5 田中はマッシュルーム
「タッくんそっち行っていい?」
「なんだ、佐藤か?」
田中の携帯を鳴らしたのは、佐藤 雅治。お手てつないで~の幼稚園からの幼馴染みである。
そういえば、田中の名前は、拓哉という。
田中拓哉と 佐藤雅治。
名前だけなら、視聴率20%、いや、30%行くんじゃねーか、考えうるウルトラコンビ。
佐藤の方は本物に負けず劣らずのさっぱりした男振りだが、いかんせん田中は北京(原人)である。
「タッくん。“路地裏の女神"に会いに行くんでしょう?」
「そうさ。今日こそ、彼女のハートを射ぬいてみせる!」
そう言うと田中は、話途中で電話を切った。
「やっぱり、田中はマジックマッシュルームだね」
田中は、マジックマッシュルームをとっておきのヘアスタイルだと、佐藤に教えられた。
しかし、実際は禁止薬物の事で髪型のことではない。
しかして田中の誤った解釈はさておいて、マッシュルームで落着いた。
「俺って、やっぱりマンダムだ」
玄関口で いざ 行こうとする田中は、
マッシュルーム頭。
とんぼのめがね。
学校指定のカッターシャツの襟を立て、
テカテカギンガムパンツ。
靴は、、、雪駄である。。。。
ナウな野生のセンスでは、世間のファッションなど、眼中にない。
人類?いや、類人猿の…………
あっ!田中!!作者無視していっちゃった。
オイ待て田中!!そんなカッコで歩いたら家族は世間にどう説明すればいいんだよ。
つづく。




