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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺の行きつけの里で神隠しをするんじゃない
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どっから野菜を仕入れているかのアンサー

「……街っていうより、里?」


 まぁ、山間だしなぁ。そっちの方が正しい表現なのは間違いないとは思う。とはいえ野菜の直売所があったりとか、距離とかの関係で、下の町よりこっちを利用する事が多い。


「というか、どうして里に下りて来たんだろう……って、普通に考えれば買い物かな」


 どうでもいいけど、里に下りて来たって野生動物みたいな表現ね。まぁ、俺の見た目はキュートと野性が融合した見た目なのは確かだけど……ああいや、そんなのはどうでも良い。


「ってそうじゃなくて、今のところ人は居ないから良いけど……!」


 降ろして歩いてるから大丈夫でしょ。さぁさ、行くぞ。目的地は野菜の直売所だ。


「あ、ちょ、牛頭さん! ちょっと待って」


 待てない待てない。結構ここから家に戻るのはお時間がかかるのよ。手早くやって、帰路に着くに越したことはない。えっと……ったく、あそこ品ぞろえはいいけど、場所がなぁ。まぁ昔から受け継いできた家らしいから仕方ないけど。


「……あれ? コンビニ、こっちじゃないですけど」


 コンビニはまた後で。お肉とかは配送で何とかなるから、買う必要があるのは調味類の類と、パンとか米だけだし。大量に買うのは普段から食べる野菜の方だ。


「首を横に……行かないんだ……こっちにお店でもあるのかな」


 あるんだなぁ。オイラの行きつけのお店が。


「……人気が無い方に来ましたね」

「――、――!」

「え、向こうですか? ……わ、凄い大きなお家が。アレですか?」


 そうそう。あれ。今日の品ぞろえは最高潮だと良いなぁ。そもそも開いてるかも微妙な所だけれど。気分屋だからなぁ。あの婆さん。


「でも、アレお店って感じは……しませんけれど……」

「――そりゃあ店じゃないからね。店紛いの事はしてるけれども」

「ぴえっ!?」


 っと、噂をすればか。


「――ォォ!」

「ったく、またアンタかい……アンタが愛用する所為で、辞めらんないんだがね」


 いやぁすまんね。ここの野菜が特別に美味いから、癖になっちゃってる。


「で、いい加減人の言葉は覚えたのかいアンタ……ああいや、ダメそうだね」


 いやぁ、そう言われましても。日本で通じる言葉を覚えろってったって。日本は話し言葉の方が厳しいんだ。書き言葉だけ覚えた方が楽なんだよ婆ちゃん。


「明後日の方向見て……関係の無い事を考えてるね。ったく、孫が話を誤魔化そうとした時にそっくりだよ!」


 それにこうやって察しの良い人だっているし! 目と目で通じ合うっていう言葉もあるし! 要らないでしょう誤解を生む言葉なんて!(暴論)


「で、また買い込みに来たのかい。ったく、野菜のストックが幾らあっても足りない」

「あ、あの……その、お婆さん……」

「で、そっちの嬢ちゃんは何だい? アンタ、どっからか攫って来たのかいこの牛鬼」


 誰が攫うか。寧ろなぜこの子を預かっているのか、今でも若干不思議なんだよ。迷惑じゃないし、最近はスマホのソーシャルゲームなんか一緒に初めて、楽しいんだけどさ。


「ご、牛頭さん……えっと、結局此方の人は」

「――」


 あー、そういや全く説明も何もしてなかったっけか。説明したいのは山々なんだが……口に出しての語る事が出来ぬこの歯痒さよ。


「アタシは田中。そこの家の家主だよ。ここらで農家をやっててね。ソイツに偶に野菜を売ってる」

「あ、はい、そうなんですか……」


 あ、すみません婆ちゃん、お手間おかけして……


「で、アンタは目を逸らさない辺り、疚しい事は無いね。親戚……な訳ないか。人種どころか種族が違う。そもそも、こんなマッチョからこんな可愛い子が生まれる訳も無いね」


 おう婆ちゃん感謝の気持ちが吹っ飛ぶくらいにはあまりにも失礼と違うか。俺はミノス島一のキュート系だと何度言えばわかるというのか。いや、人の言葉で説明は出来ないからこうやって悲しい誤解が生まれてる訳だし。


「鼻息荒くしても怖くないよ。文句言うなら口でいいな」

「あの……! お、お婆さん」

「なんだい? そこの牛男についてなら知り合いだよ。ちょっと前からのね」


 ちょっとって言うか、ここに赴任して暫くだから結構、だけども。


「そ、そうなんですか……え、あ、あの……」

「……ふん。おい牛頭、この子気分が悪いって言ってるから、少し休ませるよ。籠を見張ってな。アンタのお求めの野菜はそこに入ってるからね」


 おぉ! ホントか! どらどら、今日のラインナップを確認しておかないと……


「(あ、あの……えっと、そのですね……平気、なんですね)」

「(彼奴が怖くないのかって? 中身は若造みたいなもんだからね。話も通じない野菜泥棒よりはまだマシってもんだよ)」

「(そ、そうなんですか……)」


 おぉ、このキュウリの瑞々しい事……それにトマト! キャベツも……夏野菜ってやつかな? レタスもあるじゃないの。こりゃあ、今日も野菜に困るこたないなぁ。


「(最初、会った時とか……)」

「(そりゃあヤバいと思ったら叫んで知らせてるけどね。此奴最初にここに来た時、キチンとノックした上に、思いっきり玄関に頭ぶつけてたんだ。警戒するだけ馬鹿らしいと思わないかい?)」

「(……そ、それは確かに……)」


 ちょっと予算は多めに確保してたけど、その余剰分全部つぎ込む事になりそうだな。コレは。素晴らしい艶の野菜ばかりだ……


「――ホラそこの牛! この子の調子は良くなったから、家に来な。どうせその野菜も根こそぎ持ってくんだろ? 全く、もうちょっと容赦ってもんをして欲しいよ」


 根こそぎ、なんて……幾らなんでも大げさではないだろうか。迷惑にならない分だけはキッチリお買い上げさせていただきますけれど。


「ったく、キラッキラした目で野菜を見て。容赦するつもりが無いのが丸わかりだよ」


 いやいやはっはっはっ、それに関してはまた後程……あ、有馬さん大丈夫だった? 熱とか無い?


「あ、あの。そんな手を当てなくても。お熱ないですから、大丈夫です」


 そうかい? 慣れない山の環境とかで疲れてたりしないかね。あれかな、人をダメにするクッションとか買っておいた方が良いのかな。


そりゃあスーパーでコレが買い物してたら悲惨な事になりますよ。

コンビニ? コンビニは案外個人に対する認識が緩いから……

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