真・羅生門=11=
「本間に何をしたんだ」音椰が珍しく普通の質問をした。それは俺も、いやいやここにいる全員が知りたいのだろう。
「ちょとね。電子空間だよここ。だから電子プログラムを割り込ませていたのさ」へぇー。ぇええ!?
あぁはいはい。
何を驚愕して納得したのかというと電子空間と聞いてびっくりしたけど、そういえばそうだなと思ったからである。宮元がなんか興味心身でどうやって組み込むのかと聞き出した。
本間がすごくめんどくさいような顔をした。
「俺さちょといたずら系のプログラム持ってんだよね。100個くらいあるからやるよ」といった瞬間に本間がすごい勢いで説明しだした。
…お経のような話し合いが終わり
「さあ、さっさと行こう。こんなところでグズグズしてるとまた変なのがくるよ」と2人ではもって言った。起こる気力など無く呆れ果てた。向こうも同じような反応をしているのだから本当にこいつらそっくりだなと思いつつ
「それじゃ行くか」という田中の反投げやりの声によりとりあえず前に前進していった。
うむ?前方に変な建物がある。それはお屋敷といえるものであった。正面にはシューバロッドが5体いる。しかしこの町はどうなってるんだろうか。
道はレンガできれいに舗装されていた。街灯は明治時代の町のような古めかしいものだ。舗装されたレンガの道の横は竹が立ち並んでいる。竹林とレンガ道の間は細い川があり澄みきった水が流れている。竹柵があれば京都系のホテル(?)みたいな感じだ。
で、そのお屋敷は…。竹林と隣接していて川は屋敷内に取り込まれるようになっている。まあ川といってもコンクリで囲まれているので風情が半減している。しかも結構深いクセに水の量が少ないのだ。
治虫が
「出来るかな…腕力無いけど…」
「たぶん出来るんじゃない」旭日が言った。川のほうを見て。なる程・・・。この後の行動は一部の方の察した通りだ。
「痛い」と小声で言っている前の奴は武田だ。
今俺たちはコンクリートで舗装された溝に見えなくもない川に両手両足をコンクリにしっかりくっつけて進んでいた。四肢が悲鳴を上げている。
ようやく屋敷内に潜入できた。シューバロッドは怠慢な態度なのだろう俺たちを見つけなかった。さっき1キロメートル先で戦闘が会ったのに…情報システムはどうなっているのだろう?
しかしセキュリティシステムもどうかしているな、こんな川から入れるとは。コンクリは石に変わっていた。頭を上げて外の風景を見るとそこは…。
屋敷内に侵入。そこで見たものは?