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4 チェリー田中

今日の田中は、平日の昼間。祭日でもないのに、家にいる。


先ほどから、何やら鏡に向かっては、髪をいじっては直し、整えては無造作にせわしない。


「う~ん。マンダム」


田中は アウスラロロピテクスとそっくりな野生の顔立ちのくせに、時折、自分に見とれては、溜息ばかりついている。


それは、うら若き乙女が、教室の少し離れた席に座るあこがれの少年を、いつも、それとなく自分の視線の中において、どうしようもない胸の高鳴りと、だれかに取られるかもしれないという恐れのはざまで、刹那さを殺しきれず、恋しさに溺れてゆくそれである。


ようは田中は性懲りもなく、好きな子が出来てキュン死にしそうなのだ。


「は~連絡遅いな~」


田中は、誰が呼ぶでもないスマホをのぞき、灯りが落ちてなお、画面に自分の姿が映り込むのをもんもんとした面持ちで見とれている。


♪恋しちゃったんだ~♪


チェリーボーイ田中の着メロが、完全に真夏へ向かおうというこの時期に指先で震えて鳴った。










つづく


作者!チョイスが古いぞ!もっとあるだろ勉強しろ!

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