新・羅生門
羅生門それは平安時代の末期をモデルにして作られた作品だ。しかしこの物語は違うようだ。
20XX年 一人の少年が自転車で町を走っていた。時間は8時になるだろう。冬の低い気温に体を震わせながら少年は白い息を吐き出しひたすらこいでいる。
彼は中学校の野球部の部員らしく野球帽をかぶってそのまま自転車に乗っている。中学生と分かった理由はその自転車に中学生のステッカーが張ってあったからだ。
「しかし…でも…それでもどうしたものかなぁ」日本語になっていないような台詞を呟き夜道を走っている。彼がこいでいるところはだんだん人気がなくなっている。家も少なく…山に入っていく。
そして少年が自転車を止めたのは幾分か古そうな家だった。「…ただいま」寒いせえで体が震えていたと著者は記したがそうではないようだ。
「お・か・え・り」と角が生えて体から炎が吹きでらんばかりの女性がたっていた。「こんな時間までどこにいたんだ!!この野郎!」女性とは思えない下品な言葉を吐き捨てたこの人は母親のようだ。
「ふぅ今日は散々だったな」こってり絞られて少年は風呂につかり飯を食べ、布団に入っていた。まったく夏休みの宿題は残ってるし、でも遊びたいし。どうするかな。
少年が残してい宿題は読書感想文だ。
8月22日 この日にちで残り読書感想文だけというのは早いと思うのだが…おやは怒っている。たぶん皆さんの親がこのお母さんだったら宿題を31日までためる皆様に呆れて精神的に異常をきたして、病院送りになるであろう。
読書感想文って何書けばいんだ?
「羅生門でも書いときなさい」親がその言葉を待っていたといわんばかりに机の上においていた本を差し出した。「さて書かないと、夕飯抜きだからね」昭和の母さんみたいな言い分だ。大体今、朝の7時半だ、夕飯の話しをしてもぴんとこないだどうし、この少年がこの時間からしようとしているのだから、それをほめてもいいのではないだろうか?
少年は部屋に閉じこもった。「やはり物語の世界に入らないと分からないよな」少年はそう呟いた。引き出しからガサガサと物を探し出した。「あったあった」少年が探し出したのはその本の中に入ることができる優れものだった。SF作品でよくありがちな奴だ(無かったらごめん)。
少年はさっそく羅生門のページを指定し物語の中にワープした。