初夢宝船
掲載日:2022/01/01
『小さな氷のつぶが降り始めた大晦日の午後遅く。
氷のつぶは夜になって雪になり、深夜には大雪となり、翌朝、夜明けまでには世界を白銀に変えた。』
しん、と静まる夜明け前。
鈴の音が、
笛の音が、
楽の調べが響きだす。
それは最初、とてもかすかで
どこか遠くの関わりのないもののようで
けれど確かにこちらのほうへと近づいて。
しゃんしゃんしゃらり、
ころりんしゃん……。
白い世界の夜の向こう、
今年最初の日が昇る。
夜明けとともに船が来る。
白く輝く宝船、
黄金俵に米俵、
金銀財宝積み込んで、
笑って暮らせと福と撒く。
明日を乞うたはどの者か
光を乞うたはどこにいる
冠とらそう、鞠とらそう
兜に剣に富つづら、
手にした宝を初夢で
剣をとったは心せよ
振り下ろす時を心せよ
種をとったは心せよ
花咲かす時を心せよ
富をとったは心せよ
つづらは開いて使うもの
全ては世のため人のため
この世の全てのものなれば
全てはお前のものであり
全ては他人のものである
神から見れば人ひとつ
全て1つと心せよ
船は降らせる黄金の雨
雨は大地にしみこんで
やがて溢れる黄金の波
世を乞う心に押し寄せる
琴の音響かせ唄歌え
良き年降らせて唄歌え
人ひとつにて改まる
新たな年に喜び溢れて




