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魔導蟲~始まりの物語~  作者: 七味とうがらし
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極東ラボの主任さん

 目覚めるとそこは薄暗い石作りの部屋だった、身体は何かで固定されているようだ、


「こんなアバター作った覚えないんだけどな、しかも固定されて動かないしw」


ぼつりと独り言を言ってみた、すると


「うおおおおお 成功したああああああ」


何処かのおっさんが何だか叫んでるよ、なにこれちょっと怖い


「おい あんた何叫んでるんだよ」


思わず問いかけた


「え? 作られたときから自我を持ってるのか?…しかも会話が可能なのか?儂ってやはり天才なのか!」


軽く禿散らかした50後半位ののおっさんが呟く


「おっさん どーでもいいんだがここはどこだ?」


=====================================



 極東ラボラトリーのV Rシステムの研究主任の朝比奈潤一です、今日は第二世代型V Rシステムの試験日、これが完成すれば第一世代のV Rシステムと一線を画し全く別次元の物となる、第一世代型は脳細胞に刺激を与えて疑似空間に存在しているように錯覚させていたが、第二世代型はアストラル体そのものをV R内のアバターに反映させているんだ、


 ここで言うアストラル体って言うのは幽体とでも思ってくれた方がわかりやすいかな、 これにより より現実感を持たせる事が出来ると考えて構築したのがこのシステム、言わば次世代のVRシステムの開発なんだよね、その為、動き、表情がリアルに出来てまるでその世界に転生したかと勘違いするくらいなんだよ、

 

 このシステムが完成したら,是非ともやりたいことが有る、ってかもう作ってる途中なんだけど、初回ログイン時には必ず遣りたいことがあるんだ、


真っ白い何もない部屋にとばされて来た感じで、女神が現れこう言うんだ、


「ダンプにはねられて亡くなってしまいました」ってね例のテンプレをやってみたいんだ、


 当然その他にクラス転移とか巻き込まれバ-ジョンも用意してるけどね、リアリティー半端ないからパニクってログアウトボタンを探す人が出るだろうけど、起動してから10分たたないとログアウトボタンが出てこない、って感じでね、


よく趣味の悪いやつだな~とか他の研究員からも言われるけど、このくらいのドッキリは仕掛けておいた方が面白いよね、


 そんなことばかり考えてるからバツイチになるんだよ、とか言われるけどでこの年35歳になるまで培った根性の悪さは変えようがないよね、それに 趣味のゲームに遊びにと楽しく過ごせればそれで十分だと思ってた、まあ趣味に没頭しすぎて嫁に愛想つかされた訳だけどね、


 それで、まもなく実験の時間なのでVRヘルメットを装着、内部に電極パットが108個程仕込まれており、それが頭皮に直接触れるようになっている、そして短時間用の睡眠導入プログラムにより微弱な電流が頭部に刺激を与えこれで準備完了、


「あらあらや~ねもうアストラル体が出かかっているじゃないの、でも丁度現在の時刻AM10:00なのよねん実験開始するわよ~ん」 マッチョな助手の松木が実験開始を宣言する、


本日の被検体である俺はゆっくりと眠くなって意識を手放す、





 それで見慣れない薄暗い石作りの部屋で禿散らかしたおっさんに質問している、こんな設定まだ作ってないんだけどな、俺の出現ポイントは真っ白い部屋になるはずだったのだが、何故かこのような所に来ている、


俺はアストラル体になったと同時にこのおっさんのホムンクルスボディ-に召喚魔法で引っ張られたらしい、おっさんの実験開始時刻がAM10:00との事だったのでそれも原因の一つだったのではないかと思う、おっさんに聞いてみたんだけどこっちの世界も1日が24時間で一年は365日らしい、


一つ謎な所があったんだが、何故かおっさんと会話が出来てるんだ、おっさんにその事を聞いてみると


「それは翻訳の魔法と文字も解るようにしておいた」と言われたよ、





 これで元の世界に戻れるのかとかの不安があるが、こうなってしまったものは仕方がない、現状の最善を求めるとしよう、 この実験にとても興味が湧いてきているので興奮しつつもあるが研究者らしく平静を装うようにしていこう、


おっさんは先ほどの俺の問いに対して答えてきた、  


「ここは王都からちょっと離れたグンマ―の街から更に山奥に来たところのアガツーマの村だ」


おっさんはそう答えると俺に質問を浴びせ掛けてきた、


「何故自我を持っているのか、記憶はあるのか、お前は何者なのか?」と、


 おいおい人にものをっ尋ねるときは先ず自分からだろ、と思ったがここは情報交換といこうか、


「極東ラボラトリーVR研究部主任の朝比奈潤一だ、記憶はちゃんと有るぞ」

「俺も答えたんだからおっさんの事も教えてくれよな」


そう切り返して質問をする、この世界の事この国の科学技術水準の事、話を総合して答えを出すとここは地球で言う所の中世くらいの科学技術しかないらしい、


火薬がまだ発明されていないようだった、っでこの世界には魔法が有るらしい、科学の発展を魔法と言う事象が有る為阻害されているようだ、


それって俺が構築しようとしたVRMMOとほぼ同一の世界だった、(ここの世界を俺のVRMMOの参考にさせてもらおう、)そしておっさんは錬金術師のモロ-と名乗った,後にこの錬金術師との出会いがこの世界を大きく変革させていくとは夢にも思わない事であった、





続く

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