表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/23

十三話

 嫁いだ女性に課せられる役割は二つ。

 一つは子孫の繁栄。

 もう一つは監視及び諜報だ。

 女は政治の道具として扱われ自身の意志を持つことは許されなかった。それは将軍家だろうが小国の姫であろうが同じだった。


 武家の頂点である将軍家に生まれた松平令子は蝶よ花よと大切に育てられた。そして、どんな我儘も大抵、叶えてもらっていた。


 だが、令子は知っている。


 自分の我儘を叶えてくれているのは父の家臣であって、父では無い事を。父はただ、命令しているに過ぎない事を。


 兄や弟達のように父と一緒に居たくて政治を勉強しても女には必要無いと言われ、築きあげてきたものが一瞬で無用の長物となった。

 どうして? 何故? と自問自答する毎日を過ごさなければならなかった。


 自由なのに退屈。

 何もかも満たされているはずなのに、どこか渇望している心。


 そんな時に心に響いた言葉。


『知りたいと思う事は悪い事ではない』


 変声期前の少年独特な声で語られた言葉は令子の指標となった。


 数年後に再会した初恋の「彼」は私の監視対象となった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ