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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の行きつけの里で神隠しをするんじゃない
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ご先祖が引きこもりとかいう批判

 功也……だったか、あのオッサン。何が何でもここから出さない積りとは分かったが。どうして俺達を閉じ込めようとするのか。それは分からんな。


「ご、牛頭さん……どうしましょう、入口塞がれましたし、塀を登って……る間にバレますね多分ですけど……それで見つかったら……うぅ……」


 ウーン、そうなると絶対悲惨な目に合うのは、まぁ、分かり切ってるというか。最終的に全員殴り飛ばして解決すれば良いんだけれども。なんていうか、そうすると間違いなくお縄になった挙句豚箱直行まであり得るからな。


「捕まったら……だとすれば、その……どうすれば……」


 兎に角、先ずはご主人がご自分でリークされていた田中のお婆ちゃんを探すのが先決かな。とりあえず、何かいい考えが浮かぶ訳でも無いし、何もせずに動くよりは、目標を一つでも持って動こう。


「え、どこ行くんですか……? あ、あの、牛頭さん」


 田中のお婆ちゃんを探すのは、一応元々の目的ではありますのでね……目的に沿って動いているとは言えるから。現実逃避しつつ、冷静に考えるのには丁度いい、気がする。


「……とりあえずついてこう」




「それにしても……結構お部屋、ありますね。外からは分かりませんでした」


 うん、案外広い。この中から、どうやって田中のお婆ちゃんを発見して、回収し脱出するか。そもそもなんで掴まったかも分からないし……ああそうだ。此奴らが何しようとしているのかも、調べておいた方が良いのかも。


「……あ、牛頭さん。誰か来ますよ」


 お、マジか! ヤバいヤバい急いで隠れないと! え、えっと……良し、有馬さんは木の上に! 俺は木の影……木が狭い! 仕方ない、地面にピッタリと伏せるしかないか!


「――あの量は、その……やり過ぎなのでは?」

「ケチったところで失敗するだけですよお母様」


 この声は。確か日和と……あの娘さんか。


「あの巨漢相手ですよ? あれに丁度聞く量はアレくらいだと思いますわ」


 おう俺相手には特別多く盛ってたのか、成程、味も変わるってもんだよこん畜生が。でこの声はあの娘の方か。あんだけ『持て成したい!』的なオーラ出しておいてお前かい持った張本人。絶対許さんぞこのあん畜生!


「兎に角、アレ等二人も合わせれば、ノルマ分は丁度足りるかと」

「あの牛……っぽい人が二人分くらいは、担ってくれるとは思うので。多分」


 何の二人分を担うってんだお前。


「でも、万が一にでも、逃げ出させないように色々やってるから大丈夫じゃない?」

「あの巨漢ですよ? 最悪塀を粉砕して外に逃げ出すとか軽くやってのけますよ。そのまま里に下りて村人全員血祭りにあげるとか……えぇ」

「……容易に想像できるわね」


 想像すんなそんなクソふざけた光景。なんで俺がここの塀を破壊して里へ突撃して全員磨り潰すみたいな事を。俺は平和主義者だぞ。拳を振るうのは好きじゃないんだ。とはいえ手段として振るうのに一切の戸惑いは無いが。でも好んで振るったりしないわ。


「兎に角、容易に人里を亡ぼせる怪物をも贄に出来れば……我が家も安泰では?」

「いえそうとは決まってないと思うけれど……まぁ、否定はし難いけど。物凄いなんか暴虐振るってそうよね。あと、引きこもりな気がするわ」


 お前らマジでいい加減にしろよ。幾らこっちが温厚な草食動物って言ったって限度があるぞこの娘どもが。それ、それはご先祖様の悪口か? お? 戦争か? 迷宮に閉じ込めて喰らうぞゴラ。


「(は、鼻息が荒くっ?! 落ち着いて! 牛頭さん! あー駄目ですって! 落ち着いて! ヒートアップは駄目ですって!)」


 良いぜ、貴様らが望むのであれば。この牛頭、己が内に眠る怒りを滾らせ、この家を破壊しつくす事も躊躇わぬ。一切の容赦なく、この屋敷を砕き、バラバラにし、住めぬようにしてやろうか。


「(さ、さ! 行きましょう! 何処かは分かりませんけど、行きたい所があったんですよね、ねねね!)」


 ……それはまぁ確かに。田中の婆ちゃんを探さないといけないし。ここで怒ってバレてもこっそり出てきた意味が無い。何れバレるにせよ、出来るだけ後の方が良いだろう。


「――薬は即効性よね?」

「えぇ、ですがあの巨漢の方はあの量で効くか分かりません……万が一効いて無かった時は、娘を担いで助けを……求める、と、思うので……そこで改めて何かしらを。故に、まだ見に行くには早いかと。もう少しして、動きが無ければ……」


 残念! もう見抜いているんだ! また挑戦してね! という事でそろそろ動いてくれると助かります。


「――な、なんだ!? こ、鯉が!」


 っ!?


「(ご、牛頭さんそういえば池の鯉!)」


 うん。実験台に使ったはいいけど、ほったらかしだったね。うーんこれは早々にバレるかもしれんね。良し、急ごうか。バレたら間違いなくかくれんぼが始まる。いや今もかくれんぼやってるけどもさ。


「あなた!?」

「お父様! もう少しお待ちください、直ぐに参ります!」


 さーて、失礼いたしますねお嬢様方っと。さて、俺達はさっき居た方向とは逆の方にずんずん進んでいる訳だが。何かしら見つかる事を祈って……っと。


「……贄、とか言ってましたよね」


 言ってましたねぇ。何に対する生贄かも分からんし、文字通りの意味かも分からんけども。詳しい意味が知りたいところだ……興味とかじゃなくて。


「わ、私一体どうなっちゃうんでしょうか……!?」


 大丈夫、きっと無事に帰すから……うん。絶対に……?


「? どうしたんですか?」


 しっ……聞こえたぞ。これは間違いない、呻き声だ。間違いなくどっから聞こえた、良く聞けよ……屋敷の方じゃないな。向こうにあるのは……ピッと指さし確認。


「蔵、ですかアレって」


 人を閉じ込めるのに定番スポットですね。


酷過ぎるものに見えて案外そこまででも無い気もする。

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