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38.失われた記憶

 特区祭八日目。


 今日は久々の何もない日だ。


 何もない日ではあるが、祭りに慣れたのもあり、居ても立っても居られなくなり、外出した。


 そして外出先で、黒に青のグラデーションの長い髪の女の子――イベル・ル・ミラフィンと再開した。



「また会えたね。王子様」



「そうだな。今日は何か予定あるのか?」



「あなたに会えるかなっと思って散歩してたのよ」



 王子様とはなんだろうか。


 何を考えているかわからない。


 そんな独特で、不思議な雰囲気に惹きつけられた。



「ならどこか一緒に見に行ってみないか?」



「例えばどこ?」



「あ、あの塔とかさ」



 焦りによって、特区祭に何も関係ない場所を指定してしまう。



「あぁ、あの塔ね。あなたの思い出の場所だもんね。あそこ行こっか」



 一区の街の中心に立つ大きい塔。


 いつも見る風景で、街並みに溶け込んだオブジェと化しているものだ。


 そんなものに思い出なんてなかったと思うが……。



「それは誰かと勘違いしてないか?」



「勘違いしてないよ。あなたは覚えてないだろうけど」



「覚えてないってなんなんだ?」



「それより俺たちどこかで会ったことがあるのか?」



「えぇ。実はあなたと私は以前から知り合いだったわ。記憶がない時期があるのよね? 私たちはその時期に知り合ってる。いいえ、私はあなたに助けられた」



 塔に着くと、イベルに無言で案内される。


 入口には受付があり、魔塔受付と書かれていた。


 奥には、石造りのしっかりした階段が、螺旋状に並べられている。


 イベルは受付をスルーし、奥に進む。


 スラスラと進んでいたが、急に立ち止まった。



「どうした?」



「私の王子様。何か悩みでもあるの?」



「この祭りの覇王ゲームって知ってるか?」



「そうね。あなたも参加してるわね」



「ああ。あれの異能バトルの部門があるんだが、俺は異能が使えないんだ。でも絶対に勝たないといけないんだ」



 言っても仕方がないし言うか迷ったが、打ち明けることにした。



「なるほど。そろそろ打ち明けないといけない時期になったということね」



「なんだ?」



「うーん……」



 イベルは俺の言葉に返さずに歩き、魔導エレベーターに乗った。


 しばらく無言が続き、塔の最上階に着いた。



「こんな所になんで来れるんだ?」



「結論から言うと、私はあなたの異能が使えるように出来る」



「なんでイベルがそんなこと出来るんだ?」



「あなたは過去に異能が使えたの。そして、私のせいで使えなくなった。あなたが異能を使え無くなった理由は私にあるの。ごめんなさい……」



 イベルは、深刻な顔でそう告げた。



「どうゆうことなんだ? 話がまるで理解出来ないぞ」



「思い出したら話は早いと思うわ。今の私とあなたなら耐えられると思うから。あなたの一年前の十二月から四月までの真祖の記憶を返します」



「あ、あぁ……。よろしくお願いします」



 イベルは、そんな気の抜けた返事をした俺に近付き、カバンからおもむろに本を取り出し、魔力を込めてページをめくる。


 すると、大量の魔力の奔流が本から溢れ出し、俺を襲った。

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作者のモチベーションも上がり、とても喜びます!


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