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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
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デカい牛、普通な牛、普通な人

「……遅いですねぇ」

「――ォォウン」


 お昼ごろに来るって言ってたんだけどなぁ……どうしたんだろう爺ちゃんに兄ちゃん。もしかして、なんかトラブルに巻き込まれた、とかかなぁ……ううん。心配だ。


「携帯は持っていらっしゃるんですよね。ご連絡とかは? ……あ、したと」


 もう大分前に二回位ね……それでも全然反応がないって言うのがなぁ。


「もしかして、迷ってる……も、ないですよね? もうこれで、何回目ですか?」

「――ングゥオウ」

「十回目……より上かな? そりゃあまぁ、迷いようもないですよねぇ」


 もしかして、今年は空港変えたとかかなぁ……それで迷ってるとか? いやぁ、あの爺ちゃんだからなぁ。砂漠のど真ん中迄落とし物拾いに戻った挙句、一か月後に悠々と帰還した爺ちゃんだからなぁ。どっちかってとドジっ子の兄貴なら兎も角……


「――ォォォォォォォ」


 ん、今の音は……


「……ん? 何か聞こえたような」

「――グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

「アヒェッ!?」


 こ、この腹に来るような咆哮は……! 間違いない!


「――グォオオオオオオオオ!」

「おひっ!? ご、牛頭さんが吠え返した?! 威嚇!? 威嚇してらっしゃる!?」


 いや威嚇じゃないよ! 大体、威嚇する必要なんてないしねぇ。ったく、漸く来たか!


『――オオオオオオオオイ! ハチィ! 待たせたのぅ!』

『爺ちゃんおせーよ! なにやってんの! 心配しちゃったじゃないの!』

「……はわわわわわわわわわででででででででぇっかいうしさんがぁあああああ」


 爺ちゃんは相変わらずゴッツいなぁ! 全然衰える気がしないじゃないの! ははは! 俺より一回りもデカいんだから! ホント、爺ちゃんって気がしねぇ!


『いやーすまんすまん! ニホンの……なんじゃったか。あぁ、そうそう! コマ回し付き合っておってのう!』

『コマ!? なんでそんなもんで』

「……お互いに吠えあっている様にしか聞こえない……で、でも話がはずんで居るのは分かる! 伊達にこの一年、牛頭さんに付き合ってきてない……!」


 というか、コマやるにしても時期尚早でしょうよ! というかそれにどうして付き合ってしまったのか!


『いやぁ! なんぞ、港の方から悲鳴が聞こえたんでなぁ! 見に行ってみれば、なんぞ若いのがコマに潰されそうになってたんじゃよ!』

『コマに!? そんなデカいコマなんてあるの!?』

『あるある。儂の身長位! そんな物騒なもんを、変に固いガラスの中で回しとった!』


 うっわ、あぶねぇなオイ! 隔離した空間で人を潰すレベルのデカいコマ回してるとか何だ正気を捨ててんのか!? ったく、最近も色々頭おかしい事件に巻き込まれた身としては、こう、同情をせざるを得ない!


『全く、なんぞ誰かを選ぶ試練とか言うとったが、そんな命捨てるような試練なんぞけしからんからのう! 拳一発で、その不遜なコマ、ぶち壊してやったわ!』

『うっひょぉおおおおお爺ちゃんカッケェ!』

「た、楽しそうに鼻息を鳴らしながら唸り声を上げている……!」


 流石は爺ちゃん。異世界帰りとか言う嘘か誠か分からん謎伝説を持つ男! どんだけデカくてもコマには負けないか、流石に。


『大体のう、デザインが良く無かったわデザインが! ワシがニホンで買ったコマと言ったらのう、シンプルかつ分かりやすく! かつ鮮やかな色合いで素晴らしかった!』


 デザインが良くないってそこまで言いきっちゃうってのは……余程だったのか? 逆にちょっと気になるというか。


『コマにこう、血脈の様なものが走っているデザインでのう、側面には大量の目玉ばかりじゃぞ!? しかも斜めっているお陰で絶妙に見下して居る感じが……! ええい今思い出しても腹の立つ! ニホンのコマ職人に謝罪をして欲しいわい!』

『うっわwww気持ち悪wwwぶち壊されても文句言えねぇなぁ、そりゃあ』

「笑ってる……笑い声が聞こえないけど……分かる……!」


 全く、そりゃあ爺ちゃんが起こるのも無理ないわ。爺ちゃんニホン大好きミノタウロスだからなぁ。旅好きだし。それが高じて異世界くんだり当たりの伝説が出来上がったのかもしれないけど。まぁ、それはいいか。


『それで? 襲われてた人は無事だったの?』

『そ奴はのう。ただ、他にも何人か捕まったらしき若い奴らが居ての! 全く、悪趣味な遊びばかりやらせおって! 皆ぶち壊してやったわい! ほれ、戦利品』

『……何だコレ!? カルタ、だろうけど。縁が刃物になってるじゃないの!』


 こんなもんで遊ばされてたのか……全くひどい話だ! 俺だったら主催者をぶん殴らないと気が済まないぜ本当に。まぁ爺ちゃんがぶち壊しにかかったんだから、ぶん殴るだけじゃまぁ済まないだろうけども。


「こ、このカルタ……何に使ったんだろう」

『んん? カルタはのう、なんじゃ、絡繰りと人のカルタ勝負に使われておった。絡繰りには痛くも痒くもないというのに、生き物には十分凶器! 全く不親切な!』

『爺ちゃん爺ちゃん。言ったの俺じゃないから、俺の方向いて言っても……あーいや』


 有馬さんの方を向いて行っても意味ねぇか。俺の言葉も分からないんだから、訛りの酷い爺ちゃんのギリシャ語じゃあ絶望的も良い所だぜ。


『なに?』

『こっちこっち。今日は日本で出来た友人と一緒にパーティするって言ったじゃん』


 さ、有馬さんもこっちへ、ね。


「あ、あの……ミーノースさん、ですよね。えっと……有馬、です。牛頭さんのお友達というか……居候というか……させて貰ってます」

『……』

『ガハハハハハ! 何だ爺ちゃん、ボケッとした顔して!』


 そんな驚いたか! 電話でも『友人? 冗談止せ止せ!』とか言ってたからなぁオヤジ。居るもんなら連れてきてみろって言ってたし。


『……女の子じゃったんかぁ?!』

『わははははは!』

「すごい感情が分かりやすい……」


喋らせると圧倒的に楽……ッ! 楽……ッ!

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