Ep.イベル
封印術師。
世界的に、稀有な職業として知られているけれども、その仕事は華やかなものではない。
私が封印術師として依頼をこなすようになってから二年程になるが、その依頼の内容は、低級吸血鬼の駆除や簡単な霊媒、忘れたい記憶の封印などになる。
封印術師としての仕事に慣れ始めた頃、私はある組織から指名手配されることとなった。
封印術はその能力を悪用すれば世界を混乱させるほどの能力があると師匠には聞いている。
その力を悪用しようとする者に追われていた。
「おい待て」
黒いスーツの男が五人。
封印術師は封印術単体では戦闘力を持たないので私の取れる選択肢は逃げの一手だった。
そしてとうとう逃げ場を失い、追い詰められることとなった。
「これでもう逃げ場もないな。ロンジュコアは俺のものだ」
封印術師は誰にでもなれるわけではない。
封印術師は体内にロンジュコアという器官を持っている。
逆を言えば、それを移植さえしてしまえば誰にでも、封印術師になれるということになる。
なので、捕まると私の命の保証はない。
様々な魔法を乱射され、体の各所に傷を負っていく。
もう逃げることが出来ないと諦めたその時、レイスくんがやってきた。
「お待たせ。大丈夫…‥じゃないようだな。すぐに片付けるから待ってろ」
「なんであなたがここに?」
「魔塔長から聞いた」
「助けてなんか言ってない」
そう。
吸血鬼の真祖である彼とは、相性の都合上仲が悪かったのだ。
しかし、そんなことも言ってられなかった。
「傷口に障る。黙ってろ」
そして、彼は追っ手を瞬く間に、一網打尽にした。
「頼んでなんかない」
「黙ってこの血を飲め」
「いらないわ」
「そんなこと言ってる場合か!」
「違うの……。あなたの血は瘴気が濃くて私の体には毒だわ」
「そうか。なら魔力を送って回復する」
彼の魔力が流れてくることで、次第に体の傷が癒えていった。
しかし、しばらくするとまた傷口が開く。
「ダメね。瘴気のせいでまともに回復出来ないわ。私もここまでみたい」
「俺の吸血鬼の能力も封印しろ。それならまた傷口が開くこともないだろ?」
「吸血鬼の能力の封印には、記憶も封印する必要があるわよ? 吸血鬼になった頃からの記憶を失うわ」
「そんなこと良いから早く封印しろ」
そして、私は彼の記憶を奪った。
それにより、彼の吸血鬼としての能力と記憶は封印された。
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