20.特区祭開催
特区祭当日を迎えた。
伝えられた集合時間が朝早くであり、急いで支度してきたのだが、こんな早い時間から活動しないといけないのかと思ったのだが、周囲はすでに当日の準備を始めていた。
「おっまたせー」
「ん? なんでお前が?」
綺麗なグラデーションの髪を振り乱してミラが走ってきた。
今日は学校指定の制服姿だ。
「話聞いてないの? 私が今日からあなたのバディです」
右手を前に出し、変なポーズを取るミラ。
「なるほどな。優秀な相方ってのがお前なわけか」
「そうだね。それで、レイくんは今日は競技 何か参加するの?」
「今日は特に何もしないな。そんなことよりそろそろ準備しなくていいのか?」
「何の?」
ミラは、キョトンとした顔でこちらを見る。
「何のって、逮捕するために集合したんだろ? 時間は大丈夫なのか?」
「あ、全然平気だよ?」
「ならなんでこんな朝早くに集まったんだよ」
「それはこの祭を楽しむ為に決まってるじゃないか! ほとんどの学生が最終準備に取り掛かって開催を待ち望んでいるんだよ? 私たちもそれ相応の礼儀で待ち望むべきではないかい?」
「もう帰っていいか?」
「今日は暇なんでしょ?」
「まあそうだが……」
「もうすぐ開会式が始まるし見ていこうよ!」
特区祭当日は、学校単位で持ち場がある出し物以外は基本的に自由行動だ。
何も出場しない者などは、自宅で寝るも良しの自由な祭り。
去年までは家にこもり、ご飯だけを出店で食べていた。
「わかったよ」
ミラは好奇心旺盛で、開会式会場までの道の出店一つ一つに首を突っ込み、買おうとしていた。
「レイくんこれが一番美味しかったから君も食べなよ」
ミラが差し出した物は、ここらではあまり見ることのないゲテモノで、馬にトゲが生えているヘヒンビという魔物の目玉のチーズ焼きだ。
見るだけで吐き気を催すものだ。
「そんな物近付けるな」
そんなこんなで、会場に着く。
会場は既に賑わっており、開会を誰もが今か今かと待ち望んでいた。
「それでいつ襲撃するんだ?」
「そんなことよりもうすぐ開会式始まるよ!」
「おいおい」
逮捕のことなど、どうでも良いとばかりにミラは会場のステージに目を向けていた。
そして、恒例行事となっているトーチを持ったランナーが、ステージ中央に設置される聖火台に火を灯そうとした時、辺り一面が真っ暗になる。
「いまランナーが返ってきました。そして今年も無事に聖火を灯しました」
激しいライトアップとイルミネーションがステージを彩り、花火も上がり派手な演出で特区祭が開催した。
「屋外でしかも朝なのにこんな演出すごいね」
「そうだな」
ミラは、花火に熱中し一言も話さなかったが、楽しんでいることが見てとれた。
しばらくの間、花火とライトアップが続き観客は今までに見たことのないほどの人数が密集し、その全ての人がステージに熱中していた。
そして、最後にこの祭が終わるのかと思う程の花火が一斉に上がり、辺りはいつもの朝のように明るくなった。
「ただいまより、第百回特区祭をここに開催致します」
どうやらクライマックスではなく、今始まったようだ。
「面白い!」「続き読みたい!」など思っていただけた方は、ブックマークや、広告下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎評価等、応援よろしくお願いいたします。
作者のモチベーションも上がり、とても喜びます!
よろしくお願いします!




