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7田中バトル!

【登場人物】


田中拓哉(17)顔面モンゴロイドの自称イケてる高校3年生


裏飯菊マーガレット(17)とにかくかわいいクラスのアイドル。しかし、名前コンプレックスのビーマイベイベー。



田中は、野球のセカンドへ塁を狙うかのようなスタンスに身をかがめ、下半身の重みがゆきすぎるのを、じっと、耐え忍んでいる。


「君が、木村さん家のお猿キンタくん、オスの5歳だね」


少年は、半ズボンのポッケから、ゴソゴソ手帳を取出して、田中を取調べる。


一瞬、田中も「うん。僕、木村さん家のキンタだよ」


と、つられて言ってしまいそうになるぐらい、屈託のない笑顔で言われたものだから、先ほど、いきなり下半身に食らった一撃への怒りもおしとどめ大人の切口で切返えした。


「(少年をやさしく諭すように)ぼく、いきなり飛出しちゃあぶないよ。僕は田中。お猿のキンタくんとは全然似てない、モテ男の高校3年生だよ」


少年は、手帳のメモを確かめながら、


「……間違ない!木村さん家の迷子のお猿、キンタくん、オス5歳。12時20分、秘密結社KJラボ、リーダーKJが逮捕、捕獲する!」


さっと、KJが手を挙げたかと思うと、路地から、鳥籠と虫捕り網を担いだ、力士のように腹であるく少年が、


つづいて、 田中の背後の民家の塀を越えて、ガリガリの牛乳瓶メガネの少年んが、田中の四方を取囲み一斉に飛掛かる。


ワッ~!!


田中は、日頃サッカーで鍛えたフェイントの要領で少年たちの網を掻い潜り、民家の壁から張出して伸びる柿の木にぶら下がった。


「キンタくん。危ないよ。おとなしく僕たちに捕まって、お家に帰るんだ!!」


田中は、枝に実った真赤な柿に思わず手を伸ばし、口にほうばった。


ウッキ~ッ!!


田中の取りすがった柿の木の頂上に、ほっぺがはち切れんばかりに口いっぱいに柿を詰込んだ猿が、まるで、山の支配を賭けた一戦を仕掛けるような凶暴さで牙をむく。


「キンタくんが、二匹!?」


木にぶら下がる田中を挟んで、上に凶暴な猿。


見下ろせば、捕獲を狙う少年たち。


田中の目指す“路地裏の女神”のいるカフェは手を伸ばせばとどきそうな位置だ。


つづく。


(果たして、田中は囲みを突破して、路地裏の女神の元へとたどり着けるのだろうか!! がんばれ田中!! 闘え田中!! お山の大将に登り詰めるその時まで、猿カニ合戦だ!!)

【ゲスト】


KJ(8) 拙作「秘密結社KJラボ☆」の主人公。イタズラ好き。


花田八郎(8)肉屋花田の息子、太っちょ。KJの一味。


ソロバンねずみ男(8)塾やソロバンに通っている計算高い。KJの一味。

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