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読書感想文"羅生門"  作者: 賀来麻奥
新/真・羅生門
7/40

新・羅生門=2=

 暗い。雨で地面は濡れている。無事ワープできた。とりあえずゴーストタウンとでもいうべきだろうか?いやそれより酷い。一応このワープ機能でその時代にふさわしい格好に変装できる。上と草履はとうじのままにしてある。フンドシまで時代に合わせる気はない。


 まず来て思ったのが、臭い。死臭だ。ふと見るとそこにはハエがぎっしり顔にとまった男が倒れていた。不思議なことに血飛沫がでている。恐らくカラスに食われてのだろう。それにしても酷い。

 羅生門の上では明るく光が灯っている。下人と老婆の話をみようとして俺は息を殺し、なおかつ音を立てないように昇った。途中からこの時代の人物に触れない代わりに他の人からも見えないという機能で来ているのを思い出し勢いよく昇った。音も消音だ。しかしこれは向こうの音が聞こえる。


 今として思えばとてもおかしなことだった。そして羅生門の前で倒れていた死人はほほに大きなニキビがあった。


 「うっ・・」俺は思わず声を出した。無理も無い死体が四散しているのだ。あわてて消臭機能を利用した。そしてそこの情景を見た。

 そこには黄色くなった古いボロキレをまとった老婆と下人が経っているのにきずいた。下人の服は思ったよりキレイだ。


 老婆は何かぶつぶついっている。下人はそれを黙って聞いている。俺はこの空気を感想文に書くことにした。(重苦しい空気に包まれた中下人は黙って老婆の話を聞き・・)作文の内容を決めているうちに下人はあるものを出した。それが何かと分からないうちに下人は老婆の頭にソレを当て打った。

 老婆はもんどりうって倒れた。なんだ!!意味が分からなかった。下人が何故拳銃を持っているのか分からないし、大体老婆を殺す理由が無い。そして羅生門の内容をある程度している俺はある行を思い出した。

 下人は左だったかみぎだったか忘れたが、頬にニキビがあるのだ。今目の前にいる殺人者は無い。俺は羅生門の下で死んでいた17歳くらいの男のほほにニキビがあるのを思い出した。


 「ま・さ・か」俺は思わず声を出した。するとその下人と思わしき殺人者はこっちを向いて笑い出した。「そうだよ。下人は死んでいる」こっちの姿が見えている時点で目の前の男は下人ではない。

 そう俺がワープした世界はこの男によって書き換えられていた。

 偶然でもこういうことは無い。こういうことができるのは意図的にしか起こせず、また簡単に出来ない。しかし目の前の男は実際に俺がワープした世界のなかにワープしてストーリーを変えている。



 俺は思わず逃げ出した。ワープ機能を使って逃げ出した。俺は無事現実世界に戻った。しかし問題はアノ男がおれになんらかの考えを抱いているのだ。でなければ俺の羅生門の世界にワープなどしてこないだろう。


 俺はとんでもない事件に巻きこまれていた。

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