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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺が管理する山でデスゲームをするんじゃない
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貴方をモンスターです。

「……あ、あの。死んでませんよねこの人達。あの、えっと」


 いや……人一倍手加減して、こう、首筋をキュッとした筈なんだけど。大丈夫だとは思いたいけど。どうしよう、さっきからピクリとも動かないよ? 変な所に指入っちゃったりしたのかな!? やっちまった俺!?


「どどどどどどうしましょう!? と、取り敢えず何処かに埋めましょうか!?」


 いやそれ証拠隠滅ゥ!? そ、そこは素直に自首しないとダメだと思うなおじさんは!


「……っ、ぁあ」

「あ、たま……な、なんなんだ、何が起こった……?」


 おっ。


「よ、良かった生きてた!」

「あ、なんだ? ここ……は……」


 お、目が合った。良かった。大丈夫か? この指何本に見える?


「……うわあああああああああ化け物ォォォォォォおおお!?」


 ――良し、ちょっと強めのお仕置確定だなお前。ちょっとそこを動くなよ。


「な、なんだ、こいつっ……さっきの置物にそ、そっくりだぞ……?!」

「あの、えっと。さっきの置物、と言うか置物のふりをしていたの、この人……です」

「はぁ!?」

「や、やめろっ! へそに角突っ込んでグリグリすんな! 止せっ! 待って! ひっ、ひひっ!」


 お前らはな、囚われの身の犯罪者なんだぞ。人の事を化け物呼ばわりしておいて止めてもらえると思うかコラ。徹底的に弄り倒してやるからな!? この、笑え笑えぇ……


「クソ、どうなってる……この山にこんな奴がいるなんて、聞いてないぞ!」

「あ、あのっ! 貴方達は、一体何なんですか!?」


 オラオラ、グリグリ……とかやってる場合じゃない。その通りだ有馬さん。此奴らの目的を聞いておかないと。折角縛ってるんだし。おい、ちょっとお前こっち向け。


「――っ、なんだ。そこの小娘が聞いた事か? 答えると思う……分かった。分かったちょっと話をさせてくれ、だからソイツのへそから抜いた角をこっちに向けないでくれ。後その顔を近づけないでくれ、凄い迫力で正直怖いよ……」


 だからさっきから失礼じゃないか? これでも可愛い系のミノタウロスぞ? 此奴みたいに笑い潰すぞ、ひくひくして、なんぞ芋虫みたくなって動かなくなったのが結構キモいんだぞコレ。マジで。


「ご、牛頭さん。取り合えず離れてあげましょう……そ、その。怖いかどうかはとりあえず置いて、角は、その……刺さったりしたら危ないと思いますし。はい」


 ……まぁ、確かにそうだな。良し、お前ちゃんと話すんだぞ。分かったな。


「なんだ、何を見つめている……話せってか? というか、何なんだお前ら、なんで俺達の話を……」

「わ、私は……気が付いたら、この山に。デスゲームって急に言われて……」

「……あぁ、そう言う事か、お前も攫われた連中の一人って訳か。納得したよ」


 それで分かったって事は、間違いなくコイツも犯人の関係者で確定か。


「さ、攫ったって……どうして!?」

「理由? お前らみたいのを攫って、ここに放って……で、逃げ惑う姿を見世物にするためだよ。それ以外は知らない。俺はあくまで下っ端だ」

「っ! そ、そんな……!?」


 しゅ、趣味悪いなオイ! 人を逃げ惑う姿を見世物にするとか……人間の心は間違いなく捨て去ってる。分かるよ俺、ちゃんと道徳学んで来てるからね。全く、あのゾンビやらお前らやら、とんだ化け物ばっかりじゃねぇか!


「……そこの牛頭はなんでそんな凄い顔してるんだ。お前は化け物だろうが……待て、待て分かった悪かった! こっちに寄るなこっちに寄るな!」

「――!」


 お前らと一緒くたにするなホント。どうして一般的な普通の男性である俺が、モンスターと一緒の扱いをされなきゃいけないんだ。不満しかない。


「と、兎に角、それ以外は知らない。本当だ!」

「わ、私達を……あんな、怪物の……あっ」


 だから、俺を見てなんかやっちゃった、みたいな顔をしないでくれ。同じ野郎からなら兎も角、若い少女からそんな顔されたら大分ショックだよ。畜生。


「……と、兎に角、酷過ぎるじゃないですか!」

「そう言いたいのはこっちだよ。飯のタネの筈の化け物はグルグル巻き、そんでもって別の化け物が急に現れて、俺らまでグルグル巻きになっぐぇ」


 それはお前らが積極的にアウトだろうがスットコドッコイ。ちょっと寝てろ馬鹿野郎。


「ご、牛頭さん?! どうしていきなり彼の首を絞め上げたんですか!? あ、あのニッコリじゃなくて……あ、あの何方に……」


 こういう汚い大人は若い子に見せちゃいけないからね。

 ごめんね、ちょっとあのデカいのをもう一回縛り上げなおさないと。なんか想像を遥かに超えてヤバい案件だった。アレを逃がしたら始末書とかじゃ済まない……えっと、玄関の前だったかな……!?


「――!?」

「お、雄叫び!? どうしたんで……あれ?」


 ……やっちまった……縄が切れちまってるよ馬鹿野郎! 姿形が何処にも見えやしねぇじゃねえか! 足跡は……あった!


「居ない……に、逃げちゃったんですか!?」


 どうもその様です……! なんてこった、中でわちゃわちゃしてる隙に! 急いで追いかけて拘束しねぇと。あ、でも有馬さんは……あんな誘拐犯が二人も居るような俺のログハウスに置いておいたら……ヤバいな。


「もしかして……ほ、他の人達を襲いに!?」


 その通りです。という訳で追いかけなきゃいけない訳なんだが、その為に非常に申し訳ないんだが、有馬さんには少々とお付き合い頂かなくてはいけないのでございます。


「さ、探した方が良いんでしょうか……って、いやぁ!? なんで抱えてるんですか!? どうしたんですか急に!? 待って! お願いします! 説明を……全然出来ないんでしたね……」


 パソコンを持ってくる余裕も無いからね! 申し訳ないけど! ちょっとお付き合いくださいお嬢さん! あそこに貴方一人置いて行くわけにもいかないから! 今は黙って付いて来てください!


徹底的に怪物呼ばわりしていくスタイル。主人公のメンタルは死ぬ。

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