44.ドキドキクイズ大会
特区祭十日目。
今日は問題のクイズの日。
場所は、昨日戦闘が起こった魔塔を背にした二区の広場。
昨日のほとんどの時間を費やして準備したが、結局はイベルの気分によって変わってしまう。
予定通り進むと良いんだが……。
「ただいまより、ドッキドキクイズ大会を開催しまーす。司会進行は、特区ナンバーワンアイドルの私、テンカ・ムアが務めまーっす。レムレイ様、頑張ってください」
ハーフツインの髪型、黒に緑のポイントカラーの少女が、星やハートなどの派手な効果演出とともにステージに登場した。
これはテンカの能力によるものだ。
「司会進行が選手一人に肩入れするのはどうかと思うぞ」
その言葉に、魔法戦一回戦で対戦したヒョロメガネが歯ぎしりしていた。
テンカのファンなのだろうか。
「えへへっ。では仕切り直して第一問。てれんっ。異能力に対しては気が強く、気に対しては魔法が強い。そして魔法に対しては異能力が強い。この相性の相互関係のことを何と言うでしょうかぁ?」
これに対して、解答用のフリップにそれぞれが問題を記入する。
「僕はテンカたんのために優勝するんだ……」
ボソボソと、そんなことをつぶやくヒョロメガネ。
そして、一斉にフリップを公開する。
ヒョロメガネの解答は、恋の三角形。
クイズ大会は、総合点数を競うため途中脱落はないが、ヒョロメガネに関しては脱落させてもいいのではなかろうか。
他の解答者も、この問題は全員正解していた。
「第二問。てーれっ。特区随一の名所であり、魔法研究機関として知られる建物は?」
「こんなの簡単ですよ。テンカたんっ」
みんなが注目するヒョロメガネの解答は、愛のワンルーム。
テンカの曲だろうか?
一人だけ問題を間違えているのかもしれない。
ヒョロメガネは、なぜか得意気な顔をしていた。
「第三問。二年前、突如現れた魔塔。この時に起きた騒乱を何と言いますか?」
「これは、恋と愛の大戦争ですな」
これは、百年事変。
どうやら俺が関わった出来事のようだが、名前すらあやふやだ。
他回答者も間違えてる者が多かった。
「第四問。魔法を射出した時、他者の気が混じり魔法が膨張し、破裂する現象を何と言う?」
「僕の胸の鼓動ドッキドキ」
気楽なのはヒョロメガネだけというくらいに、いよいよ難しい問題が出題され始めた。
俺も答えが分からなければ、間違えていただろう。
そして、その後も難題が続き、俺の点数が二位と大きく差を広げ、残り一問を残し優勝が決まっている状態だった。
「最終問題。空虚魔力エネルギーをゼロとし、全ての魔力を粒子としたら、質量は最も軽い粒子の質量とされる。この理論を解いた学者の名前は?」
こんな問題は聞いていない。
これはイベルの仕業で間違いないだろう。
優勝は決まっているから良いものの、もし決まっていなかったならまずかったかもしれない。
しかし優勝出来た。
これもまた、イベルのおかげに違いはなかった。
授賞式で称賛を受けながら、感謝をしつつそんなことを考えた。
だが安心はしてられない。
午後からは魔法戦があるので、再度気を引き締めた。
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