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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
105/122

終わりの事件がこれだよ……!

『゛やっだぜ……づが゛ま゛えだぞ』


 捕らえた訳ではない。文字通り掴まえただけである。頑張って片手で片足を抑えて錘になって居るだけである。散らばって逃げた奴、これで何とか四体目、体力なんざ残ってる訳ない。死んでいる。


『おーナイスダイブ。そのままねー……オラッ! 動くな! 警察じゃないけどアンタを確保する者だよ!』


 まぁ、結局の所。足元の事とか考えず、ほぼ斜面塗れの森に突っ込んだところで、慣れても居ないそんな自由自在に逃げて距離を離せる訳もなく。疲労困憊、ずったぼろの俺でもまぁ、全力出せば追いすがれる、捕まえられる。その代わり死にかけてるが。


『っし、コレで……タウロスが追っかけてった奴を併せれば……』

「――ォッギャアアアアア!?(ドゴォ!) カッ……ボゥ……」


 ……なんか、上から降ってきたんですけど。酷い音もしたし。というか、隣に兄貴が転がってきたんだけどどうしたの~? というか生きてる兄貴。ご無事?


『……きの、うえに、のぼって、た。がんばって、とらえた、けど』

『ナイスガッツ。その調子でまだ行けるね。頑張りなさいよ』

『あい』


 マジかよ、木登りして迄捕まえに言ってたのかよお兄ちゃん。ふ、流石我が兄と言った所か……その反動でビクビク跳ねて……待ってダメージではねてるって冷静に考えてどういう事なんだろう。


『とは言ったけど……もう立つものも立てないかもしれないねぇ、コレは』

『は、はは……まだ、まだ行けるぜ……兄貴は休ませてやって欲しいけど』

『俺はまだまだ全然余裕だよ。ハチは、なんだろう、ちょっと、余裕はないから置いて行ってあげた方が良いんじゃないかと思うけど』


 まな板の上の鯉の如くビッチビッチ跳ねてる兄貴が良く言うじゃねぇか……ハハハ。


『どっちもグロッキーだよ。ったく……お手伝いありがとうね。残りは私がやるよ』

『おいお袋……俺が……ついて行くよ』

『大丈夫さ……まだ、生きている』

『おだまり。アンタ等ゾンビ以上にリビングデッド状態だよ。流石に自重しな』


 生きてるなら死んでないからゾンビは無いだろう母上。俺達はまだ行けるぜ。這ってでもついてこいと言ったのは、貴方ではないか……!


『生きながらに死んでる、っていうのは心の問題だけで起きるもんじゃないよ』

『むぎゅ……』


 あ、あにきー……ダメだ、兄貴がいよいよもって穏やかに制圧された。畜生、俺はマザープレスに屈したりしねぇぞー……抵抗するぞー。


『パーティが残ってるんだ。まぁ、ゆっくり寝てな。起きてる頃には回復……どうだろうねこの時間は。間に合うかね』

『……スッゲェ暗くなってるな、いつの間にか。夕方後半くらいじゃないか』


 有馬さん大分暇してんじゃないかな。ホント、パパっと解決して帰るつもりだったってのに、結構苦戦しちゃって……あー、携帯で連絡とった方が良いのかな。

『というか、携帯は無事なのか……まぁ無事な訳がないかそりゃあ』


 ヒビ塗れや……というか若干陥没してるよ、めっちゃ兄貴と殴り合いしてたし。あーもう買い直さないといけないじゃねぇか。兄貴も手加減しろよなぁ本当にさぁ。


『あー……あのゾンビ野郎、この怒りも込めて、絶対に捕まえて……』

『そうする前にアンタも寝ときな。起きたら終わってるから』


 むぎゅう……あぁ、なんだろう、優しく抑えつけられて……力が抜けていく……そういうのであればお任せしてしまっても良いかな、お母様……


『っし、じゃあ仕方ないか……後は頑張ろうじゃない……』


 ――いっやぁああああああああ!?


『……なんだい今の悲鳴!?』


 ……今の、声は……聞き間違えじゃなければ……いや、聞き間違えるか、俺が……!


『――わりぃお袋、任せてられなくなったわ。ちょっと、もう一つ気合入れる』

『はぁ? なんだい急に』

『今の声……有馬さんだよっ! ウォオオオリァアアアア!』

『有馬って……あっ! ちょっと!』


 兄貴じゃねぇか、あの子の危機とあればちょっとやる気が倍になる。任された子に怖い思いをさせるのは論外ってもんだ。もうちょっと粘れるだろう? オラ走れ! 体に鋼鉄のワイヤーをぶつけるんだよ! 鞭の代わりに!


『しかし、あのヤロウ……なんて事だ。有馬さんの所に直行するなんざ』


 偶然だろうけど、そう考えると速攻で急所を射抜くとは相当幸運な野郎だな。幸運っていうのは何よりも凶悪な才能だ。そんな奴がいるなら真っ先に叩いておくべきだったか。


『問題は、有馬さんが無事かどうかだが』


 捕まってないのが一番だと思うけど……人生そう上手く行くかは微妙だ。だが、アレに有馬さんが捕まっているとなると……危ない。重症になるかもしれない。


『とはいえそう離れてはいない、直ぐに……』

「やっ! やめてっ! お願いやめてぇ!」


 っ、聞こえた! チクショウ、もしかしたら……いや、考えるな。必ず無事に救出する事だけを考えろ! 悪い想像すればその分、その可能性が……!


『……待てよ』


 母上の猛攻にビビってるんだよな。もしかしたら……俺のボイスでもビビらせられるかもしれない? もし、そうなら……一瞬でも、時間が稼げれば! やる価値はあるか!


『っし……思いっきり、だな』


 派手に。もう肺が壊れる位にド派手に咆哮を! 戦の前に敵を怯えさせるが如くだ!


『っスゥゥゥ……オオオオァアアアアアアアアア!?』

「「ギャピィッ!?」」


 おっ! 悲鳴が聞こえましてよ。今完全にビビり散らしたな、そして位置も特定できたけど……ちょっと待ってその位置は、オイまさか!


『オイゴラァ! お前、ちょっと何をやって……!?』

「ォ?」

「ご、ごじゅさぁん……」


 ――ほう、成程。悲鳴の理由は攫われたわけではなく……デカい変態に湯浴みを覗かれてしまったが故か。成程有馬さん。後は任せろ。ちょっとお許しは、ね?

シリアスになると思ったら……最後が覗きだよ!

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