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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺が管理する山でデスゲームをするんじゃない
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あくまで一般人です。本当に。

「……お、おっきいなぁ……凄い筋肉……着ぐるみだったりしないよね」


 さぁて、取り敢えず一人は確保できた。あそこ迄散り散りになってしまうともうどうしようもない。取り敢えず山岳警備隊に連絡を取る事と……あのすいませんくすぐったいです。ごめんなさい、ちょっとやめてね?


「あっ! ご、ごめんなさい! くすぐったかったですよね!? すいませんつい!」

「――!」


 当たり前だ。というか何で歯を触った。親から他人の歯を触って良いと教わったのかこの子は……ったくモウ。好奇心旺盛にしても過ぎるのはあんまり良くないと思う牛頭さんである……っと、一応メールで連絡をと。


「ミノタウロスがスマホ……スマホ……最新型!? しかもちっちゃい。あ、いやこの人が……人じゃないけど。大きいからそう見えてるだけか」


 山の中に何人かが……危険ですので、其方にも保護をお願いしたく思いまして……すいません何時もご迷惑かけまして、お願いします、と。あ、件名忘れてた。


「う、打ちにくそうだな……というか、この山圏外じゃないんだ……あ、スマホの電波、ちゃんと入ってる。こんな所まで電波来るんだ」


 態々ここまで届く様に工事してもらったし。まあこの辺、というか山小屋近くだけだけど。さて。連絡も出来たし……さっさと行こうか。まだ暗くない内に。


「え、わわっ。あ、あのどうしたんですか急に、引っ張って何処へ?」


 下山だよ下山。君だけでも確保したんだから下山させないといけない。他は山岳警備隊の皆様に任せるしかない。いや、この子を無事降ろしたら俺も探索はするけどさ。


「……え、向こうの方指さして……町が……そ、そっか。一緒に下りてくれるんだ。この人のインパクト強すぎで、全然下りる事を忘れちゃってた。良かった、帰れるんだ……!」


 ってぬぅわぁ!? 何故泣く!? いや、無事に下りられるならそりゃあ安心感で泣きもするか! あ、あわわわわわわ。どうしようこんな時JKを泣き止ませるようなやり方なんて知らんぞ!?

 



「ご、ごめんなさい、安心したら、その……沢山、出ちゃって……えっと」


 取り敢えず抱えて歩いてたらいつの間にか泣き止んでくれたけど……その間、おいらの登山用の上着はもうびっしょびしょだよ。防水仕様のジャケットじゃなけりゃお陀仏だったね。


「……さっきから、言葉が普通に通じてる。日本語、分かるんだ」


 そりゃ日本に来てますし、日本語もガッツリ勉強いたしましたよ。


「え、えっと、その……牛頭さん? あ、あの、一体どれくらいで、この山……あ、でも私この人の言葉……うぅ、どうしよう」


 ん? 言葉……あぁ、そういやそれもあるな。俺が分かるから他の人も分かると思ってたけど外国人といきなりコミュニケーション取れって言っても普通無理だよな。スマホで文を……いや、スマホの画面めっちゃカスタムしてるから、趣味バレるの恥ずかしいし……良し。


「え? は、はい。なんでしょうか」


 肩トントンってしたけど、華奢だなぁこの子。壊しそうで怖いよ。っと、そうだ本題。


「……え? 指で丸……ゼロ? で、指四本……えっと……? あ、もしかして、どれくらいで降りれるか、って事ですか?」


 お、良かった。通じた通じた。出来るだけわかりやすいようにやらんと。やっぱり外国人との会話の入り口はジェスチャーだね。うんうん。


「あ、頷いてくれた。幾らなんでも五分な訳ないし、四時間って事だよね。やっぱり結構かかるんだ……」


 まぁ、結構中腹だしね。ここ。でもちゃんと焦らず、丁寧に最短ルートを通れば流石に夕方までには着くでしょ、正午前だし。朝起きた直後に発見できたのが大きかったね。


「……あ、あの。すいません。抱えて貰って、も、もう大丈夫ですから、降りますよ……あれっ? 降ろしてくれない? え、なんでサムズアップ……あの、それってこのままで行ける、って事ですか?」

「ニッ」

「わぁ、綺麗な歯並び。じゃなくて! お、重くないんですか?」


 なんの。まるで羽の様ですよお嬢さん。この私の筋肉の前ではね。


「えっと、平気、って事かな。凄い筋肉強調してるし、ずっと笑顔って事は……えっと、じゃあ、そのえっと、すいません。お願いします」


 うむ。心得た。時間も無いし、ちょっと荒っぽくなっちゃうかもしれないけど……?


「……?」

「ど、どうしたんですか?」


 今、なんか聞こえたような……悲鳴、っていうか、叫び声っていうか。


 ――……ぁぁあああああっ……!


「えっ、な、なにっ!? こえ!?」


 もしかして、さっきバラバラになった人たちか!? 良かった、幸運に恵まれたぞ!


「――!」

「あれなんかスゴイ勢いで景色があああああああああ!?」


 マズイ。万が一熊だったりしたら、一般人じゃ対処できない。ちゃんと対応を理解さえしてれば、逃げる事は問題ないが、下手に刺激してたら……下手すると死人が出るぞ!




 み、見つけたぞ! 人が一人と……結構デカい、ありゃあ……熊かな?


「ゴゲェッ!?」


 つー訳で熊に対する最適な対処、出会いがしらタックル! 最初のアタリは強く! ビビらず獣は最初の一発で立場を分からせるか、怯えさせて退かせるのが一番! 


「す、すごい。見た目そのままなパワーだ……」

「……ば、化け物がもう一体……! ぎゃあぁぁぁあああああっ!?」


 あちょ、おい待てコラァ!? 逃げんな! 大人しく保護されてくれ! と言うか待て誰がバケモンじゃゴルルァアアアアア!?


「――! ――!」

「す、すっごい鼻息が荒い、怒ってる……でもあの反応は……うーん、どっちが正しいんだろう」


 あ、あの男。マジで保護された時覚えてろ……全力で文句言ってやる。全く、このチャーミングな角が目に入らないのか。こちとらミノス島じゃ一番の可愛い系で通ってたのを、化け物呼ばわりとは!


「……でも、もう一体……どういう……? ぃっ!?」


 まぁでも節穴なのも仕方ないか。クマを化け物と見間違える位だ……し……


「……じゅぅる、しゅるるるう……ぶしゅう」


 ……熊じゃなかった?! めっちゃバカでかいゾンビっぽい奴だった!? ん、ちょっと待てよ? 俺もしかしてアレと一緒くたにされたの?


「……――!!!」

「ば、化け物が……ってこっちも凄い怒ってる!?」


 当然じゃい!


主人公と一般人の差で、こんなにも意識の差があるなんて……まぁ当然ですけど。

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