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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の行きつけの里で神隠しをするんじゃない
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※因みにコレは普通に犯罪です。

 ……た、助かった! 漸く来てくれたか! いやぁー助かった、もう少し遅かったら一体どうなって……いや別に大丈夫か。二人して変なつつき合いしてただけだし。


「お、お母様!?」

「いいえ、まだよ……! 美憂、玄関まで行って時間を稼ぎなさい。玄関がああなのだから、そう簡単には開けられないはず。強引に入り込んで来るにしても、それでもまだ時間はあるわ」


 あっ、ちょ、ちょっと待ってくださいお客様。急にしっかりと構えるのはお止しなさいお嬢さん。諦めなさい。見なさい、というか、聞きなさい。もうこの屋敷は包囲されているのですよ? 諦めて、投降して?


「――命を懸けて、勝負に出るわ。どうせ負ければ命は無いも同然。であれば、この大一番で張らないなんてのは腑抜けの所業。任せるわよ、美憂」

「……っ、はいお母様! 必ずやお母様が勝つまでの時間を稼ぎます!」

「――さぁ、来なさい牛野郎、最後のタイマンよ」


 いや何処の極道映画の姐さん? アンタら犯罪者なのよ? 弁えて? そんなカッコいい極道みたいな雰囲気出すのやめて? そんな気高く飢えてます、みたいな鋭い眼光で睨みつけるのやめて?


「……ヌゥ」


 と、とは言え時間はこっちの味方だ。時間が立てば立つほど、状況は俺に味方していくんだ。マトモに付き合う必要など、時間稼ぎの一つでもしてやれば……あれっ!? この思考ってどっちかと言え悪役の様な!?


「――余力を残す、なんて考えてんじゃないわよ?」

「――ッ!?」

「こっちも、全力なのよ……そっちが余裕で相手できる? 腑抜けた甘い考えはこの辺りで捨てて、雄叫び上げて突っ込んで来なさい」


 ブーメランってご存知???? 貴方さぁ、犯罪やっておいて未だ尚、お咎めなしで通そうって魂胆がまぁ、甘いしめっちゃ腑抜けていらっしゃるのよ? 自覚して?


「――ッォオ!」


 ムカついてきた。そんだけ言うんだったら、良いよ、やってやるよ。この燭台を振るって、思いっきり暴れて……


「――ゥウウウオオオオオオオオオオオ!」


 やらん! こうなったら悲鳴を上げて助けを求めるのが基本だろうよ! 言葉は通じずとも俺の心からの悲鳴なら届くはず! 助けてお巡りさん!


「っ、どうやらやっと全力だす気になったようねぇ」

「――ォォオウ」


 そんなつもりねぇわ! 襲われている哀れな一般草食動物が悲鳴を上げて助けを求めたんだよ! 察しろ! いや察しなくていいわ、バレたら更に激昂して伝説のスーパー殺人鬼とかなりかねないし。


『――!? 印部さん!? 何です今の咆哮!? ちょ、ホント中に入れて』

「っ!?」


 良し、聞こえた! オマワリサーン! ここにとんでもないブーメラン投げる犯罪者が居ますよー! 絶対捕まえてください! 逃がしちゃいけませんよ!


「くっ、予想外の所で弊害が……っ! けど、邪魔が入るまでに、決着は付く!」

「――グォッ!?」


 いや待ってくれそこ諦めて凶器を置こう? これ以上ヤバい事やっても罪を重ねて重くなるだけだから。ここは、ね!? もう掴まる寸前なんだから、諦めて……


「さぁ、コレで最後よぉォオオおおお!」


 いや無理だコレぇ!? ち、畜生、頼む持ってくれ燭台君! 君がお釈迦になったらその時点で私は詰みだからヌギギギさっきと違って、ちょんって、する訳でも無いから結構震える、ガッツリ……掴んでないと、離れ……ウォオオ!?


「くっ、結構音が……するわね……!」


 火花が凄い! サングラスが欲しい! まあ金属とチェーンソーで鍔競り合いなんざすればこうもなるか! っていうか偶に熱ってなる事があるんだけど火花当たってたりしますかコレ!?


「イァアアアアア!」

「――ォォオオ!」

『印部さぁアアアアアん!? ものすごい音がしてるんですけど!? もう梯子掛けますよ!? かけて入りますからね!? おい、梯子梯子!』


 早くしてぇえええええええ!? もう、ホント、おいら一杯一杯だから! 限界! もう無理だから! 死ぬ! もう耐えられねーっての!


『ご、牛頭さああああん!? 何処に居るんですか! へ、返事! 返事してくださいぃいいいい!?』

『おおいアンタ!? 返事しな! 持てる力全部使って吠えな! 全力で!』


 はっ!? この声は! お婆ちゃんに有馬さん! 助かった……ちょ、ちょっと待ってくださいね!? 変に力抜いたりしたら、ちょっと、悲惨な事に!


『あ、あちょ、ちょっと待ってください! ホントに!』

『待てませんよ! 何ですあの解体工事でもやってんじゃないかっていう轟音!?』

『ちが、違うんです、本当に違うんです! これは……その……おっしゃる通り工事してるんです!』

『違うのにおっしゃる通りって何ですか!? それに重機も何も見えませんけど!? すぐばれる嘘は止めてください!』


 コントやってないではよ助けに来いやぁあああああ! もうホントに筋肉がプルプル震えて、悲鳴を上げ始めてるから! あ、やばい、ちょ、握力が一瞬消えた感じが! ヤバい離れる、離れちゃうぅうううう!?


「こ、ここだなこの音……ってなんですこのひぇっ!?」

「――っち、邪魔を……! するんじゃなぁああい!」

「あわわわわわ、な、なんでチェーンソー!? 地下牢!? 何ですこれ奥さん説明してください! っていうか助けて、ヤバいこの人、目がガン開きだ!」

「確保! 確保―!」




「……えっと、それでお友達の方は、行方が分からない、と」

「は、はい……」

「分かりました……申し訳ありません。もう少し早く到着して居れば」

「い、いえそんな」


 ……疑問なんだけど。


「今日はもう帰って頂いて大丈夫です。後日、また証言を聞きたいと思うので、その時はよろしくお願いします」

「はい……」


 なんで俺行方不明とか言われて、塀の外で待たされてるんだろうか。居ますよ? 行方不明とちゃいますよ? というか証言偽証はちょっとマズいんじゃないんですか。あの、有馬さん?


「静かにしときな。アンタの事を思っての事だよ」


 なんで行方不明にされる事が俺の為になるんだろうか。



良い子は絶対真似しちゃいけません。

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