わず自分の席で本を読んでいた


俺の事をチラチラと気にしていた先生が


「あ、ああ狛田君は、号令が聞こえなかったかなぁ~アハハ、委員長!もう少し大きな声で号令するように!」


その俺に媚びるような先生の様子にイラつくので俺は読んでいた本を一旦机に伏せて先生を睨みつける


「ああ、号令は聞こえていましたよ?ただ俺はアンタら教師に敬意をはらって礼をする理由が無いんでね、俺ってアンタら学校の関係者に敬意を払う必要あります?」


そうイラついた声に教室の空気が凍てつくと、顔をひきつらせた先生が何やら「まぁまぁ・・」と取り繕う


「ああ、どうでも良いけどこの場で皆に報告する事と、俺への連絡があるでしょ?早くしたらどうですか?」


「あぁぁ。そ、そうだね・・狛田君・・・じゃなくて、不動君・・え~と、狛田君は家庭の事情で苗字を狛田から不動に変える事になりましたので皆さんに連絡しておきます」


ザワザワする教室の空気に俺が立ち上がり振り向きクラスメートを一瞥する


「今日から不動 剣一と名乗るけど、別にお前らと仲良くする気も無いが、コソコソ言われるのもイラつくから先に言っておくが俺が小説家である不動 けんいち本人だ」


「じ、実はそ、そうなんだ!不動君は今大人気のベストセラー作家でもある不動 けんいち先生でもあるんだ!」


「ああ、お前らと言った中にアンタら先生達も含まれているので勘違いしないで下さい、あと校長室に呼ばれてるんでしょ?俺にお客でも来ましたか?」


汗だくの先生がハンカチで拭いながら黙って頷く


「んじゃちょっと行ってきますので、後の説明は宜しくお願いします」


そう告げると俺は教室を出て校長室へ向た






俺の思い描いた通りの展開だ(笑)

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