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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の乗ってる船でバイオテロを起こすんじゃない。
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化け物を殺すたった一つの冴えたやり方

「ご協力ありがとうございます。何度も何度も本当に……! ところで何ですがそちらの方ですが、ホントに着ぐるみ来てるだけのボディービルダーの方ですか? ホントのホントに??」

「ホントです。本当なんです。私、嘘つかないです。はい」


 有馬さん、どうしたんだろうロボットみたいな返事して……おめめは一体何処を見ているんだろうか。教えて欲しい。どうやったらそんな、こう『虚無』を体現したかのような瞳が出来るのか。


「大丈夫なんですね???? 分かりました! もう考えない事にします!」

「はい、分かりました……失礼しまーす……ふぅ……」


 さて、有馬さんをもう一回部屋に送り届けたら……つーか、気付いた段階で部屋に居る様にストップかけりゃよかったのに、どうしてそれが思いつかなかったのか。さては木こりで割とテンション上がってすっぽ抜けてたな? この牛頭。


「お礼と……避難は、まだ時間かかるそうです、って。そんな感じでした」


 あっそう。まぁ、そりゃあ避難無理だろうけど、あのデッキにあんなのが居ちゃあ……結局は、あのデッキに陣取って……いや逃げたけど。まだあの辺りうろついてるだろうサメ。一応は俺が対処したけど、やっつけてないし、整形したくらいだからなぁ。


「はー……漸く、落ち着ける……かなぁ……」


 まぁパーティからずっと休みなしで動かされっぱなしだからなぁ。そろそろゆっくり休んでも罰は当たらんと思う。まぁ、俺に休みはないけどな! この船を無事に脱出できるまでは全くもって安心が出来ないのが辛い。


「牛頭さん、また行くんですか?」


 斧が持つ限りは。兎に角暴れまくって奴らの妨害をし続けてくれようではないか。残念ながら俺は草食だが草食系男子ではないのだ。自分の道は自分で開き、ズンズン突き進み道を開く、ってな?


「……あの、ちょっと休みませんか? 騒動が始まってから、ずっと頑張りっぱなしですよ、牛頭さん。その……無理はしない、ほうが」


 無理はしてないよ。まぁでも、心配してくれてありがとうね。


「頭撫でられたからって、誤魔化されませんよ……ちゃんと休まないと(というか、このまま船の上で大暴れし続けたら『大海原に出没する巨牛』とかいう都市伝説が生まれかねないというか……危ないですよぅ……)」


 どうしてそんな物凄い……こう、若干哀しい表情を為されているのかが非常に分からない。ううん、疲れが出てきているのか、なぁ。まぁそれくらいしか原因も無いだろうし。


「……あ、そうだお夜食持って来てくださったって。とりあえず、それだけでも食べて行きませんか?」


 お夜食かぁ。そういや動きっぱなしで腹も減ったし、何かしら腹に入れないと、スタミナが持たない。長丁場になるだろうしなぁ……コレ。


「えっと、部屋の外に置いてあるって……えッ!?」


 ん? どうした素っ頓狂な声を上げて……信じられないようなもの見たって顔してんなマジで何かあった!? まさかサメか!? 生きてたのか?!


「――牛頭さん!」

「――ヌゥウウウウウ!?」

「お、お夜食が……物凄い豪華です! こんな状況とは思えない位豪華です!」


 ずごー……じゃねぇや! なんじゃあそりゃあ!? や、夜食が豪華くらいでそんな凄まじい悲鳴を上げなくたっていいじゃないか。度肝抜かれて『えっ、やべぇよまーた船内壊す勢いで暴れないと……』っていう覚悟決めちゃったよ、全く。


「ホラこれぇ!?」


 全く、どんだけ豪華でもそんな驚く程じゃいや待って先ず多い多い皿が多いうえに物凄い、なんだ、リッチなメニューが並んでいる気が!


「ス、スープに、それにこの、つやつやのおにぎり……! わ、私用だと思いますけどチキンが! 油滴るチキンが!? えッ!? まだパーティやってましたっけ!?」


 今緊急時だよね!? こんなルームサービスで頼んで贅沢三昧、的なメニューが来ちゃっていいのか!? えぇ!? うわ、サラダにも胡麻ドレッシングが、贅沢に……!?


「あ、あの……食べちゃっていいんでしょうか」


 『おにぎりは塩むすびなので、お肉が食べられないお客様にも大丈夫です』……気遣いまで出来ている! す、凄い! なんて豪華なメニューだ! え、でもなんでだ!? 今調理してる余裕とか、というかキッチン生きてるのか!?


「……もしかして、牛頭さんがズンズン対処してるから、予想以上に船の機能は維持できてる、とか? だからこういうのも……」

「――フゥ―ン!」


 俺の活躍がこういう結果を呼んだと考えると……なんだろう、頑張ったのが報われると凄い嬉しいなやっぱり。いや、確定したって訳じゃないけどさ。


「食べましょう! まだ船の旅は楽しめるかもしれません!」


 そうだな! 景色そのものが荒れてる訳でも無いし、夜景を見ながら夜食を穏やかに食べるというのも悪くないかもしれん。よーし、ここは英気を養う為にも……え、まってワイン迄ついてるじゃん。晩酌まで!?


「なんか、いいんでしょうか……?」


 いいんだよ! 幸運と思って食っておけ!




 ……食った食った。やべぇ、凄い幸福感でふわふわしている……やべぇ、もうこれ夢心地じゃぁ。お結びも美味しかったんじゃァ。塩結びってあんなに美味しかったんだね。


「はぁ……すごい、しあわせ……食後の紅茶が、とても、しあわせ」


 やべぇ、このタイミングで、酒が入って、けっこう……いい気分になってきちゃった気が。まだまだ討伐任務残ってるってのに。いや、任務じゃねぇか、ボランティアか。うはははは……あー……しまったなぁコレ。うん。俺完全に酔っちゃってる。


「――ォホォ……グフゥ……」


 やっべーこの後あのサメ野郎まだ残ってるのに……まあいっかぁ! やれるでしょ! 多分! 知らねぇけど! グハハハハ!


なお倒す化け物は敵とは限らない模様。

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