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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

闇堕ち召喚士の復讐無双 〜底辺を這いつくばっていた召喚士の覚醒。闇落ち召喚士は今までの借りを返す〜

作者: コレゼン

こちらの主人公、非常に屈折したガチクズの鬼畜です。

そういうのがダメな方はお引き取りください。

「頼む助けてくれ! ちょっと前まで仲間だったじゃないか?」


 ザイルは俺に命乞いを懇願してきている。頭の悪い奴だがこのままでは助からないという事ぐらいは理解できているのであろう。


 だが、なぜ俺に助けて貰える、という思考になるのかが理解できない。奴ができる最善手はうまく自殺する事だ。それが奴にこれから降り掛かる地獄を回避するために最も良い手段にも関わらずどうしてそういう思考にならないのだろう。


 俺は不思議な顔をしてザイルを眺める。ザイルはそんな俺をまるで不気味な者でも見るような視線を送っている。なんだ失礼な奴だなこいつは。


「くそ野郎! てめえみたいなクズが! クズの貧民で召喚士でどうしようもない底辺が! 俺らに向かって偉そうな口を聞くんじゃねえ!」


 ルドルフの方は更に救いようがないようだ。


 自身が今、置かれてる立場。逆転した立場。自分の力ではどうしようもない状況というのを彼は今までの人生で経験してこなかったのであろう。彼にはじっくりと教える必要があるようだ。教育のしがいがある。


 俺は憎しみしか知らない。幸せ? なんだその感情は? そんな物は女が作った幻想だ。憎しみ、憎しむ事でこれまで生を生きてきた。俺は憎しみを通してしか人を理解できないし、最もよく人を理解する方法がその人が何に対して憎しみを向けるかという事だと思っている。


 ただ殺すだけではつまらない。


 彼らの生殺与奪は自分が握っている。彼らにはなるべく自分と同じ思いをして欲しい。そうなった時、我々は一つになれる。彼らの心の闇に触れれた時。俺は召喚師として無上の幸せを感じるのだ。


「さあ、始めよう! 最初は少しずつ、クライマックスに向けて徐々にと地獄の階段を降りていこう。お前達の心の琴線に触れさせてくれ!!」



 ◇



 ヨハン、それが俺の名前だ。


 生まれは貧民街。そして成人した後も貧民街を抜けられずにいる。ざっくりというとこの世界のヒエラルキーは貧民 < 平民 < 貴族 < 王族となっている。貧民では平民に勝てずに、平民では貴族に勝てない。


 こんな世界構造だが一つ、そのヒエラルキーから抜け出す方法が存在している。それはジョブだ。レアジョブである賢者、または、剣聖等を引くことができれば例え貧民であっても貴族くらいまでには成り上がれる。


 俺も16の時の鑑定の儀にかけていた。貧民街から抜け出せるように。両親を楽させてやれるように願っていた。しかし、俺に鑑定されたのは召喚師。召喚師は名ばかりジョブで碌な者を召喚できないハズレジョブという事で有名なジョブだ。よりによっては俺はそんなジョブを引く事になる。


 貧民で召喚師。人生が終わったも同然だった。実際に終わってた。冒険者になったはいいが、与えられる役目は運び屋、メンバーの世話や各種手配などの便利屋仕事のみ。給金は最底辺でひどい時にはパーティーメンバーの残飯を漁るような事もあった。


 そんな冒険者生活を10年以上続けて底辺でもがき続けて、世界を呪い続けて、そして俺の召喚師の真の力が覚醒した。ああ、あの覚醒の日は確かこんな満月だった。



 ◇



「よーし、チャッチャッと終わらせて、帰って美味い酒飲もうぜ。後はこの階層をちょっと漁れば終わりだろ」


 パーティーリーダーのザイル。剣士でBランク冒険者だ。


「今回は中々の収穫だったな。こいつら売っぱらえば最低でも金貨10枚にはなるだろう」


 銭ゲバのパーティーメンバーのルドルフ。魔術師でCランク冒険者だ。


「分配は公平にね。前ダレマ、自分の取り分だけちょっと多めに貰おうとしたでしょ」


 パーティーの中で紅一点のセシル。僧侶でCランク冒険者だった。


 そして俺、主に運び屋としてこのパーティーに所属して3年以上になるが、奴隷のような扱いを受けている。今回の報酬が金貨10枚になったとしても俺の取り分はせいぜい銅貨10枚くらいだろう。生きていくための最低限の報酬しかもらえない。パーティーメンバーからしたら善意で置いてやっているくらいな感じだった。


「おい、ヨハン、遅れんじゃねえ! 全くただでさえ役立たずの癖に荷物持ちぐらいしっかりこなせや!」


 俺はパーティー全員分の荷物と食料を持たされていた。他のメンバーは戦闘になった時に必要な装備しか持っていない。


「ほんとクズよね、ヨハンって。なんでこんな奴、パーティーに入れてやってんだろ。私たち神じゃない?」


「ちげえねえ!」


 はーはっはっはっは!


 俺は何も言い返せない。もし言い返したとしても暴力で返されるだけ。そうなった時に俺は勝ち目はない。そして、もしこのパーティーから追い出されたら俺は最悪、こじきになるくらいしか道がなかった。心を殺す。憎しみを感じないように。怒りを感じないように。


「全く、貧民で召喚士でしょ? なんで生きてんの? あんた? 私だったらもう自殺してる」


「俺もそうだわ」


 はーはっはっはっは!


 パーティーメンバーは疲れが出てきたり、鬱憤が溜まった時は俺に当たるのが常だった。俺は下を向いて歩く。ここで反応すれば奴らの思う壺だ。一切の反応はしない。


 そこでなんだろう? 前方に何か壺を持っている小さな子供のような者が見えた。魔物にしては小さ過ぎる。


「うん? なんだありゃ?」


 パーティーメンバーもその存在に気づいた。


 その者に徐々に近づき、ダンジョンの薄暗い明かりでも確認できるようになる。そいつは全身の体毛がなく、そして何かの壺を後生大事に抱えているようだった。その皮膚感から人ではないのは明らかだった。だがゴブリンでもない。肌はよく見ると若干ヌメヌメしているようだ。一体なんなのだろう。そいつは顔がはっきりと確認できる段階になってニヤァと笑う。そしてーー


「キャアァァァァァァァッ!!」と突然叫び声を上げた。


 その声はダンジョン中に響き渡る。何か魔力を持った叫び声だった。


「なんだ? ヤバいぞ! こいつ!」


 その存在の魔力量が膨大であるのと、後は直感で相当高位の魔物である事をメンバーは察知する。


 ドドドドドドド


 と魔物達が移動して来ている音が聞こえる。

 おそらく目の前のこいつが呼び寄せている。


「まずい! このままじゃ逃げないとやられる! 退却するぞ!」


「でもきっと逃げても追いつかれるよ! この数じゃ逃げられない!」


「だったら………」


「痛っう!」


 ザイルはいきなり俺の足を切りつけてきた。


「ヨハン、お前に囮という役割をくれてやる。荷物はしょうがねえがお前と一緒に置いてく」


 俺は呆然とした。ここまでするのか。


「気に食わねえ野郎だったけど、最後は俺たちの役に立てよ」


「まあ、ここで別れられると思うと清々するけどね」


 メンバーたちは俺を嘲笑いながらその場を走り去っていく。


(ここで死ぬのか? 俺は?)


 頭に浮かんだのはそれだ。呼び出された魔物達は集まってしまった。不気味な体毛のない魔物は俺の方を見て笑っている。


 先程の叫び声。もしかしたら魔物召喚だろうか。そこで何か俺は掴んだ気がしたのだ。あの魔物から別の魔物に叫び声を通してチャンネルが作られたような。


 そう、ちょうどこんな感じで……


 俺はその魔物と繋がろうとする。そうするとその魔物とーー

 繋がれたようだった!


 その魔物の感情と思考がダイレクトに流れてくる!感情は戸惑いと恐怖、思考は混乱と自分が召喚されたという事実の確認。


 他の魔物達にもチャンネルを繋げていく。どんどん繋がる! どんどん魔物達の感情が共有されていく!! 魔物達の戸惑いと恐怖が心地よかった。それを自分がもたらしたと言う事実が。


 パラララッパッパー

 レベルアップの音が鳴り響く

 ついぞ何年も聞いていなかった音だ。


 俺はステータス画面をオープンした。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


 ヨハン = ハーディング

 ジョブ:真召喚師

 HP:200

 MP:50

 Lvl:12

 魔法:召喚、絶対召喚


 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△


 真召喚師? 「真」などとは前はなかったはずだ。それに召喚にプラスされて絶対召喚という物が追加されている。おれは絶対召喚にタップしてその詳細を確認する。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


 絶対召喚 消費MP:1体につき1


 すべての生物を召喚できる。召喚した生物とは感情、

 思考が共有される。(ブロックする事も可能)

 召喚するにはその生物と会っている事が必要。


 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△


 うん? なんだこれ、とんでもない魔法じゃないか?元の召喚は自分より10倍以上低いレベルの生物しか召喚できない挙句、その使用MPは1残してすべて使用するという全く使えないものだった。それが絶対召喚という上位魔法になるとここまで変わるのか……


 ジョブについては剣士から剣聖へ変わる事があるというのは聞いた事がある。それと同じような事が起こったのだろうか? ただ俺は経験値を得る前に真召喚師となっている。であればあの何か体毛の無い、得体の知れない魔物がトリガーになったとして思えない。


 まあいい。


(お前ら殺し合え)


 俺は召喚した魔物たちに命令を与える。魔物たちはお互いに攻撃を与える。その痛み、苦しみ、恐怖の感情がダイレクトに伝わってくる。それは俺に今まで与えた事のない、快感を与えた。


 はあーーーーーッ!! なんだこの感情、快感は? 弱者を蹂躙し、自分の思うがままに操るというのはここまでの快感をもたらすのか!? かつて自分を虐げ、痛めつけていた者たちはこのような快感を得ていたのか!?


 一体、二体と魔物たちは息絶え、倒れていく。そして最後に残ったのは体毛の無い、不気味な魔物だった。やはりこいつが一番強かったようだ。


 俺は懐の剣を抜く。魔物は自分が何をされるのかわかったのだろう。恐怖と懇願。殺さないでくれ!という懇願がダイレクトに伝わってくる。俺はそっと魔物のコア部分に剣を差し入れた。やつの眼を見ながらゆっくりと剣を差し込む。奴の恐怖と懇願とそしてもう死ぬという思いがどっと押し寄せてきてーー


 体毛のない魔物は崩れ落ちた。


「ありがとう」


 俺を覚醒させてくれて。

 俺をこんなに強くしてくれて。

 俺にこんな快感をもたらしてくれて。


 ダンジョンを出ると辺りはすっかり夜なのにその満月の明かりで深夜とは思えないような錯覚を覚えた。


 満月は妖しく輝いている。


【※重要なお知らせ】


こちら連載候補の短編になります。


少しでも

「面白かった!」

「続きが気になる!」

「連載が読みたい!」

「ヨハン、キモすぎ!」


と、思っていただましたから、ブクマと広告下の【☆☆☆☆☆】より評価いただけると大変うれしいです!


よろしくお願いします!

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