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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
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恐怖で統治し、支配する。

 母は強し、とは日本のコトワザでごぜぇます。


『それにしても強すぎやしないかなぁ……兄貴―そろそろ代わってくれー振り回されるの飽きたーっていうかそろそろ頭に血が上ってきそうだー』

『僕はさっき散々武器にさせられたじゃないかー、諦めてくれー』


 あー地球がまーわーっていーる……マジで、腹の中の野菜スムージーがマーライオン思想だから、ちょっと、ちょっと……


『母さん、ちょっと、もう、むり……兄貴と、こうたい……』

『え、待ってハチ、僕も余裕、ないんだけど……それでも』

『もう俺はナイアガラの滝を生み出す寸前だ……間に合わなくなっても知らんぞ』

『全く、唯回ってるだけなのに情けない。若い頃のアタシなんて、ポールダンスで八千回転しても目が回るなんて無かったってのにさぁ』


 いやそれは母上が強すぎるだけなのです……我々はそんな事した日にゃあ最悪バターになるんですよ。茶色い色の。バターじゃなくてチョコクリームかもしれない。


『しょうがないね、そぉい!』

『あーれー……』


 着弾! 着地に非ず。あ、兄貴が連れてかれてった……キッチリ頑張って来いよ。


『所で、母さん、なんで僕らを、武器代わりに、振り回して、いるのさ……』

『アンタ達も休んでるばかりじゃ勿体ないと思ってね。休んだまんま出来そうなことを探しただけだよ。ちょっとデカいけど、振り心地は中々だよアンタ達!』

『褒めて貰ってるのかなコレ……あー天地が逆転するゥ……』


 はい。先ほどゾンビを振り回して癖になったのか、今度は俺達を武器にし始めました母上様。ちょっと、あの、もうちょっと労わるという事をして貰いたいんですが。あ、またなんかまたぞろ兄貴がぶつけられましたね。


『良い感じのこん棒ぐらいにしか考えてないよね母上様』

『こん棒っていうより、鎖付き鉄球だね! グニャングニャンうねるし!』


 いやーRPGでは全体攻撃が便利だから使ったよ! じゃないんだわ。それは現実でやるもんじゃないんだよ母上様。もうちょっと現実的な行動を取って欲しいのよ。


「ッ! ッ!? ッォオオオオ!?」

「ォキャッ! ヒィイイイイ! アキャアアアアアアッ!?」

『逃げるんじゃないよ! その尻を、しっかり、シバイて、その、なんかしてやるからね! 折角だから! 楽しんでいきなさい!』


 兄貴と俺は全く楽しめませんけど、血の巡りとか暴走してらっしゃいますし。寧ろ怒りとか哀しみとかそういう単純な感情はもう超越してんのよ。ただ一つ、唯一つだけ『複雑怪奇』という言葉が頭を過るのよ。


『――さて、そろそろ怯え切ったかね』

『……ううん?』


 なんか聞こえたような。


『流石にこんなタフネス馬鹿五匹も真面に相手する訳ないだろう。先ずは相手の本能的に、コレは勝てない、とか思わせないといけないからねぇ』

『ええっと、つまりはどういう事? 母さん』

『ま、漸く及び腰になってきたし……本番ってこったよ!』


 あ、あぁっ!? 兄貴が放り投げられてしまった! いや投げられた、というかそっと転がした感じか。流石にその辺り気を遣って……いや気の使い方が致命的に違う気がするけど。


『あぁぁぁ……転がる転がる……眼が回る……』

『お疲れ……まぁでも、そうなった甲斐? は、あったと思うぞ俺は……そら、見ろよ』

『えぇ……? うわぁ、何あれ』


 完全にビビりあがってるゾンビを蹴散らした母上の図。一直線でロープで遊ぶために離れた一匹に向かっていってるよ。成程なぁ。


『まとわりついて来る、奴が、邪魔だったから……先ずは他を威嚇して、マトモに反抗出来なくしたって事らしいな。成程、考え無しの大暴れじゃなかったって訳だ』

『それで突撃できるようになったから、ロープの回収に、って事かな』


 普通に回収しようとすると他の奴がまとわりつくから、完全に「この人には勝てない」と思わせてから動くと、成程……母親には絶対にかなわいと分からせるとか成程実質子供の教育みたいなもんだな。っと、遊んでる奴掴まった。


『ほら、何時までも遊んでるんじゃない! そらっ! お母さんに返しな!』

「ッ!? ォォッ!? ヌォオオオオッ!」


 スゲェなあの暴れっぷり。正に駄々こねてる子供そのもの……昔は俺もあんなんだったっけか。極め上げた泥団子を『兵器を作ってるんじゃないよ!』とか言われて普通に取り上げられて……あれどうなったっけ。母さんがどっかに投げて……


『アレ、結局どうなったんだっけ』

『何言ってんのさ。そんな事よりロープ、取り返せそうだよ』


 まぁ力比べで母上には敵わないだろうしなぁ。とはいえ……ちゃんと取り返してくれたか。ありがたい。


『さて、漸く取り返したね。じゃあ先ず悪戯した悪い子のアンタから……縛り上げてやろうか! オラァアアア!』


 あぁっ! 母上がゾンビ君に跨って!? エゲツの無いマウント取り! あまりにも酷い! センシティブ! センシティブですよお兄さん!


『まるで雌ゴリラの暴行現場だね……』

『兄貴、そんな身も蓋も無い事言わんといて』


 暴れすぎだとは思うけど、だからと言って、雌ゴリラはちょっと……大声が確かにすごい野生的ではあるんだけど。ゴリラって……それは、流石に。ちょっと。


『あまりにも的確過ぎると申しますか……』

『聞こえてるよ! ええい、漸くロープを取り返したんだから称えな! この、動くんじゃ……っし! 腕貰った! オラッ! 次は足だよ! 諦めなっ! 屈しろ! 屈服するんだよ!』

「ギャアォ! グギャアアアア!」


 おお、大変暑苦しい事で。雌ゴリラの評価は案外間違って居ないのかもしれない……ん?


「ヒ、ヒィイイイイイ!?」

「ギャアオオオオオオ!」


 あっ


『か、母さん! 逃げちゃった! 残りが逃げ出しちゃったよ! ちょ、追いかけて! 追いかけてっ!』

『えぇっ!?』


 び、ビビり散らし過ぎて逃げたのかコレは。ってマズいぞ、山の中に散ったら探すのに苦労する事に……ええい、寝てる、場合じゃねぇか! 下手すると……家の有馬さんも危ない!


『お袋……追うぞっ!』


 ぐ、体が重い……立つのもちょいとしんどいな。


『いい、アンタは寝てな。無理するんじゃないよ!』

『今更気遣っても遅すぎなんだよ! 酷使しろってんだ!』


尚政治とかではなく、喧嘩の模様。

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