真・羅生門=人生という羅生門=
突っ込んでる暇ではなかった。さっきの奴だ。つまりフィン・スラなんとかと言う大男である。みんな水を飲もうとしているのに生命力がゴキブリ並みに強く、2速歩行で時速20キロで追ってくる1メートルのゴキブリ並みに怖い奴が後ろから迫ってきた。
「藤原の発想のほうが怖いよ」音椰がどうやって俺の心の中をのぞいたのかは知らないが、そのツッコミの評価は80点だ。
その声により他のシューバロッドがうじゃうじゃ寄ってきた。ちょうど顔くらいの石を取り除いたら虫がうじゃうじゃいたという経験は無いだろうか?そんな感じで湧いてくるように現れた。
ああ俺はどうしてこう何かいろいろなことに巻き込まれるんだろうか?まさしく羅生門に出てくる下人ではないか。下人並みに苦心している。それに肉体労働まで加わっている。もし"羅生門"という単語を苦心することであれば俺の人生は羅生門そのままではないか。
2体のシューバロッドを破壊したものの俺らは遂にとらわれた。しかし…なんというか捕まえ方が原始的?ロボットの兵隊を作る技術力がありながら木に縄で縛り付けるとはなんとも変だ。
自動小銃や機関銃が雨あられと撃っている連中と銃剣で立ち向かう兵士並みの違いだ。それくらいの時代錯誤だ。言っておくが俺は右翼だ。
そいつらは俺らのものを強奪しだした。"強奪"というものはやや不適合だがまあしょうがない。おそらく俺の文才がまだ開花していないんだろう。
「ああ返せ!」音椰が元彼女のボールペンののバネを取られてバタバタと動いている。目から摂氏100度の熱が出てきそうなほど睨んでいた。具体的には髪が金髪になって人間とは比べ物にならない戦闘力を出しそうだ。まあそれは無かった。
「ああ俺のマイケル」武田が何か言っている。覚えているだろうかマイケルとは武田がビニル袋につけた名前だ。
「何なんだこれは?」
「煙草です。吸いますか?」怪しげな声色で煙草勧誘をしていた奴がいた。本間だ。
「…吸う?こうか?」フィン・スラなんとかと言う大男はこうすすって見せてむせ返った。どうも人工知能に問題があるらしい。しかしむせ返るとはよく出来ている。
「違います。つまりですねこの先端に…」説明しだした。
数分後…このシューバロッド3体と例の大男は倒れていた。
そこには本間の秘策があったのである。