57.森の主
昼を回り、少し遠出をし五区の森に来ていた。
問題文を解読すると、五区の森の主が持っているとのことだ。
合っているのかは不明だが。
森の中には、様々な魔物が潜んでいた。
どれも高ランクに相当する魔物だ。
その全部を相手しても体力を消耗するだけなので、出来るだけ避けて進む。
しばらく進むと、森の奥には大きな洞穴があった。
「グォォォオオオ」
大きな叫び声と共に、激しいドラミングでいかくする見たこともない大型のゴリラの魔物。
森の主かは定かではないが洞穴には宝玉があり、心なしかボスの風格を持ち合わせているようにも見える。
「こいつで間違い無さそうだ」
近付くにつれ、ゴリラは胸を叩くリズムが激しくなる。
出来る限り戦闘を避けたい俺は、そのアクションに対して反応を見せずに洞穴に入っていった。
すると、ゴリラは急に落ち着きを見せ、そっぽを向けて寝そべる。
攻撃を仕掛けられれば、もちろん戦うつもりではあったが拍子抜けだ。
急に怒り始めても困るので、急いで宝玉だけ持ち去る。
森を抜けると、以前セガトリスの件でミラと待ち合わせた噴水広場に出た。
「待っていましたよ……。僕は、テンカたんのために、宝探しを優勝して君に勝つんだ!」
「またお前か……」
噴水を背景に、腕を組んで待つヒョロメガネがいた。
「君は、何個集めたんだい?」
「七個だ」
五区の森までの道中でも、地点のみの問題があった為、そこにも立ち寄っていたのだ。
「ふっふっ。僕は十個だ。はっはっはっ」
ヒョロメガネは、背負っていたカバンの中身を見せ、勝ち誇ったように胸を張っていた。
「それがどうした? それで何のようだ?」
「君にここで決闘を申し込む。勝った方が全取りです! ここで君に勝ってテンカたんにアピールするんだ!」
「いいのか? じゃあありがたく受けて立つよ」
「僕の能力は死者を顕現する能力です。以前のように上手くいくとは思わないことだな。受けてみよ。顕現!」
格好付けたセリフとポーズを決めているが、それで顕現出来るわけではないようで、ぶつぶつと何かをつぶやいている。
俺はすかさず、虚な目をしながらぶつぶつとつぶやく、ヒョロメガネの顔を殴った。
ヒョロメガネは噴水の中に吹っ飛び、ぷかぷかと浮かんでいる。
「変身シーンをわざわざ待つ程お人好しではないんでな。悪いな」
俺は急いでぐったりと伸びた、ヒョロメガネのカバンの中から宝玉を取り出し、ポケットに入れた。
「レ、レイスくん!」
そして、また見知った顔が声を掛けてくる。
美少年――もとい美少女のアリだ。
「アリか。どうだ?」
「もうすでにほとんどの宝玉が見つかっている。それと、ジャデが勢力を作って宝玉を大量に集めている。ミラとセガトリスがそれに対抗して戦闘が起きそうだ。急いで着いてきてくれ」
どうやら、新規の宝玉が見つからないようで、ここからは奪い合いになるようだ。
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