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14.シャンヌの妹


「お姫様。どうぞこちらへ」



 ギーは、ニヤけた顔をし続けながら、テレマナ姫を寮の俺の部屋へと案内した。


 テレマナ姫の安全のため寮に匿うことにした。


 考え得る中で最も安全な場所からだ。



「これからどうする?」



「お姫様を一人にする訳にはいかねぇからな。俺が残りたい所だが用事がある。ちょっと離れさせてもらうことにするぜ」



「なんか腹立つわね。私が残るわ」



と、ギーの後に続きノアが言い、ギーは部屋から去った。



「それだと俺も落ち着くよ。じゃあ俺がこの虫を連れて倉庫に行くか」



「君は僕への扱いが雑ではないかい?」



 シャンヌの言い方が癇に障ったので小突いておいた。


 どうせこいつにはダメージは通らないからな。



「お前、便利だな」



 腹ごなしを終わらせた昼過ぎ頃。


 倉庫に向かう準備を終え、移動手段としてシャンヌが飛び、その背中に俺が乗るということになった。



「君達は本当に……。いや、尊厳よりも妹の方が大事だ……」



 そう言ったシャンヌは、悲しげな表情をしていた。


 シャンヌの背中は、思った以上に心地良く温かいベッドのようにふかふかしている。



「もうそろそろ着くな。あの港近くの倉庫が並んでいる場所だ。そのまま降りると目立つよな。ここらで降りることにしようか」



 着地すると、シャンヌは火の粉を撒き散らしながらすぐさま人型に戻った。


 虫のくせにかっこいいなと思わされてしまったので頭を小突く。



「痛いっ。僕も痛みは感じるんだよ?」



「一寸の虫にも五分の魂か。覚えておく」



 しばらく歩き、そろそろ倉庫に着くかという頃、



「君達、何してるの?」



と、声を掛けられた。


 警備の服装をしている、肩まで伸びた明るい紫にピンクのグラデーションの髪の少女――ミラだ。


 ブリンクの時にお世話になった警備部隊の少女。


 そんな彼女が、なんでこんなところにいるのだろうか。



「ここに僕の――。ふがっ。何するんだ!」



 俺は、何かを言いかけるシャンヌの口を塞いだ。


 こんな場所にいる時点で関係者。


 そんな者に「妹はどこだ?」などと聞こうとしたのだろう。



「散歩していたら道に迷ってしまってな……」



「君は首を突っ込む癖でもあるの? 危ないから帰りなさい」



「分かってるよ。じゃあな」



「君は僕とどこかで会ったことはないかい? 見たことある気がするんだが……」



「私はミラ・レムブル。一応特区の第七位よ。第三位のシャンヌ・プリヴァンスさん。それと、エンレム・レイスさん」



「そっか! 君は第七位の!」



「おい、行くぞ」



 俺は、まだ話そうとするシャンヌの服を引っ張り、その場を離れた。


 同じ年齢で、警備部隊の隊長にまでなった正義感の強く有名な少女だが、ここにいる理由くらいは気になった。



「僕はともかく、なんで君の名前まで知っていたんだい? 君はもしかして有名なのかい?」



「俺も疑問に思ったが、俺もある意味有名だからな」



 俺は入学時から無能だと言われていたが、これでもSランクだ。


 自慢じゃないが、校外でも無能Sランクとしてそこそこの知名度を誇る。



「それよりも警備の者なら急いで離れる必要なんてあるのかい?」



「こんなへんぴな場所にいる警備部隊員が、無関係なわけないだろ」



 不思議そうな顔をするシャンヌを引き連れ、別の道から倉庫へと急いだ。



 すると、倉庫までの道で騒がしい場所に出くわす。


 以前にも見た服装の、組織員と思われる者同士が争っていた。


 中には複数体の魔物までいる。



「あれは仲間割れでもしてるのかい? 全員倒そうか」



「おい、待て! 似たような服装だが、よく見ると違う。違う組織の抗争のようなものかもしれない。しばらく様子を見よう」



「そんなことをしてる時間は……」



 しばらく様子を見ていると、抗争は激化し辺り一帯を巻き込む程の魔法までも展開していた。


 味方同士で、ここまでの戦闘は起こさないだろう。


 予想は当たったのかもしれない。



「ゾンクスの者とその関係者は全員片付けてしまえ!」



「相手の数は少ない! 裏切り者のメーレーンを返り討ちにしろ!」



 どうやら二つの組織が衝突しているようで、メーレーンは悪名高い組織。


 そして、ゾンクスは友愛組織だと認識しているが、実際のところは一般人にとってはどちらも謎の怪しい組織だ。



「まだ見てるだけなのか……?」



「どっちが敵かあるいは両方敵かもわからない。ここで突っ込んでも返り討ちだ。もう少し様子を見よう」



「あれは……。ソラだ!」



 アイクと同じ水色の髪を、ツインテールにしている制服姿の少女。


 背丈も同じくらいのように思える。


 ソラは寝ているのか、肩に担がれるように運ばれている。



「ならあのこげ茶色のマントの組織の方が俺達の敵ってことで良さそうだな。もう少し様子を見たいところだが仕方ない。行くか」


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