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翔太とのひととき

「翔太、誕生日何が欲しい?」

時は2月14日のバレンタインデー。

甘い物があまり好きではない翔太に、チョコ渡すこと悩んだけど、せっかくのイベントだし、付き合って初めてのバレンタインデーだから、昨日柄にもなく甘さ控えめ手作りチョコなどを作ってみた。

翔太の部屋に置いてある、アニメキャラクターの座椅子に座って、テレビを見ながら私は聞いてみた。

あまりに唐突な質問で、翔太は食べかけのチョコを落としそうになった。

「オレの誕生日ったって、あと二ヶ月近くあるよ」

「そんなの知ってるよ。毎年プレゼントあげてるじゃん。でも、今年は翔太の誕生日が土曜日で学校がお休みだから、どこか日帰り旅行でも行こうかと思って」

翔太は勉強机に置いてあるカレンダーをペラペラとめくり、

「ああ、本当だ。今年土曜日で休みじゃん。オレの誕生日っていつもほとんど始業式だもんな」

苦笑まじりに言ってから、立ち上がった。

「で、何が欲しいの?」

「特に欲しい物ないなー。架菜がくれる物なら何でも嬉しいし」

翔太ならそう言うと思ったけど、そう言われると本当に困る。

翔太は洋服とかアクセサリーとかを人と買いに行くのがイヤで、一人でさっと買いに行き迷わず直感で買ってくる。

翔太の部屋には無駄な物は一切無く、勉強机とベッドとギターと、別のデスクの上にパソコンとプリンターがあるだけで、漫画本なども置いていない。 

漫画を読むのは嫌いじゃないはずなのに、漫画は押し入れにしまってあるらしく、自分にとって無駄な物が目に入るとこにあるのがイヤな性格らしい。

本当、私とは大違い。

私は無駄な物に囲まれて生活していたい。

ガチャガチャとかアニメくじとかいらない物が出ても、飾っておくだけで幸せになれる。

脱いだ洋服などもそう。

私は自分の脱いだ服をすぐに洗濯機に入れず、まるで脱け殻のように部屋ににあっても全然気にならないけど、翔太は脱いだ服は速効洗濯機、乾いたらすぐに畳んでクローゼットと言う感じらしい。

そんな潔癖に近い翔太へのプレゼントは本当に悩む。

雑貨は当然NG、服アクセは自分の気に入った物じゃなきゃ身に付けないからこれまたNG。

「あ…」

ふと思い付いた。

「どうした?」

「ううん、何でもない」

そうだ、お揃いのイヤホンジャックにしよう。

それなら、部屋の中の邪魔にもならないし、いつも見る度に私を思い出してくれたら嬉しいなって。


例え離れていても私のことを考えてて欲しい。

私もいつも翔太の事考えていたいから。

今の私は翔太の事で頭がいっぱいなの。





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