表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/63

16.シャンヌとソラ


「んぅ、むっ」



 寝ぼけているのか、そんな声を出しながら起き上がる少女。


 ソラは、水色のツインテールを横に振りながら目を擦っていた。


 寝ぼけた様子ながら、大きな金色の瞳が特徴的でとてもかわいらしかった。



「起きたか?」



「お兄さんだれー? 私を助けてくれたの?」



 アイクと特徴は似ているが、もちろん顔つきなどは全然別だ。


 しかし、とても他人とは思えないほどに、妹のアイクと似ている気がした。



「まあ助けたことになるのかな。俺は、お前の兄のご主人様のようなものだな」



「お兄さんありがと」



 ソラは涙を浮かべながら、頬を赤らめてそう言った。



「ひどいぞ、兄貴」



 アイクとの会話中、タイミングよく戦闘が終わったようで、空気を読まずにシャンヌともう一名が合流した。



「誰がお前の兄貴だ」



「お兄ちゃーん」



 ソラは二人の会話など、二の次といったようにシャンヌに抱きつく。


 俺もそれを遮るほど野暮ではない。


 二人が満足するまで待った。



「僕の命より大切な、ソラを助けてくれてありがとう。これからは兄貴と呼ばせてくれ」



「そんなことはいい。それより……」



 そう俺が促すようにチラと、シャンヌの横に目配せをした。



「この人にも世話になったんだ。メーレーンの幹部のグラドールさんだ」



「自己紹介がまだだったな。ヴィプス・グラドールだ。今回は助かった。それと君たちには悪いこともしたな。すまなかった。その子は解放する」



 ヴィプスは、以前会った時とは打って変わって殊勝な態度で気品があり、かっこいいとすら思えた。



「俺に言われてもな。俺はこの二人の手助けしただけだからな。それよりなんでソラを人質にしたんだ?」



「ゾンクスは、かつて同じ組織だった。しかし組織にも派閥が出来、その過激派が組織を作ったものがゾンクス。そのゾンクスの暴走を止めるために、シャンヌくんの力が必要と判断したんだ」



「それなら、シャンヌの協力を得るためには、まだソラを人質にしておいた方がいいんじゃないか?」



「兄貴それは話が違う。待ってくれないかい?」



「それはそうだが、メーレーンにもゾンクスにも誤算があった。それが君だ」



 ヴィプスは、そう言って俺に指差す。


 やはりマナーはなってなさそうだ。



「俺がシャンヌを止めたせいか。それで何の影響があるんだ?」



「それはまた別だ。君が思いの外強くなりすぎた。我々はゾンクスの暴走を止めたい。今はそれを主に活動していると言っても過言ではない。それには君にも協力してもらいたい。都合が良いのは重々承知している」



 ヴィプスは深々と頭を下げたが、俺はソラを人質にした時点でどうかと思っている。



「お兄さん。この人悪い人じゃないと思うよ。私人質といっても優しくされたから。助けてあげて」



 ソラは上目遣いで俺に詰めてきた。


 そして、ヴィプスは続けて話す。



「ゾンクスは、この島の中枢にも干渉している。今回の特区祭も、賞金や景品を狙っていたようだ。メーレーンは、それを止めるべく特区祭開催自体を中断させようとしたんだ。バームル国の姫を誘拐することでね。そしてシャンヌを雇うことにした。そのためにその子を誘拐した」



「それは間違っているな」



「そうだな。反省している」



「それで、あの倉庫では何をしていたんだ?」



 ヴィプスは居心地の悪そうな顔をしていた。



「あれはゾンクスを、特区祭を止める為の切り札として使う予定だった。でもそれも止められたから、代役として麻痺薬を雨に溶かして使った」



「俺は俺の目的のために特区祭を止められると困る」



「メーレーンは出来る限りの譲歩をする。君の要望ならば、特区祭も開催させよう。その代わりと言ってはなんだが、ゾンクスの組織員の検挙に協力してくれないか?」



 ヴィプスはおもむろに胸ポケットから、警備部隊の手帳を取り出した。


 彼はあろうことか、警備部隊の者だったのだ。


 その手帳には、偽造防止の魔法印と名前が書かれており、本物のようだ。



「それは一般人に頼むことなのか?」



「普通なら頼まないだろうが、君の実力は折り紙付きだ。頼む」



「お兄さん、私と同じように困っている人を助けてほしい。私からもお願い」



 そのソラの上目遣いに、反射的に頭をなでてしまった。


 アイクに雰囲気が似ているせいか、ソラには弱いらしい。



「俺に出来ることなら手伝うよ」



 力を出しすぎたせいか、力が抜けて俺は倒れ込んだ。


「面白い!」「続き読みたい!」など思っていただけた方は、ブックマークや、広告下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎評価等、応援よろしくお願いいたします。


作者のモチベーションも上がり、とても喜びます!


よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ