21.第一競技
開会式が終わり、ミラの発案により記念すべき第一競技を見に行こうということになり、第一競技が行われる会場に足を運んだ。
第一競技は……。
「組手ね!」
組手。
今回は能力未使用のものだ。
気、魔法、異能力全てを禁じた純粋な運動能力のみの競技。
これは能力計というものが使用され、厳しいルールのもと行われるらしい。
能力使用不可のものなら、今まででも参加すればよかった。
二週間も何をするんだと思っていたが、逆に全部終わらせることが出来るのか心配になる。
「能力使用可否で分けられて、色々競技があれば二週間で足りるのか?」
「一応、最終日はほとんどの会場が予備日になっているらしいし、それもほとんど使わないみたいよ。あと空いてるグラウンドではエキシビジョンマッチなんかをやるみたいね。最終日に何もなしってのも物足りないし」
予備日まであるなら納得だ。
そこまで凝った日程なら、今まで参加していなかったのが悔やまれる。
第一競技の組手の第一試合。
これもまたエキシビジョンマッチで、世界ランキング四十位の人と特区五位のセネアだ。
「この対戦は気になるな」
「意外ね。この二人はランキング的には同じレベルみたいね。もちろん世界ランキングの方が、実力的には高いとは言われているけどね。どっちが勝つと思う?」
「セネアのことはあんまり知らんが、ひいき目で見てセネアに勝ってほしいよな」
エキシビジョンマッチということもあり、両者穏やかな顔を見合わせていた。
挨拶が終わり、戦闘が始まった。
「セネアの方が優勢のようね」
「思った以上に地味だな。たしかに二人とも強いのは分かるけど……」
「でもこれはトップレベルの戦いよ。身のこなしだけでもここまで洗練された動きは勉強になるわ」
この組手においては、武器も使用しない。
純粋な格闘術のみで競うため、やはり地味である。
俺はこういった地味な格闘においてはうといが、ミラは目を輝かせていた。
「何が面白いんだ? もっと派手な戦いの方が見栄えするだろうに、なんでこれを第一競技に持ってきたんだ?」
「私は、格闘術なんてものも警備部隊の訓練であるから、勉強になるし見てて楽しいよ? レイくんは楽しくない? あとね、初っ端から派手な戦闘があってから、その後にこれ見せられたらみんな退屈しちゃうよ」
話している間に、セネアが勝利してエキシビジョンマッチは歓声と共に終了した。
見た感じだが、セネアは格闘にも精通してそうな動きだったが、相手は戦闘経験で補完していたようだが格闘主体でないのは見てとれた。
「それでいつ襲撃するんだ?」
「言ってなかった? 今日はないよ?」
「おい、何言ってんだ? それなら今日来る必要なかっただろ!」
「言ったでしょ。祭を楽しむ為だって! それに、暇でしょ?」
「んー……。まあ……」
「ならいいでしょ。組手はそこまで好きじゃなさそうだし屋台見回ろうよ! 今日から開いた屋台もいっぱいあるしさ! あ! あの屋台行こ!」
やたらとテンション高めなミラについていくと、お面が売られている屋台だった。
「もうそんな年じゃないだろう」
「こうゆうのはね、雰囲気も大事でしょ。変装でも使うかもしれないし仕方なくだよ」
ミラはしばらく悩んだ末に、ヒゲの付いた白い仮面を手にした。
「お前……。それを付けるのか?」
「だめ?」
「それは一緒に歩いてて恥ずかしいぞ……」
そうして、しばらく悩んだ末に選んだヒゲの付いた白いお面をしているミラは、どう見ても仕方なく買ったとは思えない満足気な顔をしていた。
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