表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
75/122

幕間:とある少女と牛三匹

「――グォゥウ……」

「――ゴホゥ……ゴルゥオウ」

「――フスゥ、フシュウウウウウウウウ」


 牛頭さんが三人いる。さっきまでは四人居た。本人は、何時もの山のパトロールにお出かけしていった。で、残ったのは牛頭さんのご家族三人、なんだけど……なんだろう、どれも個性が強い気がする。


「――ゴホゥ」

「あ、お茶ですね。お代わり持ってきまーす……ちょっと待っててくださいね」


 最初に来たこの人は……なんだろう、大きい、という一言に尽きる。体格的な意味で。牛頭さんよりも大きいし、しかもなんだか、毛並みが若干野性味あふれている気がする。ワイルドな人だ。一目で分かった。


「――グホホホホホホホホ!」


 国民的大喜利番組を見て笑っているこの人、ミーノースさん。牛頭さんのお爺さんという事らしい。牛頭さん曰く、一族で一番ヤバい人。牛頭さんより強いらしい。もうその一言だけで私はお腹いっぱいになりそうだ。


「あ、あの……お茶、要りますか?」

「ン――ォォォウ、ン、ン……ンフ」

「わ、分かりました。追加で持ってきますね……?」


 そして、牛頭さんと似た体格で、似たような声だけど、物腰がなんというか、落ち着いているというか……牛頭さんより毛並みが整っている気がする、この人。ミーノースさんという比較対象が居なかったら多分分からなかった位にそっくりだ。


「ンモゥ! ォォォオオオオオオ!」

「……グォウ」


 物凄い説教……と思われる物を受けているのが、タウロスさん。牛頭さん曰く、島一番のタラシ……らしい。ただチャラい、というようには見えないので、自然にそうなっている、という感じなのだと思う。牛頭さん曰く、『兄として尊敬できるが、一部は尊敬できない』との事だ。


「……凄い剣幕だなぁ」


 そしてお説教をしている側。まつ毛も綺麗で、瞳もクリクリ。牛初心者の私でも分かる『あ、この人は美人だな』といった感じの人。タンクトップという余りにも豪快な格好でその……お、おっぱいがユサユサ揺れているのが、女性ですけど、目に毒です、はい。


「――ォォウ!」

「あ、はい! なんでしょうか!」

「ンー、ォウ、ォウ……ォフ!」

「えっと、丸い物を、切って……ケーキですか! お母さん!」

「(ニッ)」


 あ、笑ってくれた。間違いないようだ……あの人が牛頭さんのお母さん。牛頭さんより小さいかと思いきや、そこまで体格は違わない。そしてあの人だけなぜか体の模様がホルスタイン。他はジャージー牛なのに……いや、そこはどうでも良いか。


「……私、今物凄い景色を見てるなぁ、本当に」


 牛頭さんの家族を見たい、と思って来たホームパーティ……何となく、親戚の皆の集まりを思い出す様な感じがするけど、しかしその圧力は親戚たちのそれとは比べ物にならない気がする。だって、逞しい方が三人も家の中に居るのだから。


「――グホホホホホ、ホッ!?」

「……ンンォウ」


 あ、テレビ消した。あー、そうそう。ああやってサボってる感じの人が居たら、親戚のおばさま方の誰かがそろそろ止めて手伝え、って感じで消すんだよなぁ。で、見てた人に文句は言うんだけど、仕方ないって感じで立ち上がって……あ、立った。


「ンン?」

「……ゥゥン」


 あれって牛頭さんが準備してた野菜、だよね。でも、まだ調理とかは……あ、してない。でも、だったらどうして野菜室のなかを……?


「――ンン? ォウ!」

「オオオ……」


 ……ちょっと、見てみようかな。流石になんか、荒らしてるみたいな事だったら止めないと駄目だし。うん。決して好奇心とかではない。うん。


「……なにしてるんですかー?」

「ン? ゥオッホッホ!」

「中、ですか? えっと……わ」


 野菜室が、綺麗に整頓されてる! 昨日は、結構乱雑な感じに詰め込んだだけだったのに。これ、牛頭さんのお母さんがやったのかな……


「すごい……綺麗ですねぇ」

「――ォォウ! グゥゥゥ……!」


 やっぱりお母さんなんだなぁ。こういう、細かい所を気にして、少しでもやってくれるって。良いお母さんだ。牛頭さんは凄い迷惑そうにしてたけど……でも、そんなの気にしないパワフルな……


「――ン?」


 ってどうしたんだろう。急にポケットに……あ、スマホがなってたのか。ってこの人のも最新型……! 凄い、牛頭ファミリー、みんな揃って機械に強い!


「……ゥオホ」

「あ、あの。牛頭さんからですか?」

「ゥン」


 あ、頷いてくれた……今更ながらだけど、日本語分かるの凄いなぁ。皆さん、牛頭さんと同じギリシャの人、なんだよね。それなのに日本語も達者って……インテリだなぁ。


「……ォオオウ!」

「――グ?」

「ヌゥウウウウ!」


 ひえっ!? なに!? ミノタウロスさんが三人そろって……! 凄い盛り上がってる! なに!? どうしたの急に!? 


「……ど、どうしたんですか?」

「ン、ン」


 いやなんでも無いよ、見たいに首を振られてもなんかありましたよね絶対! 凄い勢いでケータイ見てコレコレ! なんなの? おッホ面白そうじゃないの! うははははは! 的なリアクションされてその後『なんでもないです』ってされても!


「……ンフフフフ!」

「ォォオウ……」

「グホホホホホ!」


 な、なんなんだろう本当に、何を見ているんだろう。なんであんな愉快そうにしているんだろう……やっぱり分からない部分も多いなぁ、この人牛さん達。

内容は末っ子牛からのSOSコール。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ