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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の乗ってる船でバイオテロを起こすんじゃない。
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タイタニックとは呼ばないで

 ――で、近くの人と面識がある、という事で聞いたみた結果。結構大きなスポンサー様のお一人らしく、えっと、その……全く関係はない、との事です。大変、申し訳ありませんでした……!


「い、いや大丈夫だから、頭を上げてくれないか。誤解が解けたんだからそれでじゅうぶんだからさ……いやぁ、君達のニュースがアレだけ報道されていたというのに、完全に頭から抜けていた。申し訳ない」


 ったく、本当に焦ったよ。思わず牛頭の気まぐれ全力全開パンチで彼方まで跳ね飛ばした後にとんぼ返りしようと思っちゃったじゃないの……危なかったよ? もう『塀の外まで追いかけてくるなら……!』なんて覚悟決めちゃいそうになった。


「えっと……忌部、さんでしたよね。打ち上げって……?」

「そうだとも。この後、屋久島から出発する客船に乗って、海の上で盛大に開こうというのだよ。今日は、そこに泊まっていかないかい、という話だ。勿論、費用はすべて私が持つとも」


 客船丸々一隻引っ張ってきたって事? 金で? ヤバくないかこのオッサン、資産家とかそういうレベルを遥かに超えてるぞおい。


「牛頭君が今回のイベントをとても盛り上げてくれたからね。彼にも参加する権利は当然あるだろうと思ったんだよ。それで、君の事を会場の者に聞いてね。今日は連れと一緒に来ている、というじゃないか。だからそちらのお嬢さんも一緒に、どうかと」


 はー、なんとも剛毅な事で……いやーでも、それは……


「あの、大丈夫なんですか? 政治家さんと、その、公務員が……」

「へ? 政治家? 私が? はっはっはっはっはっ! いやいや違うとも! あんな腹黒狸たちとは縁も所縁も無い、唯の資産家だよ! これも、君達、普段から国の山林を守ってくれている公務員達への、プレゼントだとも!」


 いや資産家のオッサンが個人で公務員をもてなすのって、それも大分微妙なんじゃ……それともちゃんと帳簿付けて、諸々報告しておけば大丈夫なんだろうか?


「それで……如何かね? もし乗ってくれるのであれば、夜六時に港に来て貰いたいのだけども。どうかね?」

「えっと……?」


 どうかね、と言われても……うぅん。ここで断る、というのも。有馬さんの事まで一緒に誘ってくれるくらいには、太っ腹な事言ってくれたというのに、断るっていうのも。


「――ゥウン」

「おぉ、来てくれるかね! いやぁ、今日の功労者を労われないとなってしまうと少し悲しかったからね! いやぁありがとう!」


 まぁ、お言葉に甘えてもいいんじゃないかな。この流れ、山の印部さんの時と結構似てるっていうか……いや、でも流石に公務員を纏めて招待してるって場でそんな悲惨な事起こす訳ないし……多分だけど。


「じゃあ旅館キャンセルして、今日は客船でお泊り、ですか?」


 そうなるのかなぁ。しっかし、海の上のホテルに泊まって豪華に過ごすっていうのはヤバい、なんだろう、スゴイセレブっぽい!


「じゃあ此方、招待状だ! コレを港に居る男に見せてくれれば大丈夫だ!」


 あっはい……ってもう行っちゃった!? 凄いなあのオッサン、良い動きしやがる。

「豪華になった、んでしょうか? 泊る場所が」


 うーん、そうなるかは分からない、いや、問題はそこじゃねぇ―けど。一応警戒しておくべきなのだろうか、騙して悪いが案件……どうしよう。先日のパワーが凄すぎる事件が頭に浮かんでしまって。


「客船なんて、初めて乗ります……楽しみですね」


 良し、もうどうでもいいや。有馬さんが楽しみにしてるそうだからもう気にしない。やっぱり若い子が楽しみたいっていうならそれが最優先よ。当然でしょう? まぁ最悪客船をジャックする様な凶悪犯が出てきても、俺が有馬さん背負って岸まで泳げば大丈夫でしょう。あ、いや、そうなったら他の人も助けなきゃいけないから無理か……


「でも、個人で借りれるんですね。客船。どれだけかかったんでしょう」


 ……んー? そういやそうだな。客船なんて、基本的に借りられるもんじゃないと思うんだけども……? ああいう資産家さんというのは、ウルトラC的な手段を持っているのかもしれない。恐らく。


「気にしても仕方ない、か。楽しみですね。牛頭さん」


 うん。そうだな。守らねば、この笑顔を……俺の筋肉で優しく包む様に……いや、流石ちょっと受けが悪いかな。うん。普通にちゃんと庇う事にしよう。いや庇う必要は無いと思うけど。念のため、念の為ね?


「じゃあ私は……どうしましょうか。どこか、休憩スペースに居た方がいいですよね」


 うんうん。宿に行った方が良かったんだろうけど、キャンセル入れるんだからもうアカンし、それが良いだろうね。えっと、マップ、マップ……あった。


「ありがとうございます。じゃあ、私休憩スペースの一番で待ってますから」


 おう。終わったらさっさと向かうよ……っと、来た来た。


「――牛のおじさーん! たかいたかいしてー!」

「あ、じゃあ私はこれで。お仕事、頑張ってください」


 ういういー……さて、新たなるお子様めの玩具になりにいくとしますか! あ、でも水分補給ちゃんとしとかないと。アク〇リアスうめぇ。




「わー……凄いですね」


 うん。豪華、って程じゃないけど、ちゃんと客船してるわ。これに乗るのかぁ。


「それにしても……他に誰も居ませんね。もう他の人達は、乗ってるんですかね」


 みたいねぇ。ホラ、上を見てごらんよ。


「え、どうしたんですか急に上指さして……あ」


 うん。上の……デッキ? からこっち見てる人が居るし。多分俺達が一番最後なんでしょ。しかし、あのオッサンも意地悪な事してくれたもんで。ったく、もうちょっと早く通してくれてもいい物を……まぁいいか。


「……ォウ」

「んー……ん? うぉわ何だコイツ……!? って……あ、あぁ、そうか……んんっ! 牛頭八太郎様、ですか? 招待状は」


 ここに。


「拝見いたします……はい。確認いたしました。ようこそ。船内にお進みください」


 はいどーも。さて、今日を締めくくるパーティ、楽しむとしようか。


因みに客船って言っても色々サイズあるらしいです。

川を移動できる位の客船もある、という話も。

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