Day1-4 救難信号
一通りやるべきことが終わったから疲れただろうし全員寝ることにしようと思ったんだが、どうやら二人は眠れてないらしい。
気温は問題ないだろうし、ベッドも即席にしては全く問題ないはずだ。
レーダーが気になるのか?
聞いてみるか。
「どうした? 眠れてないようだが」
「ゼルがレーダーに異変を見つけたようだからそれを話してくれるのを待っているんだ。 早く話してくれ」
「どうせ機械好きの機長ですからレーダーがおかしいって訳ではないんですよね?」
待ってくれていたとは......。
「ああ、そうだ。 どうやらな、誰かが俺らがレーダーを起動したのを何かしらで察知して信号を送ってきたみたいなんだ」
「信号ですか? それって、こっちから送ることできないんですか?」
「ああ、できない。 その為の機会はすぐ作れるからな」
地球に居た頃暇で適当に技術を漁ってたからな。
「作った方が良いなら作るが?」
「作ってください! もしかしたら何かわかるかもしれないので」
―――
出来たことには出来た。
そして、渡した。
それから一時間。
長い。
とか思ってたら進展があったようで出てきた。
「で? どうだった?」
「う~ん、ひとまず、信号はやはり救難信号で余裕があるようなら助けてほしいと。」
「そうか、それならば会議をしよう」
―――
「さて、議題は一つ。 救難信号の送り主を助けるかどうかについてだ。 作った通信機だとそこまでの会話は出来ないから、そこまで情報はない。 だが、纏める必要はあるからエスティアは話して分かった内容を言ってくれ」
「わかりました。 まず一つ、送り主は所属派閥のコロニーで孤立しており、近いうちに殺されそうな状況に陥っているので救援を求めていると言う事」
「助けた時のメリットは何を提示された?」
「えっと、この星に移り住んである程度の時間がたっているらしく、情勢や、地理が分かると」
「ふむ、デメリットに相当することは何か言われたか?」
「はい、一人か二人の追手がある可能性が高いと」
「そうか、エルはどう思う?」
「そうだな......。 一応銃はあるから襲撃に関しては問題ないと思うぜ。 それに、人手も欲しいところだから俺は賛成だぜ、ゼル」
確かに人手は欲しいところではあるな。
それに、地理情報と、なによりもこの星の民族対立は気を付けておきたい。
「なんとか救援できそうだからしようと思うが、エスティアは異論あるか?」
「いえ、特にないです」
「よし、それではエスティアは助けるから来いと送って置いてくれ。 エルは俺と軽く土嚢作って置こう」
「「了解」」
―――
俺たちが土嚢を積み終わったころ、エスティアが出て来て言った。
「今すぐ出てこっちへ向かうとのことです。 あと数時間しないうちに着くそうです。 追手はそのまた数時間後かと」
「となると、明け方到着の昼前襲撃か」
「こっち来て早々徹夜とは、辛いけどまあ、腕が鳴るぜ」
「何言ってんだ、交代で見張りして寝るに決まってるだろ。 ほら、早く寝ろ。 最初は俺がやる」
「すみませんゼルさん、では遠慮なく。 来たら起こしてください」
来たら起こしてください?
って、あ。
2人とも寝に行ったな。
まあいい、疲れてるだろうし、後でその分働いてもらおう。
多分、起きている意味はないが起きていた方が良いだろうしな。
そういえば救難信号送った人の名前聞いてなかったな。
どうしてもワンシーンワンシーンが短くなりやすい......