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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の乗ってる船でバイオテロを起こすんじゃない。
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因みにもう一隻は完全に自業自得

「皆様、お待たせしました! 救命ボートでの脱出準備が整いました! 順次、船員の指示に従って、救命ボートにお乗りください!」


 ――という発言が船内に響いたのは、有馬さんが俺に向けたお湯リレーの五回目に入った頃だった。因みにその頃漸くちょっとホコホコしてきて、漸く震えが止まった。有馬さんには本当に感謝しかないです。


「……牛頭さんのお陰ですね」

「ンンンンゥウウウウウ……」


 別にそんな事ないですよー……あー、やばい。やかんから配給されるこの温い……そしてこの、そこそこな水圧が……実に良い……最高だ……体が、解れる気がする。


「頑張ってくださいましたからねぇ……癒されて良いと思いますよー」


 そう言って頂けると非常にありがたい。あー……コレ、変なマッサージより全然癒されますわー……あー心が豊かになる気がする。いや気のせいだろうけども。


「私達はまだ見たいですけど、今の内に服とか着て、脱出出来るように準備しないと」


 結局荷物ずっと持って来てたけど完全に無意味だったよね。まぁそれはどうでも良いとして、俺の服磯臭くなっちゃってるから……あ、そうだ。この服は沈む船に残して……いや、二人ともキャリーケースだから海に投げ捨てて置けば浮かぶんじゃない?


「うーん、充電池と、後は……良し、最低限持って行くものは、これくらい。ってあれ? 牛頭さんどうしたんですか? バッグ引いて」


 ちょっと仕事して来る。あ、有馬さんもちょっとキャリーバッグ貸してね。ちょっと最後の一仕事して来るから。まぁ、バレないようにやっていくとしよう。


「……どこ行くんだろう?」


 もう一回フルパワー出す事になろうとは。キャリーが壊れない事を祈ろう。




 お待たせ―。いやぁ、多分壊れてないと思うけど。アレだな、流れてない事を祈って後で回収するとしようか。出来るだけ流れないようにやったけど、上手くいったかは、分からん!


「あ、お帰りなさい。そろそろ私達の順番で……あれ? バッグは?」


 大空に向けて放してやった。全力で。大分いい勢いで飛んで、まぁ多分だけど島近くに落ちたと思う。アレなんだよね、島でデカい石とかを海に破棄するのにいっつも色々投げて投げ捨ててたからさ。慣れてるんだよ、投擲とか。


「――お二人共、そろそろ」


 はいはーい。まぁ、上手い事回収出来たらご喝采って事で。いやーしかし、こうやって無事下船出来て本当に良かった。しかも被害なし。やっぱり船員の皆さまが丁寧に誘導しないとこうはなりませんよ。やっぱり日本のサービスは世界の誉れだなぁ。


「どれくらいかかりますか?」

「そこまではかかりませんよ。そこまで沖に出て居る訳でも無いですし……しかし、お客様のご協力で、あのサメでお客様に被害を出さずに済みました。本当に、ご協力ありがとうございました」


 問題は無いとも。お預かりしたお子様を守る為っていう自分の目的本意だし、多少の仕事はするさ。まぁ多少の範囲を大きく超えてたのは否めないが……まぁ兎に角、目立った被害も出なかったからそれも……


「おい! 大変だ、一隻船がやられてるのが見つかったって! あのサメっぽいのに」

「えっ」


 えっ。


「えっ、誰が見つけたんだよ」

「海保だ! 今到着したんだが、そのやられてる船を調べるのに手古摺ったって」

「海保って事は、そっちにも避難する人を」

「あ……そ、そうだ。それを伝えないといけないんだった! 万が一の為に海保の船と分けて運ぶって船長が」


 ……ゾッとした。マジか、やられてる船もあったのか。この船が助かったのはラッキーだったのかもしれない。下手すりゃその船みたいに……おおコワ!


「ったく、馬鹿かお前は……そうと決まれば、急いで其方にも誘導しないと……あ、申し訳ありませんお二人共。デッキに出ればそこに居る船員が誘導すると思うので。デッキまではご自分で」

「あ、はい分かりました……えっと、デッキってこっちでしたよね。行きましょうか」


 はーい、行きましょうか。しかし、善良な人が犠牲になって居たとは……なんともやり切れないな。俺達だけ助かって良かったんだろうか、なんてガラにもない事を……いいやダメだそんなこと考えたら。助かって良かった、と考えないと。


「……怖いです。もし、その船みたいに……うぅ」


 っと、大人の俺が不安見せてたらダメだな。有馬さんの方がよっぽど怖いんだ。堂々と何でもない、大丈夫だよ、という感じで逞しい態度を見せねば。


「帰ったら、お母さんに会いたいです」


 そうよなぁ、ご両親に甘えたくもなるわなぁ、こんな事件に巻き込まれて……せめて少しでも慰めに、頭でも撫でてるしかないかなぁ。


「――ンンゥ」

「……ありがとう、ございます。少しだけ、ご厚意に甘えてますね」


 うん。まぁ、こんな俺で良かれば、少しでも……あれ、なんで速攻で離れるの。


「ご、ごずさん……くさいでずぅ」


 ……What!? クサイ!? 誰が!? 俺が!? え、え待ってホワイ何故臭いミーのボディ!? ちょ、ちょっと待ってね……


「……」

「……ど、どうですか?」

「……グモゥエ!?」

「やっぱり臭いですよね!?」


 く、くせぇ……なまぐせぇ……なんだこれぇ、ひっどい匂いがするぅ……う、海で濡れてお湯で洗い流してたと思ったのに……全然、磯臭さが……抜けてねぇ……これ自覚したら途端に臭く、ああっ!?


「――ゥゥゥゥゥ」

「のたうち回ってる……」


 くせええええええええ!


当然キャリーバッグを劇中の様にするのは犯罪です。皆さんは真似しないようにしましょう。

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