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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の行きつけの里で神隠しをするんじゃない
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怪物に頭から丸かじりされるかもしれない恐怖

『洋風の扉の部屋です』


 成程……洋風の扉ね。ありがとうございます、っと。送信。さて、そこの黒い手帳に何が書いてあるのか。ったく、犯罪を立証するって大変だなぁ。警察の皆様を尊敬しますわホント。税金ちゃんと払おう。


「――フゥ」


 着地。でもってえっと、洋風の扉ってのは何処にあるんだ? こっちは全部襖の和室だしなぁ……台所の方は……台所が木の扉なのは置いておいて、それ以外に洋風な……あ、あったあった。ちょっとお邪魔しまーす。


「……――ゥ?」


 まさに書斎って感じだなぁ……あ、ちょっと荒れてんな。有馬さんが探った後で、まだ誰も来てないのか、それとも俺を探すために改めて、ここを……前者であって欲しい。もし後者だったら回収されてるかもしれないし。


「――ゥウ、オォ……?」


 えっと……ん? 床に落っこちてるのは、黒い……これ手帳やんけ! 有馬さんの言ってた奴じゃん! ラッキーだ。どうやら俺を探すのに必死で、コレを回収する暇は無かったようだな。


「……」


 さて、中には何が書いて……うっげぇ、物凄い癖字だなぁおい!? いや、達筆っていうのかコレは……まぁ、ギリギリそうなんだと思いたい。まぁ、読めない事は無いし、ギリッギリだけども……


「――……ゴフゥ……?」


 えーっと……何々?


『十月四日、今日は客人が三人。この里に遊びに来た若い女子高校生の様だ。生命力に溢れ、至極楽しそうな様子だ。彼らなら十分に贄として使えるだろう』


 あーっと既に不穏、既に不穏でございます! 贄として使う、とは言ってたけど俺達だけじゃなかったと来た! うーんコワイ! というかそんなヤバい家だったのここ!? 早く脱出したい。めっちゃ帰りたい!


『日々、心身新進だ。それを心がけ、キチンと生贄を捧げていきたいと思う』


 そんな律義さ要らんのだけども。もうちょっとサボっても良かったくらいよ? 寧ろ全然サボってくれてよかったし……しかし、心身新進、か。また妙な所で見たなこの文字。この前の奴らも心身新進だったよなぁ。


『十一月十一日。少々とばかり贄の候補確保が遅れた。まぁ山奥だから、そういう事もあるだろうが……昔とは違う。山奥に訪れる人間も減った。ここに寄った人間を確実に捕まえる為の策を考える必要がある』


 この……昔とは、って辺りに闇しか感じない。昔からそういう事をしていらっしゃったかこの一族は。ええい、ちくしょう、なんて奴らだここで絶対捕まえてやる。


『十二月二十四日。日和がクリスマスプレゼントにと、麻痺薬を買ってきてくれた。贄の確保用にと。妻の気持ちがとても嬉しい。誕生日には、特別な贈り物をしなければ!』


 いやなんて物騒な家族愛でしょうね。その尖った矛先を他人に向けないでもらいたかった。ずっと仕舞っていて欲しかった。そして出来れば自首もして欲しかったかなぁ……


『一月十八日。とりあえず、作戦は思いついた。犬を連れて、町を散歩させる。そして犬を嗾け、迷惑をかけた、詫びをしたいと家に連れ込むのだ。後は買ってもらった麻痺薬を盛って……完璧な作戦だ。何回か試して、効果を実証してから実行しよう』


 と り あ え ず 試 す な。完璧な作戦だ、じゃねぇんだよぶん殴ってやろうか……しかし、そうなるとこの婆さんの畑に犬を嗾けてたってのは試運転か? って事はまだ町からは被害が…いやずっと前から被害は出てんのか。


「――ゥル!」


 此奴ら、ヤベェ。ずっと蛮族の儀式やってたんだ。ヤバい奴らだ。一族纏めて真っ黒とは、コレは絶対どうにかせんと、犠牲者は増える一方だぞ……クソッたれ、なんで森林官の俺がこんな凶悪犯の逮捕に尽力せにゃならんのか。ったくもう……本当に……


『――結局、あの場所には居なかったか』


 ――あ、やっべ。


『どうするの、見つからなかったわよ!? 逃げ出してしまったんじゃ!』

『それはない、塀から出られるなら、梯子は必要としてなかった筈だ。奴はここから出るだけの能力を持っていない。兎に角、この和服で探すのは少し大変だ、動きやすい格好に取り換えてくるから、少し待っていてくれ』


 ど、どうしよう。服を着替えるのに間違いなくここ入ってくるじゃんかよ……! ええい、どうする……いよいよ傷害の罪で訴えられるの覚悟で殴り飛ばすしかないか……!?


『気を付けてね? 中にあの牛が居たら危ないわよ』

『出来れば気絶する前に叫ぶとするよ。そっちも気を付けて』


 ……成程。そういや奴らは俺を怖がっていたな。まぁ、普段なら不満爆発のあんまりな態度なんだけども。今回ばかりは……ラッキーだ! っと、そうと決まれば。ちょっと扉の影にでも……ここでいいかな。


「――本当に居たら洒落にもならないなぁ。今日の日記には悪い事しか書けないかもしれん」


 いらっしゃーい……隙だらけですよ? 両手、失礼しますねー。はーい口も塞いじゃいましょうね。


「っ!? なんむっ……」


 やぁ。目が合ったね……今日は特別だ。サイレントにお相手をして差し上げよう。怪物の様に歯をむき出して、ニッコリとしてあげようじゃないか。ゾッとしろ、なぁ……オラお前の脳味噌啜って喰らうぞゴラァ!


「んー……っ!?」


 じゃあ、いっただっきまーす……なんちゃって。まぁ、齧る真似だけどね。やるのは。だって俺草食だし。肉は食えない。ましてや人肉なんて。オエッ。


「っ……っ……――」


 良し、気絶したな。ったく、手古摺らせてくれちゃってまぁ……というか、食うような真似しただけで一発で失神するとか……もしかしたら、演技の才能合ったりするのかな。俺。

気絶もするわ。

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