26.クラスの出し物
いつもの学園の、いつもの教室にやってきた。
クラスの出し物は、どうやら喫茶店をやっているようだ。
手伝いも何もしていなかったのもあり、看板を見て初めて知ることとなった。
「おぅ、レイス。なんか久しぶりの気がするな。元気にやってるか?」
クラスに入ると、客などどうでも良いとばかりに大声で挨拶をしてくるギー。
彼は、このクラスの出し物のコンセプトでもある、執事服に身を包んでいた。
少しイラッとするほどに似合っている。
「お前はちゃんと仕事しているのか?」
「おいおい、クラスの出し物無視していたお前には言われたくないぞー。それより今の時間はちょっと席が空いてしまってる。これに着替えてビラでも配ってきてくれないか?」
「無視してたわけじゃねーよ。大丈夫ですからって遠ざけられてたんだよ」
俺は言われるがままに、ギーに手渡された執事服に着替えながらに答えた。
そして着替え終えると、ビラを配りに外へ出た。
秋ということもあり、そろそろそろ肌寒くなってきており、なにもせずに、看板だけ持って立っているバニーガールなんかを見ると、こちらまで寒くなってくる。
「ご主人様ー。お昼も終わって今日の競技も今はないみたいだから、たぶんそのせいで人が押し寄せているみたいで、戻ってきてって言ってたわ」
ルミだ。
今日はメイド服に身を包んでいた。
ルミは、可愛さもあって何を着ても似合うもんだな、と感心させられてしまう。
「わかったよ。さっき出てきたばっかなんだけどな」
「それにしても、ご主人様のその服装かっこいいわね」
「この服のデザインが良いだけで、誰が着てもかっこいいだろうよ」
そうして急いで教室に戻ると、出たばっかりで申し訳ないと謝られ、配膳の仕方のみを取り急ぎ教わった。
「レイス出したばっかで悪いな。一年A組覇王喫茶名物海うさぎのオムライスだ。あそこのお客さんのとこ持ってってくれ」
俺は、ギーから受け取ったトレーを持ち、赤い髪の男の席へと運んだ。
「お待たせいたしました。一年A組覇王喫茶名物海うさぎのオムライスです」
「あ、兄貴ぃ? これ女の子が持ってきてくれるんじゃないのかい? 僕はオムライスが美味しくなる魔法サービスお願いしてたのに……。戻ってやり直してくれないか?」
「そんなサービスあるのかよ……。今忙しいみたいでな。悪いがまたの機会にしてくれ」
「ちょっと待ってくれないかい? これそんなに安いものじゃないからね? 普通の昼ごはん十回分くらいのぼったくり金額だからね?」
「俺は今初めて配膳したんだ。勘弁してくれ」
必死すぎるシャンヌは、俺の腕に泣きながらしがみついてきたが、それを振り払ってキッチンに戻った。
飲食店は、ああいったクレーム客も多いと聞く。
我ながら上手くさばけたと思う。
「レイスさん、シャンヌ様と仲良さげに話してましたけど知り合いなんですか? 私ファンなんです! しかも聞き間違いかもしれませんが兄貴って呼ばれてたような……」
「聞き間違いなら良かったんだがな……」
「キャーッ」
「レイス様すごい!
話したこともないようなクラスの子達が、黄色い声をあげていた。
「なんかシャンヌが言ってたんだが、美味しくなる魔法のサービスなんかあるのか? あいつそれを期待してたみたいだぞ。そんなのないと振り切ってきたんだが」
「え、じゃあ私行ってもいいですか?」
「ずるい! 私も行きたいのに」
「行きたいやつは行ってきていいぞ。もう店も落ち着いてきたからな」
ギーがそう言うと、三人の子がゾロゾロとシャンヌの所へ向かって行った。
「あんなへんなやつのどこがいいんだかな」
「嫉妬か? 呼んですぐだが、ピークの時間終わったし外出てこいよ」
「アンタはあんまり働いてないでしょ。店主面するな」
ギーに向かって、ルミが文句を言った。
「見た感じだと、ギーはたしかに店主のように感じたが、働いてたのは今だけだったのかよ」
「バレたか。まあルミも休憩だよな? 二人でどこか見に行ってこいよ。この近くだと魔法射的が人気みたいだぜ」
ギーの言いなりになった訳ではないが、射的場に行くこととなった。
「面白い!」「続き読みたい!」など思っていただけた方は、ブックマークや、広告下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎評価等、応援よろしくお願いいたします。
作者のモチベーションも上がり、とても喜びます!
よろしくお願いします!




