23. セガトリス・ズ・シャウラス三世
特区祭二日目。
今日は昨日とは打って変わって、昼からの集合となった。
場所は、いつも徘徊する学園近くの区画とは離れた五区の郊外の噴水場だ。
ここも祭りは行われているが、行われている競技も少ない。
しかし、今日ここでは二日目のメイン競技である魔法戦が行われる為、人の出入りは多い。
「やっと来たか」
「ごめんね。ちょっと準備に時間かかっちゃって」
昨日買ったヒゲの仮面に、腰にはおもちゃの剣と風船を巻きつけるなど、その言葉の意図が読めないような格好をしていた。
「それは何に時間がかかったんだ? 今日は本当に計画の日なんだろうな?」
「大丈夫だよ。もう。この格好も計画のうちなんだから」
ミラの膨れっ面はもちろん可愛いが、計画に影響を及ぼすのなら話は変わってくる。
「今日は、もうすぐにでも計画に移るってことでいいんだよな?」
「そうね。もうすでに、二日目のメイン競技の魔法戦が始まっているから、これから行われる決勝の裏で取引が行われるそうよ。特区二位のセガトリス・ズ・シャウラス三世がこの取引に関わっているみたいね」
「八百長のようなものか?」
セガトリス・ズ・シャウラス三世。
特区二位にして、大魔法使いと呼ばれる男。
シャンヌが異能力を極めた男であるならば、セガトリスは魔法を極めた男というようなもので、通常、魔法には異能力の方が有利とされているおり、シャンヌとセガトリスは何度か戦闘していると有名な話だが、シャンヌはまだ負けたことがないらしい。
しかし能力面で見た場合では、シャンヌとセガトリスならセガトリスの方が、数段上だという話も有名だ。
「八百長ではないらしいけど、セガトリスがゾンクスの必要な物質を魔法で生み出せるとかなんとかで、それが取引されるのに都合が良いのがこのタイミングのようね。私も詳しくは知らされていないけど」
「この様子だと決勝までは時間がありそうだな」
コロシアムのような会場があり、その会場の付近の屋台にはまだ人が多くいる。
メインの試合までは、まだ時間があるということだろう。
「まだ時間はありそうね。その間動向を確認するためにも試合でも見よっか」
昨日と同じように、また観戦ということになった。
観戦の間、ずっと気を張っている訳にもいかないし、試合を楽しむべく食べ物や飲み物を持ち込み会場に入った。
会場の中は、昨日の組手や競歩とは別次元の観客の人数で、熱気に満ち満ちしていた。
「これまたすごい人数だな」
「ここから人が増えるとなると少し気後れするね。人が多くなるから取引のタイミングとしてはちょうどいいということかな?」
しばらくすると、今日の主役であるセガトリスの出番となった。
セガトリスは、虹色の長髪に美形の顔立ちをしていた。
司会の話によると、これが準々決勝のようだ。
試合開始の合図が鳴ると、セガトリスの周辺には幾重もの魔法陣が複数重なり、その魔法陣から別々の魔法を射出し、相手選手の周囲を包んだ。
その一瞬で、誰もがセガトリスの勝ちを確信する程に一方的な試合で幕を閉じた。
相手選手も、準々決勝にまで上がってきた実力者であるのは誰もが認める事実であるが、Sランクである、特区二位の実力は桁が違ったレベルであるのもまた誰もが認めるものだった。
そして、その衝撃の試合が終わった数分後に、またセガトリスは会場に戻ってきた。
会場のアナウンスによると、次が準決勝になりしばらく後に行われるはずの試合が、セガトリスの言葉によってすぐに行われることが決まったようだ。
「これは……。まあ、すぐに終わったし当たり前なのか? 魔力とかのことも考えて休むのが当たり前だよな?」
「そうね。でもなんせあの二位だからね。休みなんか必要ないのかもね。膨大魔力量もあの人の専売特許でもあるらしいからね」
そして、向かいから相手選手が入場した。
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