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20田中!ライバルは奴だ!

田中 拓哉(17)顔面モンゴロイドの自称、イケてる高校3年生。


路地裏の女神(23)カフェ「エレンコ」の看板娘。


飛び込んで来た男。

店のBGMが気怠いボサノバから、サンタナへ変った。


「マッ!マー君!?」


店に飛込むなり、女神を強引に引止めたのは、田中の唯一無二の親友、佐藤雅治だった。


田中は、雅治の突然の登場に、驚きと困惑を浮かべてい、 (マー君にかぎって……)


「…俺……、君が好きなんだ……」


田中は、雅治の裏切りの告白を聞いてもなお信じられず、自分の耳を疑っている。 (きっと、夢だ。雅治にかぎって……これは、悪い夢……)


「タッ君!ここに来てくれ!!」


今、間違なく親しげに名を呼んだのは雅治だ。


目の前で、憧れの女を略奪する男が、たった一人の友なのだ。


田中は、これまでに、数限りなく女にアタックと、玉砕を重ねた


。 その都度、雅治は、 「タッくんの良さは、本物を知ったいい女にしかわかんないのさ」


と、いつだって落ちた田中を励ましてくれた。


本物のいい女 あの時、雅治が言った“本物のいい女”を、田中は女神に見出だした。 (雅治だって賛同し、協力する約束だったのに、なぜ……)


「タッくん。俺、お前を許せない!」


田中は、雅治の女神略奪の裏切りと、今度は自分を許さないと言う……なぜなんだ。


「マー君!何言ってんの?……ハハ~ァン」 田中は、なにかにピンとひらめいた。


突然、雅治の動向に静まり返った空気とは、およそ場違いなテンションで腹を叩いき、バカ笑いをあげた。


「マ~君!いつものドッキリサプライズでしょう?女神も、お客さんも仕込んだの?いや~びっくり……」


刹那。雅治の涼しやかな切れ長の瞳が、一瞬光った。 おどけてた田中の横っ面へ、雅治の男の拳が、 驚き。疑い。裏切り。甘え。 そして、友情を打ち壊すように打抜かれた。



つづく。

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