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Border_Planet -辺境の惑星-  作者: 彗月
Case.1 OSCAR-1773
11/14

SS クリスマス

ケーキって難しい。

――5499年12月25日 OSCAR-1773船内――


「『メリー、クリスマスっ!!』」

『今日は12月25日、クリスマスです』

「仕事なんかしてないで皆でケーキでも食べませんか?」


 エスティアがARで浮かび上がっているAIと一緒にそんな事を言ってきた。

 少し前に誰かの誕生日とか言って騒いだ気がするが......そうか、もう年末か。


「たまには仕事ばっかりしてないで休め!」


 いつの間にか来ていたエルヴァンまでそう言って背中を叩いた。

 そうだな、たまにはゆっくりするのもいいかも知れない。

 長時間の作業で固まった全身を解しながらメインルームへ赴く。


「あれ、ケーキはどうしたんだ?」

「あと少しで出来るので待っててくださいね」


 出来てから呼んでくれと言いたが、たまにはこの無駄な時間もいいかもしれないな。

 そう思い近くの本棚から本を取り読み出す。

 恋と時間、そして命の儚さ......出版される前のを貰ったんだっけな。


 気付いたら目の前に紅茶が出ていて何とも言えないいい香りをさせていた。

 AIが出してくれたんだろうか.....?

 うん、美味しい。


 そうして30分ほど経った頃、ようやく出来上がったようでケーキが運ばれてきた。

 それを見てなぜ時間かかったかがわかった。

 大きい。

 そして、豪華だ。

 台車に乗せて運ばれてくる大きさ、と言えばいいだろうか。

 ウェディングケーキ並の大きさとしか思えない。


「食べきれるのか?」

「可能不可能ではなくてやるんですよっ!」


 どうやら話が通じないようだ。

 食べれないとはいえAIと一緒に楽しそうにしているからそっとしておいてあげようと思う。


 直ぐそこに余りの大きさに硬直してるエルヴァンが居て安心した。


 このままだとエスティアがケーキに飛び込みかねないので切り分ける。

 ウェディングケーキ並のケーキを結婚式より前に切ることになるとはな.....。


 切り分け終えた頃にはエルヴァンが復帰していて食べる用意が出来ていた。


「さて、食べましょうか?」

「俺はそこまで甘いもの食べられないから目の前にあるこの分しか食べないからな」

「残りは何とかするんで大丈夫ですよ?」


 エルヴァンは甘いものが好きという訳ではないのか。

 それにしても、やっぱり全部食べる気でいるのか。

 まあ、最悪瞬間冷凍で保存すればいいだろうしおいておこう。

 女性の別腹に触れるのは余り精神衛生的によろしくない。


「美味しい」


 そう口から出るほど美味しいものだった。

 スポンジの優しい甘さが生クリームで消えてないいいバランスを保ちながらも甘いというなかなか表現しにくい繊細な味。

 苺は瑞々しくて生クリームの甘さに程よい酸っぱさで刺激を与えてくれる。

 ちらっとAIとエスティアを見るととても嬉しそうにしている。


 やっぱり、たまにはゆっくりしなければな。

紅茶はAIが船内の施設を操作して作り運んだものと考えて頂ければ......

実体化ってわけではないです。

短いのはSSなので勘弁してくださいm(_ _)m

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