表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の行きつけの里で神隠しをするんじゃない
37/122

牡牛がころりん。

「――グフ」


 ふふ、我ながら演技の才能が怖いわ。どうしよう、森林官やめたら、遅いかもしれないけど俳優目指してみようかな……っと、それよりも。取り敢えずサイレント気絶はさせられたし、後はそっと抜け出して何処かへまた身を隠すだけだが……。


「――」


 というか、行く場所なんて、一か所しかないよね。犯罪の証拠に関してはコレを見せればある程度信じてもらえるとは思うから、何処にあるか分からない麻痺薬を探索するよりはまぁ……ね?

 じゃまぁ、旦那様。暫くはご自身の部屋で寝ていてくださいね……っと。良し。コレで暫くはバレない、と思いたい。いや、頼むからバレないでください。


「――ガソリンはちゃんと入れなおしたし、もう大丈夫よ」

「あまり興奮しすぎないでくださいね? キックバックでお母様が肉塊になった、なんて洒落にもなりませんから……冷静に振るってください?」


 げ、もうこっちくるのか。今見つかったら全部ご破算、さっさと何処ぞへ撤退するとしよう……つっても、庭のどの隅なんだろうかねっと……。


「あら、今誰が通ったような……?」

「っ本当!? って……あそこは功也の部屋の前じゃない。あの人よ」

「あ、そういえばそうですね。でもお父様にしては、大きかったような――」


 ったく、部屋と部屋の間に廊下が通ってる形式の家で、本当に助かった。部屋から部屋にさっと抜けちまえば、上手い事バレない様に……まぁ、腰屈めて動かなきゃいけないからあんまり機敏に、とはいかないけども。


「……――」


 さて、庭の隅にある部屋、とはどんなものか……そしてそも何処に存在するのか。キッチリ探し出したい。明らかヤバい感じの部屋だ、アイツらの犯罪を立証するのに十分すぎる位の物が入っててくれるとありがたい。

 絶対に『証拠www不十分でwww無罪にしちったwwwてへぺろフヒヒ』とか許されませんわよ。全力で証拠を集めて差し上げるからな。


「――グフゥ……」


 取り敢えず四隅の確認を……けどのんびり姿丸見えでやってたらバレるし、ここは上手い事隠れられれば……あ、そうだ。庭の低木にそっと身を伏せて置けは……いけるんじゃねぇか?


「――っ!」


 スライディング……う、予想よりも低いが、まぁ地面にぺったり体を付ければ、まぁ流石に隠れられるか。流石に近くからじっくり見られればバレるけど、家から出てこない間位なら……?


「――お父様、この部屋に何しに来たんでしょうか」

「そんな事気にする時じゃないでしょ今は。それより、ちょっと、手伝って」

「はぁ、何を……ってお母様なんで床に刃を当ててエンジン回そうとしてるんですかバカじゃないんですか!? グチャグチャのミンチがご希望ですか!?」

「だ、だって持ったままエンジン回すの大変で……」


 うーん、ほっておいても自分で自滅してくれそうだけど、ちゃんと生きて捕まって欲しいので、自滅する前に早めに証拠を見つけて……なんで俺、どうにかしようかと思ってる相手に気を遣ってるんだろうか


「――グ……ゥウ……ウォ……」


 はい一歩、一歩、もうちょっと、匍匐が上手、匍匐が上手、最初の隅まで、あと、ちょっと! っと……はい、辿り着いた一つ目の角には……ありそうにありませんね。


「――……グフゥ」


 はい次。見つからないと信じて、反対の角へと突き進むべし。


「もう、お庭の低木を雑に切除するんじゃないですし……ねぇ……?」

「コレから慣れていくわよ。ってなんでお庭の方を、見て……!?」


 まぁ、低木で殆ど隠れてるし……バレやしないでしょう。落ち着いて、冷静に。そしてゆっくり進もうじゃないか。あー、それにしても、後で体洗わないとなコレ……


「――お母様。お気づきになってますか? アレ」

「えぇ……あんな植物、植えてないわよね。しかもピョコピョコと、動いてるし」


 次の角までは、もう少し……アレ? 可笑しいな、これは、なんか足音が聞こえて来てるような。というか、明らかにこっちに近づいて来てるような。


「――居たわよぉぉぉぉおおおお!」

「お父様! こっちです! こっちに居ました! お早く! お早く!」


 ……なんでバレた!? ええい、スニークタイムはお仕舞いだ! 再び唸れ俺の筋肉全力で! あと其方の旦那様は暫くは起きてこないから安心しろ!


「くっ、何処に居たのかは知らないけど、もう逃がさないわよ……!」

「さっき刺さった包丁も回収して来たわ! 覚悟しなさい家畜人間!」


 家畜人間!? そこまで行ったらまだ牛とかの方がもマシだってんだよ! 俺は飼われる前提か!? ちゃんと養えるだけの金稼いでるってんだよ!


「――ウゥ……ン?」


 ――目の前の隅、地面の一部色が違う。コレは当たりかと見ていいか? 良いんだよな! 取り敢えず、目的の場所には辿り着けた……つってもこの後ろに付いてる二人を引き剥がさないと開ける事も出来ないけども……いや。


「ふふ、そっちは隅っこよ。逃げ場なんて無いわ!」

「確かに、隅ですけど……お母様、そっちって、あの」

「美憂、追い詰めて切り倒すわよ。包丁を構えておきなさい。逃げようとしたなら逃げ道を塞いで、容赦なくね!」


 ……ふふ、あるじゃないか、目を潰すだけなら武器が。日本庭園にした事を後悔するがいい!


「――ゥオウ!」

「なっ、土を……! キャッ!?」

「お母様!?」


 グハハ、一瞬怯んだな? 悪いがその僅かな時間でも……鍵穴を見つけて!


「くっ、小癪な真似を……」

「お、お母様、やっぱり扉を!」


 入れて、扉を開ける位ならっ……あ、ちょ、まって目の前に段差がない、しまった階段と逆向きから派手に侵入うわぁああああああああだっ!? 転がってる!? いだい! もう転がり落ちている事しか分からんぞおおおおお……


普通に転落事故。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ