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魔導蟲~始まりの物語~  作者: 七味とうがらし
3/10

魔法使いの作り方

 私は錬金術師のモロー、魔法使いを量産することを目的とした研究をしている者だ、 昨日ホムンクルス型魔法使いの制作実験途中で予想外の結果に見舞われた、それは異世界人の魂が私の実験体に定着してしまったと言う事だ、この先制御し続けられるのだろうか? 機嫌を損ねないよう上手くコントロールしていかないと暴走した時私は破滅する事になるだろう、この全ての研究を完成させた時、この世界のヒューマンは次のステージに行くことが出来ると信じている、私は【邪道のモロー狂錬金術師】と呼ばれた男だ。 


とある錬金術師の手記より抜粋


================================ 



「お~いおっさん、もうやるのかい?」 実験体が問うて来た


 「そろそろ始めようかいの~ちょっと倉庫に行ってくるからそこで待っていてくれ」


 そういって地下の倉庫に降りていく、防音壁の扉をしっかり閉めてから倉庫の作業場に到着、2時間ほど前から拷問を続けていた魔法使いの男の胸部をえぐり取る、その血肉を顕微鏡で観察する、その中には寄生虫である魔導蟲の卵が有ることを確認、 魔導蟲の繁殖方法は研究済みだ、魔導蟲保持者を魔導蟲の産卵条件に見合う形にすれば良いのだ。


 その条件とは子供が生まれる前に陣痛により激しい痛みが長時間続く、その刺激を魔導蟲が感知し、2時間ほどかけて乳腺に卵を産み付ける、この作業は男女関係なく強烈な痛みと言う刺激により促されて魔導蟲は産卵の開始時期を知る事になるのだ、 その条件を作り出す実験により私はもう後戻りのできない所まで来てしまった、その作業とは所謂拷問である、女の魔法使いは普通に授乳すれば最低でも一人は魔法使いが誕生する、しかし男が生まれた場合そこで魔導蟲の卵の授乳による産卵行為が破綻してしまうのだ、男は乳が出ないし陣痛と言う産卵の開始時期を感知出来ないからである、


 「さて準備も出来たので作業に取り掛かりますか、すぐに終わるから天井のシミでも数えていてください」 


 モローのおっさんがなんだかわけわからない事を言った後


 「あ~ステータス画面を開いて痛覚レベルを最低にセットしなおしてもらえますか?」


この体そんな事も出来るのかと思いながら半信半疑でステータスと心の中で叫ぶ、ステータス画面が現れたので【痛覚レベルダウン】と唱える、《何だかオラわくわくしてきたぞ》某漫画の主人公の言葉が思い出された


 「はい~心臓の上あばら骨まで切開しますからね~ちくっとする位だから頑張ってね~」


 っておい!あばら骨近くまで切開してちくっとするはねーだろ!と思ったが、本当にちくっとする痛みを感じるだけだったよ、


 「無事終了だ結果は半年後 ちゃんと魔導蟲が定着すると夢を見ますから」


 何だか訳判らない事言ってたな、半年後までは結果が分からないのか、それまで観光旅行でもやってくるかな、


 「モロー結果が出るまでこの世界を見てきてもいいかな?」 反対されるのは覚悟のうえで聞いてみた

 

 「ああ良いよ 多分好奇心旺盛なお前さんの事だからそう言うと思ってお目付け役件魔法の師匠を見繕っておいたよ」


おお~なんて親切&気の付くおっさんなんだ、


 《勝手に動かれて反乱を起こしたら計画がすべて終わってしまう、ならばガス抜きの意味も含めて自由にさせるべきであろうな、ひも付きでな》と心のなかでモローは計算していた、


 モローが呼び鈴を鳴らすとやって来たのは この屋敷の使用人である娘だった、一回屋敷の中で掃除をしている所を見かけただけの猫獣人である、


「ではお供に猫獣人のミケーネを付けよう、この娘は魔法もさることながら剣術もなかなかの者、冒険者登録もしてありランクはBクラスとして稼いでこの集落を支えているうちの一人だ」


そう言ってモローは紹介するとミケーネはあまり感情を出さずに「宜しくお願いします」と挨拶をしてきた、

 

 年の頃なら17才~18才位かな ヘアスタイルはボブカットで髪の色は白が基調で黒と茶色の模様が入っている そしてネコ耳と長い尻尾が綺麗でクールな感じの三毛猫獣人さんだった、


 「俺はホムンクルスの朝比奈潤一だ呼び難いだろうからジュンとでも呼んでくれ、魔導蟲が定着するまでの半年ほどの間だが宜しく頼む」 


 そう言って握手を求めようと右手を差し出すがナニソレ的な顔されてしまったので思わず手を引っ込める、俺は恥ずかしさでちょっとほっぺが赤くなるのを感じた。




続く

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